
拡大写真
3月22日、米下院で21日可決された医療保険改革法案は、恩恵が先でコスト負担が後と約束しており、経済への影響は長期化する可能性がある。写真は21日、会見後のオバマ大統領(右)とバイデン副大統領(2010年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 22日 ロイター] 米下院本会議で21日可決された医療保険改革法案は、恩恵が先でコスト負担が後の「バイ・ナウ・ペイ・レイター」を約束している。政治的には目先賢い選択と言えそうだが、経済への影響は長期化する可能性がある。
法案がまだまだ勢いづかない米経済に重過ぎるコストを押し付けるものだという批判は、増税の大半が2012年以降に発動されることを考えれば誇張されているかもしれない。同様に、今回の改革によって米財政赤字が削減されるという法案支持派の見通しも過度に楽観的かもしれない。
11月に厳しい中間選挙を控える議員にとって同法案は、初年度から実施される既往症による加入拒否の禁止など、即効性のある条項が盛り込まれており、有権者の共感を得られる可能性が高い。
増税と歳出削減の先送りは、中間選挙の終了後ずっと先まで不愉快な措置が現実のものとはならないことを意味するものの、議会に対してこれらの不人気な措置を覆し、財政赤字削減の公約を取り消すに十分過ぎる時間を与えることにもつながる。
有権者にとってもオバマ大統領にとっても失業が経済面での最優先課題であることには変わりなく、従って法案を取り巻く大きな疑問は、法案が雇用の支援要因になるか阻害要因になるかだ。
法案の成立によって、特に今回の改革が福利厚生コストに与える意味合いの明確化を望み、雇用拡大に消極的だった中小企業オーナーが抱えていた不透明感は1つ取り除かれることになる。
しかし、もっと大きなハードルが残されている。全米独立企業連盟(NFIB)の調査によると、中小企業の景況感は依然弱く、最大の懸念は引き続き売上高の低迷だ。
BMOキャピタル・マーケッツ(シカゴ)のストラテジスト、アンドリュー・ブッシュ氏は「中小企業が躍り上がって『素晴らしい』と叫ぶことはないだろう。法案は、中小企業が弱気のままで、雇用の是非に慎重になっている時期にコストが増加することを示している。雇用コストの上昇を意味している」と指摘した。
<中小企業>
米国では中小企業が雇用創出の大部分を担っており、その雇用に関する消極姿勢が9.7%近くの失業率と今後5年間の失業率高止まり観測の決定的要因になっている。
企業向け給与計算サービス会社のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が集計した月次の中小企業雇用リポートによると、2月時点の中小企業雇用者数は1億0670万人で、リセッション(景気後退)が始まった2007年12月の約1億1500万人から減少している。
医療保険改革法案は中小企業に医療保険の提供を奨励する減税措置が即時開始で盛り込まれている。
2014年になると、医療保険を提供していない従業員1人当たり最高2000ドルの罰金が課される。ただし対象企業は従業員50人以上の企業に限られる。ADPのデータによれば、中小企業による雇用の約55%をそうした企業が占めている。
ウニクレディト・リサーチ(ニューヨーク)のエコノミスト、ハーム・バンドホルツ氏は「不透明感が払しょくされたとはいえ、コスト増加は現実問題だ。多くの企業が雇用を躊躇(ちゅうちょ)しているが、医療保険改革は理由の1つにすぎない。最大の問題は引き続き、景気回復力についての不透明な見通しだ」と言う。
個人に医療保険への義務的加入を求める条項も2014年に罰金が発動する。エコノミストは低所得者層と青年層への影響が最も大きいが、その多くは税額控除の対象となり、コストがカバーされるため、個人消費に対する影響は軽微とみている。
<今買って支払いは後(バイ・ナウ・ペイ・レイター)>
長期的に10年間で1380億ドルの財政赤字削減という議会予算局(CBO)の見通しは、法案に書かれた増税と歳出削減を議会が貫き通すという前提に依存している。一部のエコノミストは議員の対応に懐疑的だ。
一部のサービスに対する課税を例外に、コスト上昇分の大半は将来に先送りされている。高額所得者のメディケア(高齢者向け公的医療保険)への増税は2013年から始まり、高コストの医療保険プランに対する消費税は2018年まで発効しない。個人の無保険に対する罰金が課されるのは2016年からだ。
LPLフィナンシャル(ボストン)の主任市場ストラテジスト、ジェフリー・クライントップ氏は財政赤字削減について、恐らく希望的観測だと話す。
また、たとえ実現したとしても、1380億ドルという金額は、ホワイトハウスの財政赤字見通しに比べれば微々たる数字に見える。ことしの赤字は1兆5000億ドルを上回る見込みで、少なくとも2015年までは7000億ドルを上回って推移する可能性が高い。
クライントップ氏は「赤字の拡大幅がどの程度かが問題だ。無保険者への医療保険拡充は社会的に素晴らしい側面もあるが、非常に高くつく。われわれ全員がどのようなコスト負担方式を望んでいるか、歳出削減を通じてなのか増税を通じてなのか、財政赤字の拡大を通じてなのかを決定する必要がある」と語った。
(Emily Kaiser記者;翻訳 関佐喜子 ;編集 村山圭一郎)
※この記事の著作権は引用元にあります
ブログパーツ「あやぽんRSS!」を使ってアクセスアップ!
★アフィリエイト動画をYouTubeから探してきたよ★
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100323-00000634-reu-bus_all
今日からあなたも、稼げるアフィリエイターに。AGS アフィリエイト・ゲートウェイ・システム