3日目。



いよいよ今回の旅の本命、阿蘇山方面へ。










まずは八代海沿いの道を走って、高速道路に向かう。














この八代海では、不知火が見られることでも知られるところ。



*不知火:八代海で夏の夜に見られる蜃気楼現象の一つ。




もちろん、昼間だから見えないよ









不知火は一度見てみたいものの一つなんだ。



またチャンスはあるのかなあ。





















高速道に入って北上、熊本ICで降りて、そこから阿蘇方面へ向かう。









57号線をひた走って、阿蘇ユネスコジオパークの入り口である新阿蘇大橋に到着!




この橋の上からの景色が素敵だったので、橋のたもとに駐車場を見つけてクルマを降り、もう一度歩いて見に戻った。











阿蘇の外輪山の外側斜面と、そこを削るような渓谷と滝が三俣状になっている場所の上に橋がかかる。




下流側



上流側。橋の反対側には近寄れないので写真に入らなかったけど、車道の向こう側に滝がある。




橋全景







この新阿蘇大橋は、熊本地震の時に崩落してしまったのを架け替えた橋だそうだ。




(そういえばあの時は崩落した橋の写真に、衝撃を受けた覚えが…)




素晴らしい景色に心惹かれてクルマを止めなかったら、そのことに気づかずに通り過ぎてしまうところだった。




ここもちゃんと再建されたとわかって良かった^^



















今回、阿蘇で見てみたいのはとにかく大草原!




最初はとりあえず、ガイドブックに載っている観光地、草千里ヶ浜を目指した。














途中、広く開けた草原と不思議な丸いカタチの山に出会い、目的地はまだだけどここも見てみたくなって、またまたクルマを止めた。



駐車場はあるのに、止まってるのはバイク1台だけ、見どころじゃないのかな?



とてもいい感じのする場所なのに。











コレが気になった丸い山









自然の中にあるものとしてはやや違和感があるくらい、なだらかなカタチの山。



でも、これは古墳とかじゃなくて正真正銘の火山の一つ、「米塚」という山なのだとか。



へええ、びっくり。



最後の噴火は3300年前、逆さになったお椀型で、上空から見ると山頂部がくぼんでるんだそう。



この火山から噴出した溶岩は流れやすい溶岩だったので、周辺にこのようになだらかな地形をもたらし、その地形を活かして牧畜が行われているとのことだった。









草原が気持ちいいから、もう少し歩いてみたい。










歩くとじんわり汗がにじむ。



杵島(きしま)岳を臨む場所に、休憩スポットを見つけて座り込んだ。











鳥のさえずりと風がホントに気持ちいい♡




こんなに素敵な場所なのに、全く誰も来ないのが不思議なんだけど。




(バイクの持ち主さんは、園地の入り口に座ったまま、登ってくることはなかった)









あんまり気持ちがいいから、誰も来ないのをいいことに思いっきり歌ってみた😄




歌うと、鳥たちが反応してくれる感じがすることがある。



(普段はなかなか、そんなふうに歌える場所はないけど)




決して威嚇とかじゃないし、合わせるってほどでもないけど、「そっちが歌うんなら自分も(負けずに)歌う」って感じなのかな?




それとも一緒に楽しんでくれてるんだろうか?




今回も自分が歌い始めたら、あちこちから聞こえてくる鳥たちの声が増えて、なんだか楽しかった。















たくさん歌えて大満足♪




さあ、次へ行こ!














杵島岳のふもとで右折。









しばらく走ると視界が一気に開けて、均一に刈り込まれたようななだらかな草原の景色が眼下に広がった。







ここが有名な草千里ヶ浜だ。






烏帽子岳と草千里が浜 (浜と言っても海ではない)







*阿蘇五岳: 

阿蘇山の中核となる、根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の五つの総称。








その左手には今も噴煙を上げる中岳があり、中岳を臨む歩道に、とてもたくさんの観光客が登っていた。








私も行ってみよう♪












登っていくと目の前に中岳が見えて、火口から時々、白煙がふわあっと上がる。



今も生きてる山の証拠、火山が呼吸をしてるみたい。


火山灰がたくさん降り積もってる










歩道から見下ろすと、草千里とは反対側の斜面に濃いピンクの花がたくさん咲いていた。




これ、ミヤマキリシマの花だ!







花って開花にタイミングを合わせるのがなかなか難しいのだけど(1週間ズレたら終わっちゃうこともあるから)、今回はバッチリだったみたい♪




ミヤマキリシマも見てみたくて5月後半を選んだのだから、タイミング良く出会えてとっても嬉しい☺️















歩道から草地へ降りると、生え揃ったばかりの草原が青々としてとにかく綺麗だった。







ハルリンドウやキンポウゲの仲間っぽい花もたくさん咲いていた。








(でも、ここは放牧も行われる場所なので、「う」を踏まないように足元には注意しないといけないけど😅)












今回は警戒レベル2で火口には近づけないから、資料館でちょっとだけ阿蘇山のお勉強。






これを見ると、今日はまだ阿蘇山の一部を体験しただけということらしい。





いきなり噴火はないということはわかったけど、火山活動があるということは大地の活動があるということ。



地震が起きませんように🙏とドキドキ。


























草千里を離れ、火口近くの駐車場にもちょっとだけ立ち寄ってみたら、こちらはミヤマキリシマの大群生が満開状態!



わぁ♡









新緑の草原の緑とミヤマキリシマのピンクとで、とても豪華!















実は、いちばん素晴らしかったのは、ここから山を降りる時の車道の眺めだった。




烏帽子岳裏側は厳しい山肌だったのだけれど、その裾に広がる満開のミヤマキリシマに両側を囲まれながら走り下るのは、まるで映画の1シーンのように爽快だった。




クルマを止める場所がなくて、写真に残せなかったのが心残り。























3日目のこの日は、南阿蘇村のオーベルジュにお泊り。






















オーベルジュというからにはお料理ももちろん期待なのだけど、私がここを選んだホントの理由は、ここに大きな天体望遠鏡があって星空を楽しませてくれるという話だったからだ。




なので、なんとしてもこの日は晴れて欲しかったのだけど、あいにくのくもり空😢




たまに日差しが差し込むことはあったのだけど、結局また曇ってしまった。




せっかくの機会なのにこんなお天気になったのはしょんぼりだったけれど、館内には望遠鏡の他にプラネタリウムまで設置されてるので、くもりや雨の日でも楽しめるような工夫はしてくれるんだそうだ。











とりあえず、お部屋に荷物を入れて荷解きしよう。






1人で使うにはもったいないほど広いお部屋








キッチンの水道から出るのは、阿蘇の湧水。


名水でお茶を淹れて、ホッとひと休憩した。






















6時から夕食。



その時点では、私ともう1人の女性しかいなかったけど、とても丁寧に作られたフルコース料理が運ばれてきた。






一部だけお写真を。


コレ↓は三日月🌙をイメージしたサラダ、カラフルで美しいお野菜とサーモンがとってもおいしかった。


真鯛のポワレにもカラフルお野菜


阿蘇で育った、あか牛のフィレステーキ。

すっごく柔らかい!めっちゃおいしかった。



他にも、手作りパンやスープもホントに美味しくて、控えるつもりだったワインをつい、グラスに2杯もいただいてしまった。



















夜8時から、館内のプラネタリウム上映が始まった。



夕食の時より人数が増えて、グループや親子連れの人も含めて観客は10人くらいに。



「ホントはJAXAに入りたかったんです」というスタッフさんから、今の季節にちなんだ星のお話と共にプラネタリウムを見せてもらった。









ところが、その日の疲れと夕食のワインのせいで、ついうとうと。



ハッと気がつくとお話は終わってしまっていた。




あちゃー、しまった😵













と、思ったら!










「みなさん、今日は無理かと思っていたのですが、すごいですよ。なんと、この時間になって空が綺麗に晴れました!今から望遠鏡で観測しましょう!」って!!!





マジですか!!!




夕方まで完全に曇ってたのに、信じられない!




やったあああ!!!


















3階の観測所へ。




そこには個人所有とは信じられないほど、巨大な天体望遠鏡が置かれていた。




どーん!!




サイズ感を感じてもらうために、参考写真↓

こんなんですよ、ひゃー😵







屋根のドームを開けて、星空に望遠鏡を向ける。






昼間の厚い雲がウソのように空が晴れ渡り、星々がたくさん輝いているのが肉眼でも見えた。



このタイミングで晴れてくれるなんて完璧すぎる✨



さっそく望遠鏡で観測開始!










この日は獅子座のレグルスと、うしかい座のアークトゥルスの見え方比べ。




一人一人望遠鏡をのぞかせてもらって感想を言うことになったのだけど、人によって星の色の見え方や印象が違うことがわかって興味深かった。




私にとっては、レグルスはダイヤモンドのように白く輝いているけど、アークトゥルスは黄色味を帯びてる、という印象。




でも、他の人はオレンジ色に見えると答えてたり。




何が正解というのではなく、「自分が見えたと思ったものを大切にしてください」とのお話だった。










それから、蟹座のプレセぺ星団も見せてもらえた。




私の誕生星座も蟹座。




でも蟹座って、肉眼ではなかなか見えない地味な星の集まりなので、夜空の中に自分で見つけられたことは今まで一度もなかった。




だから、蟹座を見られるだけでも嬉しかったのに、一度見てみたかったプレセぺ星団まで見せてもらえて、予想外のことに大感激✨




大口径の望遠鏡で見るプレセペ星団は、まるで宝石箱のようにキラキラと輝く星がたくさん集まっていて、ホントに綺麗だった。















そのあとは外の広場へ出て、肉眼で星空を楽しむことに。




キャンプファイヤーと人数分の野外用ベッドと寝袋が用意してくれてあって、寝袋に潜り込んで寝転がった状態で空を見上げた。













夜が更けて、アルタイル(彦星)とベガ(織姫星)、そして白鳥座のデネブと、夏の大三角の星たちが空に昇ってきた。



少し星の話もしてくれたけど、その後は「今この場所と、ご自身の呼吸や身体の感覚を、ただゆったり感じてください」と、一人一人に委ねられた。

















自分の全ての感覚に意識を向けていく。








暗い夜空に瞬く星の光、


炎がパチパチと燃える音。









夜露が降り、ひんやりした風がそっと吹いていく。


寝袋の暖かさと柔らかさが気持ちがいい。












吸って、はいて。


吸って、はいて。









呼吸は、世界とわたしとのやりとり。












「わたし」は今、広い宇宙の「ここ」にいるんだ。







北斗七星がくっきり。























瞑想的な星空タイムの後は、沸かしたお湯でホットココアを作ってもらった。




とってもおいしかった♡



















この日は満月の翌日の十六夜だったので、帰り際に明るい月が昇ってきて星月夜となった。


(月の出の後は星の観測には不向きになるけど、でも月ってこんなに明るいんだと実感もできた)






とても贅沢な一夜だった。












ホテルの一角には、天文関係の本がぎっしり収められたライブラリーが。




私が泊まった部屋のあちこちにも天文ネタが仕込まれてたし😃





正真正銘、星好きのこだわりが詰め込まれたホテルでした♡















④へ