Coronaのさなか オペラは踊る | Mevrouwのブログ。。。ときどき晴れ

これだけ人が死んで

外出禁止になって

街がゴーストタウンになって

失業者が増えて

 

オペラがやっと上演できるとなったら、

ネタにしてしまって笑うしかないだろう、

というプロダクションが現れるのは当然

 

まずはトスカーナのTorre del Lagoで開催されるプッチーニフェスティバル

2020年も屋外ステージで開催された。

そのなかのジャンニ・スキッキがまさに、

コロナを笑い飛ばせとばかりの演出。

ただでさえ笑えるオペラなのだが。

歌手の皆さんはこのようにマスクと防護服着用なのだった。。。。

しかし、この公演がふざけたものではないことは明らかで、

開演前に、コロナで亡くなった方々のために黙祷が捧げられている。

 

ちなみに、このフェスティバルで上演されたトスカのほうは

ゴージャスなデコールと衣装、小道具が揃っていて本格的なのだが、

歌手同士は接触しておらずその他の役者はマスクを着用している

トスカとカヴァラドッシのやりとりはともかく、

トスカがスカルピアを刺し殺すシーンはどうするのかと思っていたら、

暗転だった、、、、、

 

 

それからさすがフィンランドと言いたい作品が

Covid fan Tutte

これはたいへん楽しくできている。

このコロナ禍に欧州に住んでいた人なら誰でもクスリと笑ってしまう。

ワグネリアン歌手たちがパンデミックで仕事がなくなり、

仕方なくモーツアルトを歌うことになるという設定。

音楽はCosi fan tutteやDon Giovanni、魔笛などモーツアルトだが、

もちろんリブレットはオリジナル。

フィン語だからね。

 


このトレイラー映像ではなかなか面白さが伝わらないのが悔しいけれど。

首相会見 手話通訳つき、とか、

料理できないひとはオートミールと豆スープの缶詰だけの食事で変になりそう、とか、

マスク着用についての専門家の見解のシーンが特に受ける。

爆笑シーンになっている。

あるいは老いた母の家の窓辺でセレナーデを歌う息子というシーンにはせつなさに涙し、、、

70過ぎの老人だけど守るという名目で切り離すのはやめろ、というシーンに同情し、

キスシーンはアクリルボード越しというのも苦笑いし

頭のいかれた医師が発明したワクチンというのも笑うに笑えず

民衆がこんな無茶苦茶な状態がいつまで続くんだ?といらつくのもうなずける。

オランダもそうだが北欧も同じ状況だったのかとよくわかる。

このオペラでは、こんな状態が2年くらい続くらしいぜ、

でも、耐えられないよ ぜったいワグナーをまたやろう!

と言って終わる。

 

今後もまだ開いたり閉じたりという状況が2年くらい続くのだろうか。

あと2年間、創作活動はどういうふうになっていくんだろう?