リテールマーケティング(販売士)2級試験
計算問題の苦手克服、第3弾です!
ストアオペレーション(後編)
店舗運営の基本となる計算問題が出題されます!
後編では計算式を展開、組み合わせる
応用問題が登場します。
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Ⅰ.計算式の記号化
販売士1級を昨年(平成30年)に受験した際、計算式を記号化して覚えました。文字で売上高、粗利益、安全在庫数、発注品目数などと覚えるよりも、記号で視覚化にすることで効率的に理解と記憶が進みました。
【例 示】
売上高=S㊉△
粗利益=凸凹㊉
売上総利益=S㊉T㊉
粗利益率=凸凹㊉%
人時売上高=MH.S㊉△
総労働時間=TT.LabH
売場面積=SF3.3㎡
在庫高=Ш△
坪当たり売上高=S㊉△/3.3㎡
坪当たり在庫高=Ш△/3.3㎡
商品回転率=MD.☸%
1人1時間当たりの守備範囲=守備範囲/1M1H
1人当たりの人件費=👤◆/1👤
総人件費=TT👤◆
従業員数=👤.num
人時生産性=MH.🏭
労働生産性=👥🏭
労働分配率=👥◕%
たとえば、「S㊉」=売上を意味します。「㊉」=利益を意味します。「◆」=費用を意味します。「Ш」=在庫を意味します。「.num」=数を意味します。「3.3㎡」=面積を意味しますが、なぜ3.3㎡かというと、坪単位で表記するためです。例えば売場面積は「10坪」と言います。
前回から計算式に文字と記号を併記しました。いずれか覚えやすいほうをご利用ください。
Ⅴ.実践問題-3
売場の効率化をしめす指標
設問
1.「人時生産性」とは、何か簡単に説明してください。
2.粗利益高:1200万円、月間総労働時間6000時間、この条件での「人時生産性」をもとめてください。
3.「人時生産性」を求める計算式を、「売上高」「売場面積」「在庫高」を含めて、展開してください。
4.「人時生産性」を求める計算式を、3.で展開した結果に基づいて、「1人1時間当たりの守備範囲」「商品回転率」を含めて、さらに展開してください。
5.売上高:12億円、粗利益高:3億円、売場面積:2000坪、在庫高:4000万円、総労働時間:3万時間、この条件の売場における「人時生産性」をもとめてください。
6.5.の条件をもとに①「粗利益率」②「1人1時間当たりの守備範囲」③「坪当たりの在庫高」④「商品回転率」⑤「坪当たりの売上高」の5つをもとめてください。
7.給与額:2500万円、粗利益高:1億8000万円、総人件費:給与額の185%、この条件での「労働分配率」をもとめてください。(小数点第3位を四捨五入)
8.売上高:1億2000万、粗利益率:25%、労働分配率:30%、従業員:50人、この条件で、①「1人当たりの人件費」、②「労働生産性」の2つをもとめてください。
9.売上高:7500万、粗利益率:30%、労働分配率:25%、従業員:30人、この条件で粗利益率と労働分配率を変えず、人件費を10%増やすために必要な「売上高」をもとめてください。
実践問題-3の解答例
1.「人時生産性」とは、従業員1人の1時間当たりの生産性を意味し、従業員1人が1時間当たり、どれだけの粗利益を稼いだかをあらわすものです。粗利益高を総労働時間で割ることで、生産性を求めることができます。この値が高いほど、1人当たりの生産性が高いといえます。
-【ついでStudy📗‼=「人時売上高」】-
「人時生産性」が従業員1人1時間当たり、いくら「粗利益」を稼いだかに対して、いくら「売上高」を稼いだかをあらわす指標もあります。これを「人時売上高」といいます。売上高を総労働時間で割ることで求めることができます。この値が高いほど1人当たりの売上高が高いといえます。
「人時売上高」を求める計算式
2.「人時生産性」を求める計算式
人時生産性とは、「一定期間における労働時間1時間当たり(1人時)に、どれだけ粗利益を稼いだか」をあらわすもの。
1人1時間当たりの粗利益高を高めることができれば、生産性の向上に寄与したことになります。
粗利益高:1200万円
月間総労働時間6000時間
(粗利益高)÷(総労働時間)=(人時生産性)
凸凹㊉△ ÷ TT.LabH = MH.🏭
12,000,000 ÷ 6,000 = 2,000
答え:2,000円
3.「人時計算式」を展開すると、
答え:
4.「人時計算式」を展開すると、
答え:
5.3.の「人時生産性」を求める計算式
売上高:12億円
粗利益高:3億円
売場面積:1500坪
在庫高:4000万円
総労働時間:3万時間
(粗利益高)÷(総労働時間)=(人時生産性)
凸凹㊉△ ÷ TT.LabH = MH.🏭
300,000,000 ÷ 30,000 = 10,000
答え:10,000円
6.もう一度、「人時生産性」を求める計算式と条件を見てみましょう。
①「粗利益率」
②「1人1時間当たりの守備範囲」
③「坪当たりの在庫高」
④「商品回転率」
⑤「坪当たりの売上高」
以上5つを求めるのに必要な計算式は、すでに出揃っています。
つまり、上記の計算式を分解してみると、答えがでます。
-【ついでStudy📗‼
=「人時生産性を高める4つの要素」】-
ここには、きわめて重要な要素が4つ含まれています。
つまり、人時生産性を高めるために有効な4つの改善する要素があるということです。
人時生産性を改善する4つの要素:
(1) 「粗利益率」:
売上高に占める原価を差し引いた後の利益の割合。
この利益の割合が高いほど良い。
(2) 「1人1時間当たり守備範囲」:
1人1時間当たり、どのくらいの売場面積を任せる
ことができるかという指標。基本広いほうが良い。
あまり広すぎると、サービスの低下を招く。
(3) 「坪当たり在庫高」:
1坪当たりの在庫金額。売れ筋商品の在庫高は確保、
死筋商品の在庫高は減らす。
(4) 「商品回転率」
商品が入荷してから売れていくまでの速さ。
この比率が高ければ収益性は高い。
① 「粗利益率」を求める計算式
(粗利益高)÷(売上高)=(粗利益率)
凸凹㊉△ ÷ S㊉△ = 凸凹㊉△%
3億 ÷ 12億= 0.25
答え:25%
② 「1人1時間当たりの守備範囲」を求める計算式
(売場面積)÷(総労働時間)=(1人当たり守備範囲)
SF3.3㎡ ÷ TT.LabH
=守備範囲/1M1H
1500 ÷ 30000 = 0.05
答え:0.05坪
③ 「坪当たりの在庫高」を求める計算式
(在庫高)÷(売場面積)=(坪当たり在庫高)
Ш△ ÷ SF3.3㎡ = Ш△/3.3㎡
40,000,000 ÷ 100 = 400,000
答え:40万円
④ 「商品回転率」を求める計算式
(売上>高)÷(在庫高)=(商品回転率)
S㊉△ ÷ Ш△ = MD.☸%
1,200,000,000 ÷ 40,000,000 = 30
答え:30回転
⑤ 「坪当たりの売上高」を求める計算式
(坪当たり売上高)X(坪当たり在庫高)=(坪当たり売上高)
Ш△/3.3㎡ × MD.☸% = S㊉△/3.3㎡
40万×30=1200万
答え:1200万円
7.「労働分配率」を求める計算式
給与額:2500万円
粗利益高:1億8000万円
総人件費:給与額の185%
給与額 × 総人件費の割合 = 総人件費
💴 ×185% = TT👤◆
2500万円×1.85=4625万円(総人件費)
(総人件費)÷(粗利益高)=(労働分配率)
TT👤◆ ÷ 凸凹㊉△ = 👥◕%
4625÷1億8000万≒0.256
答え:26%
8.「1人当たりの人件費」と「労働生産性」
① 「1人当たりの人件費」を求める計算式
② 「労働生産性」を求める計算式
売上高:1億2000万
粗利益率:25%
労働分配率:30%
従業員:50人
「粗利高」を求める計算式
(売上高)×(粗利益率)=(粗利益高)
S㊉△ × 凸凹㊉△% =凸凹㊉△
1億2000万×0.25=3000万円(粗利益高)
「労働分配率」を求める計算式
(粗利益高)×(労働分配率)=(総人件費)
凸凹㊉△ × 👥◕% = TT👤◆
3000万×0.3=900万円(総人件費)
①-A 「1人当たりの人件費」を求める計算式
(総人件費)÷(従業員数)=(1人当たりの人件費)
TT👤◆ ÷ 👤.num = 👤◆/1👤
900万÷50=18万円(1人当たりの人件費)
答え:18万円
①-B 「1人当たりの人件費」を求める計算式
(労働生産性)×(労働分配率)=(1人当たりの人件費)
👤🏭 × 👥◕% = 👤◆/1👤
60万×0.3=18万円
答え:18万円
② 「労働生産性」を求める計算式
(粗利益高)÷(従業員数)=(労働生産性)
凸凹㊉△ ÷ 👤.num = 👥🏭
3000万÷50=60万円
答え:60万円
9.粗利益率と労働分配率を変えず、人件費を10%増やすために必要な「売上高」
売上高:7500万
粗利益率:30%
労働分配率:25%
従業員:30人
「粗利高」を求める計算式
(売上高)×(粗利益率)=(粗利益高)
S㊉△ × 凸凹㊉△% =凸凹㊉△
7500万×0.3=2250万円(粗利高)
「労働分配率」を求める計算式
(粗利益高)×(労働分配率)=(総人件費)
凸凹㊉△ × 👥◕% = TT👤◆
2250万円×0.25=565万5000円(総人件費)
総人件費を10%増やす
TT👤◆ × 1.1 = 622万500円
粗利高を求める(労働分配率は変えない)
(総人件費)÷(労働分配率)=(粗利益高)
TT👤◆ ÷ 👥◕% = 凸凹㊉△
622万500÷0.25=2488万2000円(粗利益高)
売上高を求める(粗利益高は変えない)
(粗利益高)÷(粗利益率)=(売上高)
凸凹㊉△ ÷ 凸凹㊉△% =S㊉△
2488万2000÷0.3=8294万円(売上高)
答え:8294万円
あとがき
この記事を書くとき、数字、とりわけ「記号化した計算式」を見ると、楽しくなってくるという妙な気分がありました。そこから、はっきり分かったことがあります。
数字にはアートなところ、パズルの要素があります。計算式の組み合わせ方次第で、答えが変わります。数字を変えるだけでも、成果が変わります。
数字を支える人的要素は、もっとも重要な要素です。わたしがもっとも好きな要素です。
それを含めてリテールマーケティングの世界は、とてもクリエイティブな世界だと、わたしの感覚は敏感に反応します。この感覚が「計算式の記号化」にたどり着いています。
最初は数字が好きどころか、一番の苦手が計算問題!昨年の今頃は販売士1級の試験勉強で、数字にもがき苦しんでいました。
計算問題を諦めなかったのは、「計算式の記号化」というクリエティブな作業ができたから。それがなければ、脱落していました。
販売士1級試験の合格の最大の要因は、計算記述問題で点数を積み上げたことでした。記号化した計算式がすぐに目に浮かび、解き切ることができたからです(計算記述は正解すれば、満点(1問25点)を獲得できます。しかし、文章記述で満点を得ることは困難です)。
将来、1級を目指すみなさんは、とりわけ計算問題を2級の段階で慣れておくことをお勧めします。わたしはここを軽視したため、1級の受験勉強でとても苦労したからです。
販売の現場で、この資格を取得して一番、期待されることは実績をあげることだといえます。なにより本人が一番、必要とするところだと思いますが、いかがでしょうか?
いずれの級を取得するにしても、数字はついて回ります。実績=数字として評価されるからです。数字を理解し、活用することは、重要だといえます。
合格後、仕事で数字について尋ねられることが多くなるでしょう。あるいは数字と格闘することになるでしょう。そのときのことを想像してみると、計算問題を克服することは役立ちます。
話を冒頭にもどして、はっきり分かったこととは、わたしの勝利の計算式は、クリエティブな側面を見出すことだということです。
資格試験、仕事において、すべて当てはまります。過去を振り返えると、難しいや苦手な局面にぶつかったとき、何かしらのクリエティブなことを取り込んで乗り越えてきました。
クリエイティブというと難しく聞こえますが、ようは「遊びごころ」をさりげなく取り込むことです。ゲームの仕事、イベントの仕事で、自然と身につけたものだと言えます。
こう偉そうなことを言いながらも、わたしには、まだ乗り越えられていない壁が多く存在します。例えば、簿記は試算表まではクリアできますが、その先の突合せ作業が苦手でクリアできていません。
遊びという日本語には、2つの意味があります。ひとつはゲームで遊ぶという意味での遊び、もうひとつはハンドルに遊びを持たせるという遊び、どちらにも共通していることは余裕という点です。
余裕がないと、面白くない、あるいは焦って失敗、身動きが取れなくなる結果になります。
自分に向けての言葉ですが、余裕をもたないといけないなと、改めて思いました。ブログとは、自分への気づきのツールでもあります。
今日も長文をお読みくださり、ありがとうございます。
Q.バスツアーに参加したことある?
A.残念賞で 9 です。あっ!すっかり忘れてネズミさん。
学生時代に添乗員のアルバイトをしたことがあります。
最初から、いつものことですが、
なぜかハードなこと任されて、年末年始の豪華ツアー!!
京都、大阪、神戸の三都物語で、
京都の懐石料理、
神戸の夜景とステーキ、最高でした!
大阪では富田ハプニング、
ツアーに大阪城見学とあったのですが…
正月で休館日!えっΣ(゚Д゚)泡食い倒れ。
急きょ予定変更、神戸の市内観光を拡大して、
乗り切りました。
このとき、「計画どおりには、物事は運ばない」ということを
身をもって体験し、学びました。
珍しく優等生な答え!
あっ!テンチョウ・プリンズ?後ろ往来?
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