経産省幹部 インサイダー容疑
経産省幹部にインサイダー容疑＝企業支援発表前に株購入―監視委が強制調査
時事通信 7月7日(木)7時44分配信
改正産業再生法に基づく半導体大手「エルピーダメモリ」（東京都中央区、東証1部上場）の公的支援計画を担当していた経済産業省幹部が、計画発表前に同社株を購入した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が7日までに、金融商品取引法違反（インサイダー取引）容疑で関係先を強制調査していたことが、関係者の話で分かった。
不正取引の疑いが持たれているのは、支援計画発表当時の経産省審議官だった前資源エネルギー庁次長（52）。事情聴取に容疑を否認しているとされ、監視委は検察当局への告発を検討する。
2009年4月に成立した改正産業再生法には、一般企業の資本増強を公的資金で支援する制度が盛り込まれた。エルピーダ社は新制度による出資支援計画の認定第1号だった。
関係者によると、前次長は09年4月、新制度によるエルピーダ社への支援計画の発表前に、他人名義の口座を使って同社株を買い付けた疑いがあるとされる。
エルピーダ社は09年2月4日、国会提出が予定されていた改正法案の新制度を活用し、資本増強を検討すると発表。同4月16日には、当時の経産省事務次官が記者会見で増資支援を示唆した。改正法成立後の同6月、エルピーダ社の要請を受けた政府は、日本政策投資銀行を通じて300億円を出資した。