ステージに立つ。
たくさんの人がいて
それはそれは能動的で
建設的な夜が生まれる。
美輪明宏さん記述の本の中に
こんな一節がある。
「ロックはいけない。気が荒くなる。」
その通りだ。
ロックは本来「聴いてはいけない」音楽だったのだ。長い時間をかけ、偉大なミュージシャン達がポピュラー音楽に押し上げた。
ロックの起源であるブルースは「悪魔に魂を売る」なんて逸話が生まれるほど、その身を消耗し、滅ぼしながらも栄えた芳醇なカルチャーであった。
「魂」を売る、というのは
「没頭」する、に近い。
ある物事に没頭する人は
もうその物事と契約をしてしまっている。
「おれはお前に没頭して、こんなことをするから、お前はこうしてくれ」といった風に
「与えて」→「貰う」そのサイクルが無意識的に生まれる。
僕はその状態に限りなく近い
しかも「気が荒くなる」ようなものに、魂を売っている。
ステージに立って
たくさんの人がいる
その光景が観たいからこそ
「没頭」している。
自分が一番「有名になれる夜」
僕は不安に、葛藤に、いちいちつまづきながら、それを探してるのだ。