豊橋市議会が「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願書」を採択しました。趣旨採択ではなく、まんま文字通りの採択は、豊橋においては過去2回しかないそうで、その重さが分かるというもの。

 

しかしながら、同時に「事業継続の賛否を問う住民投票条例(仮)」の提案もあったとのことで、素朴に「何じゃそりゃ」です。

 

 

それを伝える毎日新聞の記事。

 

 愛知県豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)建設問題で、同市議会は20日、本会議を開き、住民団体「新アリーナを求める会」が事業の継続を求めた請願を賛成多数で採択した。長坂尚登市長に来年2月25日を期限として回答を求める。

 

 この問題で、市議会の計画賛成派、反対派はそれぞれ計画の賛否を問う住民投票条例案をまとめており、一本化して可決することを目指している。【永海俊】

 

私的には、請願の採択にあたって「市長への事務処理とその経過、結果の報告期限も議事に加え、採択後の議運で協議するとした」ということもあり、その報告次第で「市長不信任」もあるかと期待(?)したのですが、現時点では、それはどうやら無さそうです。

 

まあその・・・不信任案を審議するには、そもそも議員総数(36人)の3/4(27人)の出席が必要で、残念ながらそこがクリアできないのかなと。

 

あるいは、それ以前に、多数派議員の中にも(解散・選挙はやっぱり嫌という)腰砕けの議員が少なからずいるのかもしれません。

 

 

ちなみに、自民:18、公明:5、まちフォーラム:3、の合計で26人です。鍵を握る「1人会派」は「とよはし みんなの議会」(計画自体には賛成。もともと住民投票思考っぽい)と「豊橋維新の会」(計画自体にはたぶん賛成。先日の補欠選挙で当選したばかり)。「みらい市民」(そもそも社民系。期待できない)。

 

 

 

 

ただ、一応まだ、条例案採決の「見込み」なので、これからどんでん返しがあるかもしれません。

 

ひょっとして、賛成派の住民投票条例案は「反対派にだけ良い格好させられない」もしくは「カタチだけ出しておいて、双方細部で譲らずまとまらずの廃案狙い」なんてことも、無いではない?

 

 

なので以下、とりあえず、今日の段階で思うところを。

 

 

長坂氏としては、住民投票の結果であれば、どちらに転んでも「公約破り」の誹りは免れるわけで「シメシメ」ってなものでしょうか。

 

しかしながら、そうは問屋が、いや、少なくとも私だけは、卸さない。

 

 

今のうちに言っておきます。

 

住民投票の結果「事業継続賛成多数」となって(まあ、そうなるでしょう。なると思います)、だから「民意に従って計画中止は撤回します」で済む話ではないからね。

 

 

そもそも、既に契約・着手済みの「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という無理筋・無責任な公約を掲げたこと自体が民主主義の破壊であり罪深いことです。

 

そのくせ、当選したことをもって「計画中止の民意を得た」と強弁し、かつ、議論も説明もなく「契約解除の申し入れ指示」を独断専行したのも二元代表制を愚弄する姿勢であり態度でした。

 

決してワンイシューで争うわけでもない市長選挙選挙です。まして、先の選挙の実態は、新アリーナ計画の賛否自体は既に終わった話でありメインイシューですらありませんでした。

 

だからこそ、選挙公報において、34項目のひとつとして小さく書いてあるだけだったのです。

 

それを当選してから、いかにもファーストイシューであったかのように言うのは、姑息であり卑怯でもあります。

 

 

 

住民投票の結果、事業継続が決まったとして、長坂氏自身(とその支持者)は「公約を守って行動した」が「民意に従って撤回した」と胸を張るのでしょう。

 

けれど、実態としては「無理筋・無責任な公約をゴリ押しした」あげく「収集がつかなくなって住民投票に逃げた」です。

 

 

不信任からの選挙やり直しとならないのは、残念といえば残念ですが、まあ、仕方ありません。

 

議会も、市長同様、住民投票に逃げた、の誹りは免れません。

 

それでも、長坂氏として「民意を得た」つもりが「民意など全く読めていなかった」ということに変わりはなく、自他ともに認めていた(らしい)にも関わらず「一丁目一番地」の公約を守れなかった、という事実は厳然として残ります。

 

 

言ってしまえば、不信任からのクビとなるか、死に体で任期を全うするかの違いです。

 

正直、長坂氏のことは、もう、それくらいどうでも良かったりします。

 

私の中ではとっくに、というか、選挙前から「市長としては不信任」ですから。