世間では、お盆休みが無事終了。
私は特に決められてはいなかったのだが、先週末から数えて合計4日間のお休みを頂いた。
ってことで、昨日と一昨日はあの人の許へ。
待ちに待った、二人だけのラブラブな休日だ。
とにかく直前まで予定が決まらないもんだから、宿と列車の予約が上手く取れるか、正直言ってかなり心配だった。
しかし、前日でもなんのことはなく、あっさりと手配完了。
やれやれ、これであとは余計な仕事さえ入らなければ、心ゆくまでデートを満喫できるな・・・。
前日は思わぬ障害発生のため、徹夜明けの朝帰り。
それでもあの人に逢いたい一心で、出発時間にギリギリ間に合わせる。
今思えば、帰宅時間があと10分遅かったらヤバかった。
そのくらい、タイトなスケジュール。
シャワーを浴びて、身支度を整えると、時刻は午前6時半を少し回ったところ。
これから一歩一歩、大好きなあの人へと近づいてゆくのだ。
定刻通り、駅に到着。
まずはあの人に、無事に出発する旨をメールで告げる。
昨夜は私の身を案じるあまり、「今回のデートは見送ろう」とメールをくれた、あの人。
そう簡単に諦めてたまるか。
大切な人が、首を長くして私を待っている。
絶対にガッカリさせるわけにはいかないのだ。
列車はいつものようにスルスルと走り出し、やがて窓の景色が滑るように流れてゆく。
座席でじっとしていても、不思議と眠くない。
もう24時間近く起きているというのに、テンションは保たれたままだ。
あぁ、やっとあの人に逢える・・・。
胸が次第に高まり、自然と口元が緩む。
愛する人は、きっとまた笑顔で迎えてくれるだろう。
再会の瞬間に思いを馳せながら、私は持っていたペットボトルのミルクティーをゴクリと飲み干した。
久しぶりに逢ったあの人は、心なしか以前より若返ったようだった。
表情や肌の張り、私は悟られないようにしげしげと覗き込む。
うんうん、女性は愛されるほど、その美しさを増してゆくんだな・・・。
私は自分のおかげだと勝手に解釈しつつ、なんだか誇らしい気分になる。
夏本番を迎えて、肌の露出が多くなっている、あの人。
他の男たちのいやらしい視線をブロックするように、私は気を配りながら歩いた。
この人は、私だけのオンナなんだから・・・。
今思えば、最高の栄誉を手に入れた喜びで、少々興奮気味だったのかもしれない。
二人だけの空間。
私たちは時に激しく、時に情熱的に、時に優しく、時に穏やかに、心ゆくまで愛し合った。
魂がひとつになって、ベッドの上で昇華してゆく。
その感動と興奮を味わいながら、何度も何度もお互いの身体を愛でるのだ。
あの人を抱いていると、心から可愛いと感じる。
あの人と一緒にいると、心から癒される。
あの人を眺めていると、心からその美しさに酔いしれる。
そんな私のことを、あの人は「好きになり過ぎだね」と言った。
果たしてそうだろうか。
好きなものを好きと言って、何故悪い・・・。
私は心の中でそっと反論する。
もちろん、あの人は嫌がっているわけではない。
あくまでも微笑を浮かべながら、幸せそうな表情でそう呟くのだから。
楽しいひと時は、あっという間に過ぎてゆく。
私の身体を大事そうにケアしてくれて、甘くて美味しい例の物をその手で食べさせてくれたり・・・。
そのどれもが、かけがえのない煌く宝石のような思い出だ。
改札であの人を見送った後、何度も手を振る。
その姿が見えなくなった途端、いきなり追いかけたい衝動にかられた。
まだ言い残したことがあったかも・・・。
しばらくその場に立ち止まり、じっと考え込む私。
しかし実際は、別れを惜しんだだけだった。
ホンの一瞬だけ、寂しい気持ちが顔を覗かせたのだ。
これからもずっと一緒なんだよ・・・。
私は自分にそう言い聞かせながら、別のホームへ向かって歩き出す。
二人の幸せが未来永劫続きますようにと、その歩調に願いを込めて。
帰宅してすぐに、あの人から贈られたシャツを洗濯する。
どうしても今日、仕事場に着て行きたかったから。
そしておみやげにもらった、甘くて美味しい例の物。
冷蔵庫で冷やされたそれは、私の帰りを大人しく待っていた。
私にとって、あの人とのデートはまだ終わっていない。
おみやげがある限り、シャツがそこに存在する限り、楽しかった思い出が眩い光を放っている限り、それはいつまでもエンドレスに継続中なのだ。
これから先、たとえ苦しいことがあっても、あの人がいてくれさえすれば絶対に乗り越えられるだろう。
もちろん、私がここにいることであの人も同じであって欲しいと願う。
心のマッサージ。
これだけは私に任せてもらいたい。
私があの人を想う気持ちは、どんな物でも跳ね返すパワーを持っているのだから。