―前回。
兄:「…(NNN)市!!!」
俺:「おぉぉぉぉ!!!」―

次なる地へ到着した頃、時間はもぉ夜の10時半を過ぎていた。
そこは、中京のド真ん中、いや、日本のド真ん中。
N市、イコール、名古屋市。

時間が時間なので、その日はとりあえず漫喫で仮眠を取り、朝が来るのを待った。


卒業旅行2日目。

実は、俺は就活の都合もあって、最近まで名古屋へは何回も通っていた。ついでに言えば、その会社には内定を頂いたりと、何かと恩のある街。
そんな数ヵ月前に覚えた土地勘を生かし、朝の早よからしばしの観光。

さて。今日もやりますか。

ふと見上げたビルの屋上のデジタル温度計が32度を示す中、名古屋一の繁華街である(らしい)栄で、「日本環状線」の延線作業開始。
次は、「M市」へと導いて頂こぉ。

@栄交差点。

ここは、名古屋の深夜番組、「ノブナガ」のロケコーナー、「地名しりとり」、「写真マラソン」、「ごはんリレー」など、数々の人気企画がスタートした場所。大阪駅の歩道橋同様、自分の一人旅がこんな聖地とも呼べる場所をハシゴすることになるなんて、そらぁ俺も、「おぉぉぉぉ!!!」って言うわ。

大阪では1人目で成功したこともあり、知らない人に喋りかけることには若干慣れはした。しかしアウエーの地にとなれば、さすがに嫌われることも増える。なかなか立ち止まってもらえない。初めて、一人旅の淋しさを感じる。

素通りされ続けること約1時間半、疲労からしばらく休憩することにした。セントラルパークのテレビ塔下で、噴水の音を聞きながら喫煙タイムだ。
しかし、こんな時に限ってライターが不良。なかなか火が点かない。もぉ、嫌になるなぁ。
すると、俺の目の前に一人の外国人の女性がやって来た。彼女はそんな俺の姿を見ていたのか、何とライターを貸してくれたのだ。ピンク色のライター。
俺:「あ、ありがとぉございます!!!」
おそらく、言葉は通じなかったのだろぉ。彼女は、「いえいえ」と言わんばかりの笑顔を見せ、すぐさま名古屋の街へ消えて行った。
彼女の何気ないこの行為に、俺は再び動く力をもらった。
これは俺の勝手な想像だが、世界のどこかに女神さまが居るとしたら、多分あんな姿やと思う。
いや。俺は、女神さまの錯覚を見たのだろぉか。この噴水は、聖なる泉か。

新しい気分で、再び栄の交差点へ。

すると何と、女神さまの効果なのか、作業再開から間もなくして、メッセンジャーと思われるお兄さんを発見。
ここで、俺は閃く。
メッセンジャーの方なら、日本各地へ行っているはず。と言うことは、色んな地名を知っていてもオカシくない。
…シナリオは、自分で描くものだ。

俺:「すいませ~ん。僕、とある大学の学生で…(中略)…ご協力頂けますか???」
兄:「はい。何でしょう???」
よし。話を聞いて頂けた。
俺:「『まみむめも』から始まる日本の市町村を一ヶ所連想して頂いて、このノートに書いて頂きたいのですが???」
兄:「まみむめも???市町村???えぇっと…。」
俺:「どこでも構いません!!!」
一瞬の静寂。
兄:「あぁぁ!!!」
サラサラサラッと。
俺:「ほぉほぉ。(MMM)市?!!(MMM)って、(バキューン!!!)県の???」
兄:「そぉです。」
俺:「なるほど!!!そぉですか!!!」
さて、(MMM)市を連想して頂いたお兄さんに、企画を説明。
俺:「実は僕こんな企画をやってまして、次は(MMM)へ行くんことになったんです。」
兄:「えぇぇ!!!そぉだったんですか!!!でも、『まみむめも』って意外と少ないですよねぇ???」
俺:「そぉですねぇ。僕もあんまり想像つかなかったんです。」
素人が一人でやっている企画にも関わらず、本当に親切に接して下さったお兄さん。どこから来られたのか、聞いときゃぁ良かったなぁ。

俺:「じゃぁ、次へ行って来ます。ありがとぉございました!!!」
兄:「頑張って下さい!!!」
感謝の思い以外には、何も無い。
ほんまに頑張らんとアカンな。

その後、道を尋ねた方がたまたま静岡からの旅行者やったり、旅をしてると色んな出会いがあるもんだ。

次は(MMM)市。

「…だんだんオモロなって来たでコレ!!!」

続く。