M 部屋 昼前の日差しが レースで遮られ こぼれた光が 柔らかく流れている 昨夜からのざわめきを いまは身体の奥に沈めているが 手のひらが擦れ ぬくもりが伝わると 一つ二つと指が埋もれ 溢れるうねりを誘い出す 静かなベッドは知らない振りをし 部屋の隅で日暮れを待つ ホテルに部屋を取らなかった 川沿いに輝く明かりが間近に見える 一部屋のマンションに 貴女の全てが押し込められ 貴女の生身が溢れている どうしてもこの部屋で わたしも 貴女を抱きたかった