THE AHWAHNEE HOTEL アメリカ人が憧れるヨセミテのステイタス・シンボル | ヨセミテ国立公園速報

ヨセミテ国立公園速報

ヨセミテ国立公園に関するニュースなどをより早く、皆さんに公開したいと思います。

ヨセミテ渓谷内に有る数有る宿のなかでも
「アワニーホテル」は多くのアメリカ人たちが「一度は泊まってみたい」と憧れる、
歴史有る老舗ホテル。

1920年代当時、ヨセミテを訪れる人々はキャンプするか、
小さく簡素なホテルに宿泊するしかなかった。

そこで、国立公園の最初の指導者だったステファン・マサーが、
資金力や影響力の有る人々を呼びこんで自然保護の大切性を理解してもらうため、
大自然のなかで一流のサービスを提供する高級ホテルの建設に着手。

1927年にアワニーホテルは完成した。

彼はホテルが周囲の景観に溶けこむことを大切視し、
設計を担当した建築家ギルバート・スタンリー・アンダーウッドは、
防火の為に使われた外壁の鉄をあたかも木材のように見えるよう加工したうえで、
大量の石材と組み合わせて見事にヨセミテの自然に馴染む建築を創りあげた。

こだわりは外観だけに留まらず、梁や壁等、
館内のありとあらゆる場所にネイティヴたちが使用する柄をモチーフにした
色鮮やかで繊細なカーヴィングが施された。

アワニーホテルの豪奢で華麗なインテリアは現在も日々、
補修が続けられており、また多くの場所にオリジナルの家具や
照明が大切に使用され、古き良き往時の姿をいまに伝えて居る。

これ迄アワニーホテルを訪れたVIP はジョン・F・ケネディやエリザベス2世をはじめ、
政治家や実業家、ハリウッド・スター等枚挙にいとまが無い。

又、毎年12月にはレストランで「ブレイスブレッジ・ディナー」と
呼ばれる名物ショーがおこなわれており(実はアンセル・アダムスは
その出だしから1972年迄このショーを監督して居る)、
いまだに予約がなかなかとれ無いほどの人気を誇って居ると言う。

今も昔も、「アワニーホテル」の名はヨセミテを訪れる人々にとって
特別な響きをもつステイタス・シンボルなのだ。





This story originally appeared in Papersky No. 32.