●君は、ある生徒に殴りかかろうとしていた。




私は●君を後ろから羽交い締めにし、彼をそのまま会議室迄連れて行き大声で、T先生、S先生「ヘルプミー」と叫んだ。




会議室は副担任の先生専用の給食場所である。




学年主任のT先生、S先生が来る。




3人で●君を連れて行き話をするが、何を話しても●君には通じない。




それは百も承知である




でもくりかえし、繰り返し話すしかない。




●君は興奮すると必ず鼻血をだす。




今日もいつもの様に鼻血を出している。




私は彼の顔の周りをハンカチで拭いてあげた。




T先生は一生懸命に話をしている。




しかし、今日もまた通じない。




●君は我々3人の手を振りほどいて逃げるように去っていった。




放課後、●君のお母さんから私に電話があった。




「うちの息子が鼻血を出して帰宅しました。先生、事情を説明しに家にいらして下さい。主人もおります。」




堂々と●君宅に行けるのはこれで二回目かな、などと思いながら私は学年主任のT先生と家庭訪問した。




父親、母親、姉さん。三人が待っていた。




姉さんが口火を切った。




姉「てめぇ!クビにしてやっからな!うちの●ちゃんに手出しやがって、なめんじゃねーよ」




母「止めなよ。先生の話を聞こうじゃないの」




私は三人に事情を説明した。




母親は事情を飲み込んだようである。




母親が納得した所で、父親が口を開いた。




父「担任の先生よ、もう、帰ってもらって結構だよ。学年主任の先生よ、あんた偉いんだろ?俺はあんたと話がしたいんだよ」





T「先生、帰って下さい。後は私が話を聞いておきますから」




          つづく