推進(契約履行)派はもちろん、反対(解除は無理筋→契約不履行・破棄)派も、よりよい豊橋の未来や市民の暮らしを実現するために市議会議員を志したはず。

 

であれば、議会無視、少なくとも軽視を続ける市長に対して、覚悟を決めて向き合ってもらいたい。

 

 

そこに至る経緯に種々諸々の問題があったとしても・・・

 

 

●契約は守るもの。それが大前提。

 

「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業の特定事業契約」

 

 

 

https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/114326/keiyakuteiketu.pdf

 

 

 

反対派が指摘する問題点は、あくまでも市側の都合。事業者側に落ち度はない。

 

どうしても「解除等(この「等」が曲者)」したければ、裁判沙汰を覚悟しなければならないと思う。

 

 

それは、豊橋にとって良いことなのか?

 

多くの豊橋市民は、それを望んでいるのか?

 

 

もちろん、極々少数の「確信犯」は、市政の混乱、望むところなのでしょうけれども。

 


●それでも「公約」に拘る長坂氏
 

13万余(市内約5万9千)の署名を添えた「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願書」。

 

市議会が採択したその請願について、市が「事務処理の経過と結果」を示す期限である2月25日まで、特に動きはないのかと思っていました。

 

 

が、唐突に、こんな報道がありました。

 

 

(中日新聞2/11-14東三河版)

 

 

 豊橋市が契約解除への手続きに入った多目的屋内施設(新アリーナ)計画を巡り、市は10日、事業者側から2024年11月に送られてきた文書に対する返信の文書を送ったと発表した。送付は2月6日付で、市は文書の内容を明らかにしていないが、「解除に向けた協議に向けて動いている」(多目的屋内施設整備推進室)としている。
 
 計画中止を公約に掲げ24年11月の市長選で当選した長坂尚登市長が、同月21日に事業者側へ契約解除に向けた協議を申し入れ、同月27日付の事業者側からの文書が届いていた。
 
 契約書では、市が契約を解除するためには6カ月以上前に事業者側に通知することを明記。また市は契約締結前の事業者側との協議内容を「個別対話結果」として公表しており、契約解除にあたっては事前に相当期間の協議を行うとしている。
 
 同室によると、今回の返信は解除の「通知」にはあたらず、今後、事業者側との協議を進める。返信に2カ月以上かかった理由について、同室の北村充主幹は「市議会の動きや返信内容などを精査していたため」と説明。「市長からの指示通り、契約解除に向けた手続きを進めていく」と話した。
 
 計画を巡っては、浅井由崇前市長時代の同年9月、市が不動産業「スターツコーポレーション」(東京)を代表とするグループと約230億円の整備運営契約を締結。スターツコーポレーション広報部は本紙の取材に「コメントは差し控える」とした。(小山豪)
 
 
ちなみに、この記事、Web版では・・・
 
豊橋の新アリーナ「解除に向けた協議へ動いている」
市が事業者側に返信、内容は明かさず
 
・・・という見出しになっています。
 
 
いや、ちょっと待って。
 
本文では「解除に向けた協議に向けて動いている」(多目的屋内施設整備推進室)となってますよね。
 
(誤植でなければ)「解除に向けた協議へ動いている」と「解除に向けた協議に向けて動いている」は、似て非なるもの。
 
 
複数の市議会議員がネットに上げてた文書がこちら。
 
 
 
 
多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業の事業者に対し返信文書を送付しました
 
 既にお知らせしていますが、本市から事業者(豊橋ネクストパーク株式会社)に対し、令和6年11月21日に、契約解除に向けた協議の申し入れを行っております。
 
 今回、事業者からの11月27日付け文書に対し、本市から返信文書を送付しましたので、お伝えします。
 
 
「公文書」がこうなっているのだから、ソレ以上でも以下でもありません。
 
つまり、市は「協議の申し入れ」を行っていて、それに関連する「返信文書」を送付した、ということ。
 
 
現段階では「契約解除に向けた協議」そのものは始まっていない、始まるかどうかはこの「返信文書」を受け取った事業者側次第。
 
市が2ケ月以上かけて掻き集めたのであろう言い分(解除理由)に、事業者側も納得して、ようやく「解除に向けた協議」が始まるわけですから。
 
 
記事本文にも〈今回の返信は解除の「通知」にはあたらず、今後、事業者側との協議を進める〉とあるとおり、未だ「解除の通知」をできる状況にはない、という解釈で良いと思います。
 
一方的にそれをすれば、それこそ裁判沙汰ですから。
 
 

●「解除の手続きが始まっている」に持っていきたい?

 
ならば何故、市は採択された請願への回答を前に、こんな中途半端な発表をするのか?
 
去る1月14日、「豊橋市議会の議決すべき事件を定める条例の一部を改正する条例」議決に対して市長が示した「再議書」の11ページ、括弧書きで、こんな文章がありました。
 
 
ただし、提案議員からは、「今回のアリーナの件については、ただいま協議中ということだが、解除の手続きが始まっていれば対象にならないが、解除の手続きが始まっていなければ対象になる」旨の発言があった。
 
 
 
 
ここを読んだ時、何でわざわざこんなことを書き込んでいるのかな? また何かの伏線(あえて言えば「罠」)を仕込んでいるのかな? と、多少気にはなっていいました。
 
察するに(単なる憶測、とも言いますが)、長坂氏は、とにかく「解除の手続きが始まっている」という既成事実をつくりたくて仕方ないのでしょう。
 
就任直後の「協議の申し入れ」からしてそうなのだけれども、「解除手続きに入った」という印象・誤解を、意図して広めようとしているとしか思えません。
 
 
「市民の負担を少しでも減らすため」と称し、それを言い訳に議会無視を続けている長坂氏。
 
けれどその結果は、いたずらに工事中断が長引き、コスト(=市民の負担)は積み上がっていくばかりです。
 
ここまでやってしまった以上、もう自分から引くことはないでしょう。
 
 
「公約を守る」、それ自体は大切なことだけれども、その公約が、そもそも無理筋・無責任なものであれば、それに拘って一歩も動かないのは、迷惑以外の何物でもありません。
 
おそらく長坂氏は、何であれとにかく引っ張って、事業者がしびれを切らすか、Bリーグがプレミアライセンスを取り消すか、あるいは、市民の嫌気が差すか、そのいずれか、自らは責任を取らなくても良いカタチで、契約解除「等」に持っていきたいだけなのです。
 
 

●初志を思い出せ!

 
市議会議員諸氏よ、そんなことを続けさせて良いのですか?
 
よりよい豊橋の未来、よりよい豊橋市民のくらし、それらを実現するために市議会議員を志したのではないですか?
 
 
貴方達だって「民意」を得て議員になったのだから、その意味で市長と対等であり、必要とあらば対決してもらわねば困ります。
 
件の条例改正案、審査の申し立て期限、採択に対する回答、あるいは、新年度予算提示・・・タイミングはいくらでもあります。
 
長坂氏の「暴走」を、もうどうにも止められないとなったら、刺し違える覚悟を持ってもらいたい。
 
どっちにしたって、来年春には選挙になるんですから。