寅子さん、それはいくら何でも盛りすぎというもの。 | Ego caedo, ergo sum

寅子さん、それはいくら何でも盛りすぎというもの。

さて、のっけからお詫びを申し上げると、このエントリを書こうと思った切っ掛けのページはすでに存在しない。

http://www.homoeopathy.ac/12whatsnew/20110701.php

現在は404 File not foundとエラーメッセージが表示されるだけだが、存在していた時には、以下のように書かれていた。

2011/7/1(金)とらこ先生が「第10回 国際バイオEXPO」で特別講演を行います。

カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシーのサイト内には、この「講演」の詳細を告知するページがある。こちらだ。このページは、削除/改変される前に魚拓をとった。このページでは、「特別講演」ではなく「講演」となっている。

さて、国際バイオEXPOと言えば、バイオ系の研究者、メーカーの為の、かなりガチな展示会である。こんな展示会で、日本最大のホメオパシーグループを率いる寅子さんが「特別講演」を行うなんて有り得るだろうか、アリエルだろうか?アリエッティだろうか?

どれもなさそうだが、まぁ念のためバイオEXPOのサイトを見に行ってみた。

ところが、というか矢張り当然と謂うべきか、基調・特別講演のリストにはホメオパシーのホの字も出てこない。ホの字とか言うと何か可愛いですね。お前さん、寅子にホの字だね、なんて。

スミマセン、吐き気が。

気を取り直して、先のリンク先のページをずっと下まで見ると、同時開催セミナーとあり、「化粧品業界セミナー コスメティクス ジャパン」なるボタンがある。これをクリックすると、コスメティクスジャパンで行われる専門セミナーの一覧ページにリンクされているのだが、こちらにもホメオパシーの文字は見当たらない。

このページの左上の「出展社による製品・技術セミナー」の文字列をクリックするとこちらのページ(魚拓はこちら)にリンクされており、ここでやっと

今、注目されるホメオパシー統合医療とその可能性


日時: 7月1日 (金) 15:00 ~ 16:00 会場: EX-B3

カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー

ホメオパシーとは何か、ホメオパシー医療の治癒事例及び食、農へのホメオパシー理論の活用について紹介します。

と、見つける事が出来た。

つまりは由井寅子的には、国際バイオEXPOと同時開催される化粧品業界セミナーのコスメティクスジャパンで、出展社による製品・技術セミナーを行う事が、国際バイオEXPOで特別講演を行うことと同義なんだろう。

そりゃいくら何でも盛りすぎだろwww「消防署の方から来ました(キリッ」じゃねーかまるで。いや、「消防署の方から」ならまぁギリギリ嘘では無いが、これは誤解を招く表現どころではなく、明らかな虚偽だろう。

さて、此処までは由井寅子率いるカレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシーの問題。では、斯様な反社会的団体に出展およびセミナーを許した、ジャパンコスメティクスの主催サイドに落ち度は無かったのか。私としては、多いに問題ありと考え、主催社のリードエグジビジョンジャパンさんにメールしてみた。

件名: 第二回コスメティックジャパンの製品・技術セミナーに関して
差出人: 中川 剛
日時: 2011年6月11日 12:37:17JST
宛先: pi@reedexpo.co.jp
拝啓
霖雨の候ですが、貴社におかれましては益々の御清栄の程と存じます。

私は湘南美容外科に勤務する医師で、中川剛と申します。
貴社御主催の第二回コスメティックジャパン、折から楽しみにしていた所
http://ipj2011.tems-system.com/exhiSearch/COS/jp/workshop.aspx
こちらのページで、出展社による製品・技術セミナーとして、
以下のセッションが行われる旨、拝見いたしました。

> 今、注目されるホメオパシー統合医療とその可能性
> 日時: 7月1日 (金) 15:00 ~ 16:00 会場:西展示場 EX-B3
> カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー
> ホメオパシーとは何か、ホメオパシー医療の治癒事例及び食、農へのホメオパシー理論の活用について紹介します。

ご存知でいらっしゃるならば差し出がましいようで申し訳ございませんが
ホメオパシーとは、端的に申すと
「原物質が一分子も含まれていないほどに希釈された水を含ませた乳糖の粒を摂取する事で薬効をもたらす」
とする似非医療、偽医療です。

昨年メディアをにぎわせた岡山の乳児死亡事件、あかつき療術所に於ける悪性リンパ腫患者死亡事件などは
ホメオパシーを用いた結果、標準的な医療を受ける事が出来ずに、死者を出す結果となった悲しむべき事件です。

これらの事件も受け、日本学術会議からは、以下の会長談話も発表されています。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-d8.pdf

上記セミナー主宰のカレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシーは
ホメオパシー・ジャパン株式会社、日本ホメオパシー医学協会(以下JPHMA)と
実質的には一体の、国内最大手ホメオパシー団体です。
岡山事件、あかつき療術所事件ともに、JPHMA所属の認定ホメオパス(=ホメオパシー医)が
関係しておりました。

斯様な反社会的団体がセミナーを行うと知り、危惧の念から、貴社にお知らせしようと思った次第でございます。

御社におかれましてはホメオパシーおよびカレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシーに関して
私がお知らせした事などをご存知の上でセミナーの場を与える予定でいらしたのか、
また、今後もセミナーの予定に変更は無いのかをお聞かせいただけると幸いです。

敬具
中川剛

リードエグジビジョンジャパンさんからの返答を待とう。

しかしねぇ、ホントはこんなエントリが増えるの嫌なんですよね。もっと大好きな手術の話とか大好きな食事の話ばっかり書きたいんだけどなぁ。