
成田空港の年間発着枠が28日から、現行より2万回多い22万回となる。
さらに30万回への拡大を目指して地元との協議も進む。韓国・仁川(インチョン)との競争に加え、羽田を優先整備する構想も浮上する中、「国際拠点(ハブ)空港」の地位確立に新たな戦略が求められている。
成田空港第2ターミナルビルで今月、新規就航するエミレーツ航空(アラブ首長国連邦=UAE)、マカオ航空(マカオ)の事務所が相次いで開設された。経営破綻(はたん)した日本航空の関係事務所の撤退で、空室が目立ったビルが活気づいた。
成田2本目のB滑走路が昨年10月、2500メートルに延びて大型機発着が可能に。誘導路増設もあって増枠が実現した。増枠2万回のうち1万6000回は埋まった。国際線は、新規と増便で9400回。目玉は、急激に経済成長したペルシャ湾岸への直行便で、UAEのドバイとアブダビ、カタールのドーハへ週17便が飛ぶ。
成田国際空港会社(NAA)の関係者は、昨年11月にUAEの政府系企業が危機に陥った「ドバイショック」に肝を冷やしたが、その後もドバイ空港が利用客を維持しているのを確かめて一安心。予約は好調といい、森中小三郎・NAA社長は「日本は石油を中東に依存しており、ビジネス路線として期待できる」と強気だ。
もう一つの柱は、地方からの国際線乗り継ぎ客のための国内線充実。既存8路線のうち小松、広島線などで増便し、全体では6600回多い2万1000回となる。路線数倍増も目指す。
しかし、ライバルの存在感は増すばかり。仁川空港の発着実績は成田と同じ約20万回だが、発着枠は41万回。最短の国際線乗り継ぎ時間は45分と成田の60~90分より短く、成田、中部、関西を除く日本の25地方空港に路線網を張る。着陸料は、成田の3分の1程度だ。NAAは民営化後の2005年に平均21%の着陸料値下げをしたが、まだ高い。
羽田は今年10月の第4滑走路完成で国際線が1万回弱から6万回に飛躍。路線は近距離限定から北米、欧州にも広がる。さらに前原国土交通相が昨年10月に「国際線は成田、国内線は羽田」の原則を廃止し、羽田を24時間のハブ空港として優先整備する考えを示した。成田側も理解を示した「成田、羽田の一体運用」から踏み込んだ発言で、成田の地位は揺らいでいる。
◆30万回構想も◆
「午後11時~午前6時の発着禁止ルールを見直せるか検討しよう」。町域の7割が成田空港の騒音地域に当たる千葉県芝山町の相川勝重町長が提案した。前原構想に慌てた周辺9市町長らが集まった昨年12月の会議。町長は空港反対派出身で、ルールを国に認めさせた本人だけに周囲は驚いた。
空港の生む雇用は5万人規模。景気後退と新型インフルエンザで利用者が落ち込んだ影響で、2010年度は成田市の法人市民税は前年度比40・1%減となる見込みだ。相川町長は「地元から何か提案しなければ地盤沈下は止められない」と言う。地元自治体が空港との「共栄」を模索し始めたのを受けNAAは昨年12月、「地元の合意があれば、早くて2014年度に30万回が実現可能」と表明した。
その3か月前、NAAの森中社長は北京で開かれた「ルーツ会議」に参加した。世界の航空会社に空港を売り込む場。ブースを訪れる航空会社に「ぜひ成田へ」と訴えた。「早晩押し寄せる航空自由化の波」(NAA幹部)を見据えた初めてのトップセールス。2国間協定で路線や便数を決め、順番待ちを国がさばいた時代は終わり、空港が路線獲得に奔走することになる。
NAAは経済成長が見込めるベトナムやインドに注目するが、仁川、上海、シンガポールなどとの競争激化は必至。NAA幹部は「今までのような殿様商売ではやっていけない」と、待ったなしの覚悟を示す。(成田支局 河合良昭)
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