94 アシュラリスト 柔らかい空(ロミオとジュリエット効果)

悲しい土。

むなしい雨。

重力で安定する存在、それは人。

関係性で安定する存在、それは人間。

仮想(見えないリアル:バーチャル)と架空(:ないものをあるように見せる:イマージナリィ)に属さないうつつ。

罪の意識を包む空。

前提と結論。笑えない笑い。

魂の中のスターバースト(銀河の衝突と若返り)連続と残酷。

イタリアのヴェローナ(ハート型の町、ロミオとジュリエットの町)に夢をはせ…。

雨天の友に囲まれて…。

どうして君は「ジュリエット」なのか?

魂が精神世界のベアトリーチェに住むか、現実世界のジュリエットに住むか。そのシャッフルが恋愛模様を飾りたてるほんの一瞬のまばたきと感覚。

しかし、たいていはそれらに巡り合えない。巡り合おうという気持ちがなければ、それらはかなえられない。

多くの身を沈める恋愛は偶然か迷いか勘違いから起きている。そこを起点にして、ベアトリーチェに行くか(永遠の淑女)、ジュリエットに行くか(ロミオとジュリエット効果)いずれその選択を迫られる。


ゼーレの眼目

ヴェローナ(Verona)はハート型の町、ロミオとジュリエットの町として知られる(シェイクスピアの戯曲『ヴェローナの二紳士』『ロミオとジュリエット』の舞台)2000年、ヴェローナ市街として、世界遺産(文化遺産)に登録された。


ピュラモスとティスベ

ピュラモスとティスベ(Pyramus and Thisbe)は、ギリシア神話の一つ。オウィディウスの「変身物語」に収録された話の一つである。シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の原作としても知られている。

昔、バビロンにピュラモスという美青年とティスベという美少女がいた。二人は隣同士の家に住んでおり、ほどなく二人は恋に落ちた。しかし、二人の家族は互いに敵対する家系だったため、どちらの親もその恋には反対した。両家を区切る厚い壁に一か所、ちいさな穴が空いているところがあり、二人は毎夜、そこで愛をささやく他なかった。

ある時二人は、この恋が許されるものでないなら、いっそのことどこか遠いところへ駆け落ちして、そこで二人で幸せに暮らそうと決めた。バビロンの街のはずれに桑の木があり、その下に小さな泉があった。そこで待ち合わせようということして、二人は別れた。

さて、約束の晩、ティスベは花嫁衣装に身を包んで待ち合わせ場所に向かった。ついてみるとピュラモスはまだ来ていなかった。彼女はしばらくそこで待っていたが、突然闇の中からライオンのうなり声がする。ティスベはあわてて近くの岩陰に隠れたが、その時にベールを落としてしまった。

獲物を食べた直後らしく血まみれのライオンは、泉で水を飲むと、そこに落ちていたベールにじゃれつき、血まみれにして引き裂いて去って行った。

それから少ししてピュラモスが待ち合わせ場所にやってきたが、血まみれになったベールを見た彼は、ティスベがライオンに食べられたと勘違いし、短剣で喉を突いて自殺してしまう。

その後、もう大丈夫だろうと思ったティスベが岩陰から現れると、そこには血まみれのベールを握りしめ、息絶えた恋人の姿があった。それを見たティスベもまた、短剣で胸を突いて自殺した。

ことの次第を全て知った両家はついに和解し、二人を同じ墓に埋めた。その後、この悲恋の結末を見ていた桑の木は、二人の恋人たちの嘆きを表す黒い実をつけるようになったという。


ロミオとジュリエット効果

ロミオとジュリエット効果(Romeo and Juliet effect)とは、特定の目的を持っている場合、障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象の事をさす。


ダンテとベアトリーチェ

ダンテを代表する最初の詩文作品、『新生』によれば、1274年の51日に催された春の祭りカレンディマッジョ(Calendimaggio) の中で、ダンテは同い年の少女ベアトリーチェ(ビーチェ)に出会い、魂を奪われるかのような感動を覚えたという。この時、ダンテは9歳であった。

それから9年の時を経て、ともに18歳になったダンテとベアトリーチェは、聖トリニタ橋のたもとで再会した。その時ベアトリーチェは会釈してすれ違ったのみで、一言の会話も交さなかったが、以来ダンテはベアトリーチェに熱病に冒されたように恋焦がれた。しかしこの恋心を他人に悟られないように、別の二人の女性に宛てて「とりとめのない詩数篇」を作る。その結果、ダンテの周囲には色々な風説が流れ、感情を害したベアトリーチェは挨拶すら拒むようになった。こうしてダンテは、深い失望のうちに時を過ごした。1285年頃に、ダンテは許婚のジェンマ・ドナーティと結婚した。

二人の間にさしたる交流もないまま、ベアトリーチェもある銀行家に嫁ぎ、数人の子供をもうけて1290年に24歳の若さで病死した。彼女の夭逝を知ったダンテは狂乱状態に陥り、キケロやボエティウスなどの古典を読み耽って心の痛手を癒そうとした。そして生涯をかけてベアトリーチェを詩の中に永遠の存在として賛美していくことを誓い、生前の彼女のことをうたった詩をまとめて『新生』を著した。その後、生涯をかけて『神曲』三篇を執筆し、この中でベアトリーチェを天国に坐して主人公ダンテを助ける永遠の淑女として描いた。


男の中には、永遠のベアトリーチェが存在する。


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テーマにシンクロする曲:音譜

ロミオとジュリエット(1968)テーマ曲Romeo and Juliet

http://youtu.be/z2AS5pJjuyg


テーマにシンクロする写真:カメラ

ヴェローナのジュリエットの銅像(左)とバルコニー

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Balcone_della_casa_di_Giulietta.jpg#file