何かもう、とにかく、色々、凄かったとしか・・・

 

 

豊橋市議会有志議員(いわゆる推進派:自民党豊橋市議団、公明党豊橋市議団、まちフォーラム、とよはしみんなの議会)による「新アリーナって いま、どうなってるの?」説明会に行ってきました。

 

あえて一言で表現すれば「オモシロカッタ。いろんな意味で」といったところです。

 

 

●質問なるぬ意見陳述?

 

入りきれないほど集まった来場者は、ざっと見、年齢層けっこう高め。

 

会の前半、説明(40分くらい)の方は、まあ、淀みなくと言うか、滞りなくと言うか、配布資料やサイトを真面目に読めば分かる範囲のことでした。

 

けれど後半、質疑(50分くらい)になると、事前に「意見をお聞きする場ではないので、お一人一問、簡潔にお願いします」と釘を刺されていたにも係らず、いや、もう「それ、質問じゃないですよね」が続発。

 

指名された方のほとんどはいかにも高齢で(というか挙手した人自体がそうだったんだけど)、基本、自身の中の反対意見を縷々述べ、再三にわたり「ご質問を」と促される始末。

 

で、ようやく質問に至ると、それは、まあ、ほぼ、どこかで誰かが言っていたな、というものばかり。

 

なので、答えの方も、私的には「そうだよね」というものがほとんどでした。

 

 

以下、自分がメモしたもの。

 

 

Q1.駐車場は増えないのか?

⎯⎯現状と同じおよそ400台分。

 

Q2.落とし所として住民投票をするのか?

⎯⎯可能性はある。

 

Q3.事業者が倒産したらどうなる?

⎯⎯市側に有利な補償枠組みになっている

 

Q4.金額は本当か?

⎯⎯分かり易くするために「約」「およそ」で説明している。

 

Q5.説明会の動画配信の予定はあるか?

⎯⎯検討している。

 

Q6.(意見のみで質問に至らず)

 

Q7.観客数5,000人となった理由は?

⎯⎯種々の要素を調査検討した結果。

 

Q8.野球場移転先が(津波)特定避難困難地域だが?

⎯⎯球場自体盛り土をして一時避難場所にする。

 

Q9.金額の詳細な内訳はないのか?

⎯⎯公開資料以上のものはない。

 

Q10.災害時、防災利用を優先できるか?

⎯⎯できる。全て業者の言いなりになるわけではない。

 

Q11.建設・整備費と運営費の内訳が変わったのはなぜ?

⎯⎯事業計画(市の想定)と業者提案(戦略)との違い。

 

Q12.再開できるとして、交付金、事業費は現状のままいけるのか?

⎯⎯分からない。

 

 

中立、もしくは推進寄りの質問は、Q5.とQ12.くらいでした。

 

 

ひとつ「なるほどな」と思ったのは Q1.の答え。

 

公園がある地元校区から「駐車場を増やすと、その分渋滞が酷くなるので増やさないでほしい」という要望があったのだそうです。

 

 

あと Q11.で「事業者は、費用の全てを建築・設備に全振りして良いモノを造り、それによって興行誘致・収益を増やして運営に回すことを提案してきた」ということ。

 

興行主として、自前の照明・音響を持ち込むのであれば7,000は欲しいというのが一般的なところを、使い勝手の良い設備があるなら5,000でもいける、その方が良いというイベント需要を掘り起こす、ということのようです。

 

 

傑作だったのが Q8.での不規則発言。「その土は何処から持ってくるんだ!」とか、それ、重要ですかね。

 

そんなんだから、そこから質疑終了まで、不規則発言もかなり増えました。

 

 

●「年齢制限したい!」(あくまでも独り言です)

 

まあ、とにかく、[X]とかヤフーコメントとかに生息している確信犯的「反対派」が、リアルにいるんだなあ、というのが、新鮮な驚きでした。

 

昨今の風潮として「今だけ、金だけ、自分だけ」な人が増えたね、と嘆く声がありますが、いやいや、それが特に酷いのは「昔の若者」達だろうと思った次第。

 

大体、30年後の未来が心配であるかのようなことを言ってますけど、その頃にはもう貴方達は・・・以下略で。

 

 

最後に、その日一番の収穫は、例の「ゼロベースで見直す」発言について、浅井さんが議会でこんな答弁をしていた、という話。

 

 

 また、新たな施設の機能として何が必要であるのか、またその機能を最大限発揮するための適切な場所や規模、建設・運営手法などをどうすべきかについて、再度整理すべきではないかという考えを持っておりまして、当時の計画をゼロベースで、一回ゼロにして、そして再検討するということを申し上げてきたと考えております。

 

  そして、その後いろいろ調査・検討をゼロベースでしてきたわけでありますが、以前の、平成28年の調査を市で行っておりますけれども、そのときの調査した場所は、豊橋公園と総合スポーツ公園の2か所の調査・比較が行われておりますが、これまで検討されてこなかった場所も、今回の調査検討ではそれも含めまして、ゼロベースで複数の候補地について様々な観点から比較・評価をして、将来の豊橋のまちづくりへの貢献などについて総合的に判断した結果、史跡指定をした三の丸会館、美術館側の豊橋公園ではなく、現在既にスポーツ施設等が様々ある、スポーツゾーンとでも言うのでしょうか、そちらに整備するのがふさわしいということに考えが至ったということであります。

 

  今回、豊橋公園のスポーツゾーンを建設候補地とすることに対しては、市民の皆さんの中には賛否両論あるというのは認識いたしておりますが、豊橋公園に建設をしないということを期待しておられた市民の皆さんに対しては、豊橋公園のスポーツエリア以上の適切な場所を確保できなかったという点においては申し訳ない気持ちがあります。

 

  しかし、市長として、この豊橋がさらに発展をしていく、活性化をしていく、そのことはやはり第一に考えまして、豊橋公園であれば民間事業者の参入の可能性が見込まれると。そしてまちのにぎわいにも寄与する。そして防災の拠点としても適切な場所であるということ。

 

  それから、市長就任以来、新アリーナの早期建設を要望される市議会もそうでありますし、様々な民間団体などからも御要望も頂いておりましたので、そのようなことを総合的に考えまして、今回の調査結果に私自身も納得をし、そして6月定例会に予算案を提案させていただき、議会の多くの御賛同を頂いて、現在計画策定事業を進めているということでございます。

 

豊橋市  令和 5年  3月 定例会  02月27日-01号 第36 議案第36号 

豊橋公園への多目的屋内施設(新アリーナ)建設の賛否を問う住民投票条例の制定について 

 

 

こういうのをね、もっと上手に、直接市民に向けて発信していてくれたら、そして、メディアも、充分にそれを伝えていてくれたら、と思わずにいられません。

 

さらに言えば、此度、有志議員の皆さんが取り組んでいるこの説明会。同様のものを、市として、それこそ市内校区の数だけ開催していたら、こんなややこしい事態にはなっていなかっただろうに、です。

 

 

ま、そんな「もはやない過去」を嘆いてみても仕方ありません。

 

ただ、可能であれば、人の話を聞く気がなく、自分の意見を変えることもなさそうなジジ・ババはこの際置いといて(言うだけ言えば黙る可能性もあるけれど)・・・

 

「分からない、どちらでもいい」人達にアプローチ、アピールできるよう、そこを真剣に考えましょう。

 

でなければ、とてもじゃないけど住民投票で決着なんて、未来に向けて禍根を残すだけだなと思います。

 

 

「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」の恩恵に預かるのも、税負担を担うのも、今の子供達、中・高校生達なんですから。

 

 

●「アリーナだけではありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に、上に示した市議会議事録の、もうちょっと先のところに、こんな遣り取りもありました。

 

 

◎浅井由崇市長 お尋ねにお答えをしたいと思いますが、市長としての活動といたしましては、先ほど来いろいろ、坂柳議員への答弁でも申し上げましたが、ゼロベースで検討するということをまずお約束をして、そして多くの皆様方の意見、御要望等、いろいろな団体からも御要望等もありましたし、調査もしてきて、それを踏まえて予算を提案するという形で議会にお諮りをしたというのが私の活動であります。

 

  以上です。 

 

 

◆長坂尚登議員 お答えいただきました。

 

  しかしながら、今回提出された方々、意見陳述された方々は、選挙により選ばれた市民の代表としての長の活動として、市民の意思を行政に反映させていない。だから、これだけの署名が集まり、直接請求をされたと。私は、直接請求は非常に重要な権利だし、限りなく尊重すべきだと思います。

 

  それに対して意義を見いだし難い、間接民主制が原則であるとおっしゃるのであれば、市長やるべきは、市長は市民の意思を反映させるべきで、やるべきはこの市政の混乱の責任を取って辞任し、出直し選挙でもう一度市民の意思を問い、それを反映させる間接民主制を豊橋市でつくることが、市長の最後の役割だと思います。

 

  私の質疑をこれで終わります。 

 

〔傍聴席で拍手する者あり〕

 

 

直接請求の署名と請願の署名とは別物ではありますが、署名する時、それが別物であると知っていて署名する人は、そう多くはないでしょう。

 

「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願書」に添えられた市内だけでも5万9千近い署名。

 

そこら辺の「重み」を「限りなく尊重すべきだ」という思いは、市長となった今、変わってしまったのかな?