6月の10~11日。

お袋と二人で九州へ行くことになった。

私たち一家の面倒を何かと見てくれた親戚のおばさん。

その息子さんが宮崎に家を新築中なので、完成したら遊びに来ないかと誘われたらしい。

さっき電話で、お袋はこう言っていた。

おばさんに逢えるのは、これが最後かもしれない・・・。

わかったよ、ついてきゃいいんでしょ(苦笑)

ま、これも親孝行だし、そこの子供たちと逢えるのも数十年ぶりだからなぁ。

私は当日、美味い店にでも連れてってもらって、お袋はおばさんとゆっくり語り明かしてもらいましょ。

我が家は複雑な家系でおばさんとは血のつながりもないんだけど、実の身内みたいに優しくしてもらったからね。

私だって逢えるのは、これが最後かもしれないし・・・。


ってことで、早速ANAに予約を入れた。

私はマイレージ会員だから、こんなのはお手のモノだ。

今はコンビニでも決済できるし、座席の指定だって楽勝楽勝。

あ、そーだ。

マイルって、どのくらい溜まったんだっけ。

調べてみると、3840マイル。

なんだ、全然まだまだじゃん。

特典は確か、10000マイルからだったよな。

こりゃ海外にでも行かないと、絶対にムリだわ(笑)


飛行機が大好きな私。

今まで、様々な場所に降り立っている。

国内では北から順に、女満別、札幌、青森、秋田、庄内、仙台、新潟、成田、羽田、小松、南紀白浜、伊丹、関西、鳥取、高知、宮崎、鹿児島、そして那覇。

中でも一番のお気に入りは、やっぱり沖縄かな。

あの時は、ちょうど安室ちゃんのお母さんが亡くなった翌日だった。

場違いな私は出迎える報道陣を避けるように、空港を後にしたんだっけ。

まだ新しいターミナルは稼動しておらず、モノレールも未完成。

でも、あの南国独特の空気は大変に心地よく、まるで外国にでも来たみたいな開放感を味わった記憶がある。


あの人と行きたいな、沖縄。

ツアーじゃなくて、いきなり予約なしで飛び立つのがいい。

え~、今からなの~?

あの人の驚く顔が目に浮かぶ。

もちろんチケットは奮発してスーパーシート。

邪魔者はいない、2座席の空間だから。

そして私たちを乗せたB747は、大地を蹴ってグングン上昇する。

靴を脱いでオットマンに足を投げ出したら、快適な空の旅の始まりだ。

寒がりなあの人のために、ブランケットを取り寄せるのも忘れずに・・・。


やがて水平飛行に移ったら、お約束のビールで乾杯。

ここは当然、オリオンかバドに限る。

気圧の低い機内では、あの軽さがたまらないのだ。

眼下に広がる雲海。

流れる雲をビューンと追い越しながら、私たちの会話は弾んでゆく。

気がつくと、もう着陸態勢か・・・。

雲の中に機体が入り、突然の揺れ。

そんなときは、あの人の手をしっかりと握ってあげよう。

そして雲を突き抜けたら、真下には那覇港。

さぁ、あと数分で、沖縄にタッチダウンだ。


さてと、どこへ行こうか?

タクシーの車内で私が問いかけると、あの人はニッコリ微笑みながらこう答える。

運転手さん、どこか気持ちのいいホテルまでお願いします。

そんな気ままな旅が、私たちには似合うだろう。

いつか行けたらいいよね、二人だけの沖縄。