『走る距離を知らないアルジャーノンに花束を』
駿麗賞を迎える⑦アルジャーノンはずっと悶々としていた。
なぜなら前走の早春賞がものすごく疲れたからだ。
もちろん彼も競走馬デビューして早4年。
いつもと違う距離を走ることはある。
しかし、あの日よりイメージと違ったことはない。
それはそうだ、ここ最近1200mばかり走っていたのに、
いきなり2000mも走らされたからだ。
「ボクはあの日、
ゴール板を通過してもゴーサインが出なかった時点で、
今日はもう少し走るんだなって思ってたんだ。
だから心の準備はできていた。
そしてそれでも結構走ったな、
と思ったところでやっとゴーサインが出たんだ。
それでコーナーを曲がりながら
先頭の馬に食らいつくつもりでペースを上げたんだ。
しかし、そこからがまた長かったんだ。
それに捉まえたつもりの馬がなかなか止まらなかった。
それに内から伸びてくる馬もいる。
ほんとに参ったよ
だからボクは決めているんだ、
今日はウンッと心の準備をするつもりなんだ。
もっともっと長い距離を走れるために。
ボクの上に跨る人もまた同じ人が良いかな。
ボクがもっともっと準備してきたことをわかって欲しいしね」
アルジャーノンは知らない。
今日は300m距離が短くなることを
