ちょっと前になりますが、

岡本親子演じるLe Fils(息子)を観に行きました。

 

 

本当の親子が演じる

家族のすれ違いの物語。

本当の親子にも当然あったであろうすれ違い。

皆お互いを思う気持ちがあって

それぞれ自分を抑えていて

皆「良い人」だけどすれ違う毎日。

すれ違う中で傷を負う息子。

それぞれ気遣う家族。

その気遣いがまた傷になる息子。

 

切ない物語でしたね。

 

岡本父(健一さん)は紫綬褒章の受章者でもあり

名優だということは知っていて、

それもあって毎回観劇しに行っているのですが

今回光ったのは何と言っても

息子の圭人さんですね。

あの呆けたような顔。

健一さんも圭人さんも、

立っている姿勢や顔の角度、

シルエットで既に気持ちを表していて、

舞台装置の動きも良く出来ているな~、と思いました。

 

ただ、このお芝居は本当の親子に演じさせるのは

あまりにも酷なような...。

終わっても自然に流れる涙を止めない

岡本親子、

カーテンコールでも、

しばらくは表情が呆けていて定まらない。

毎日あれを演じていて

精神状態を保つのは大変ではないのだろうか。

あの設定に、

入って、出て、というのは

難しいのではないかと思いました。

 

明るい気分で劇場を出て来ることはできません。

お芝居ってすごいな~、

俳優さんすごいな~、とは、きっと思えます。

 

文句なくお勧めです。