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『真に優れたものは大衆の側から求められる』
「白鳥の湖」というバレエ作品は、今や多くの人に知られていますが、誕生当初はクラシックバレエ界からひんしゅくを買ったことをご存知でしょうか?
これはどの分野にも共通する現象ですが、新しいものが登場する際、それを守り育ててきた既存の価値観からは受け入れがたいと思われることがよくあります。
わたくしは、多くの人にこのテーマを理解してもらいたいと願う一方で、専門的な関係者の間には様々な決まりやタブー、価値基準が存在することを感じています。
本当に求められる優れたものは、むしろ大衆から生まれるという点にわたくしは注目しています。
これは、わたくしが約半世紀にわたりフラメンコダンスの世界に身を置いてきた経験から確信したことです。
最初は何もわからず、ただその存在に魅了され、少しでも近づきたい、技術を磨きたいと日々精進を重ねました。そしてようやく師匠から認められ、自分自身の道を求めて外の世界に出ましたが、最初に学んだのはその世界の決まりごとでした。それが本物だと思い、必死に取り組んできました。
フラメンコの素晴らしさを感じ、多くの人に知ってもらいたいという思いから活動を続けてきましたが、熱心な支持者がいる一方で、誰もがその価値を理解できるわけではないことを痛感しています。
なぜこんなにも惹かれるのに、その価値を理解していただくのが難しいのか?若き日のわたくしは、独立したときや多くの生徒を指導した際にもこの問いを考え続けました。
いつも辿り着くのは冒頭の言葉です。
すなわち、
『優れた芸術はむしろ大衆の方から求められる』
専門家やエキスパートが声高に宣言するものには本質がない場合が多く、もし「白鳥の湖」が存在しなければ、わたくしたちはここまでバレエを愛するようになったでしょうか。バレエが世界中に広がることもなかったのではないかと考えます。この現象は、わたくしが約半世紀にわたり同じ道を探求してきた者として、一生を通じて解答を求め続けるテーマであると思います。
わたくしの理解者である夫、板坂剛ともこのテーマについて話し合い、共に考え続けてきました。
多くの人々の心を癒し、希望と喜びを与え、豊かなインスピレーションを生み出すようなフラメンコを創造できれば、わたくしは悔いなくこの世を去ることができると感じるほどです。