85 アシュラリスト チャイルドレジスタンス(Child Resistance)を施した海
海の中にあって、燃え続ける炎。
静寂は生にもあり、静寂はまた生と死の両義性を暗示している。
静物画という言葉がフランス語では「死んだ自然」と呼び、
英語やドイツ語では「静かな生」と呼ぶ。
「慎み深さ」のうちに「抑え込まれた激しさ」を見、「安らぎ」のうちに、「裏切りの幸福」を見透かす。
スパイラルしながら、この両義性の異界の海に身を置く魂。
それは、隠されていない真実。見ていないだけの事実。
建前で生きることは、魂にはいいが、心の生殺しになる。
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ゼーレの眼
「人間の生は一つの迷宮であって、その中心には死がある」(マルセル・ブリヨン)
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「ヒロイズムには、獅子のような力のみならず、蛇のような思慮深さと狡猾さ、そして明敏さが必要となる」(オペラ『ぺネロープ』に登場するギリシャ神話の英雄オデュッセウスについて)。
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キュクロープスの島
オデュッセウス一行が一つ目の巨人キュクロープスたちの住む島に来た時、彼らはキュクロープスたちによって洞窟に閉じ込められた。部下たちが2人ずつ食べられていくうち、オデュッセウスは持っていたワインをキュクロープスの一人ポリュペーモスに飲ませて機嫌を取った。これに気をよくしたポリュペーモスは、オデュッセウスの名前を尋ね、オデュッセウスが「ウーティス」(「誰でもない」の意)と名乗ると、ポリュペーモスは「おまえを最後に食べてやろう」と言った。
ポリュペーモスが酔いつぶれて眠り込んだところ、オデュッセウスは部下たちと協力してポリュペーモスの眼を潰した。ポリュペーモスは大きな悲鳴を上げ、それを聞いた仲間のキュクロープスたちが集まってきたが、だれにやられたと聞かれてポリュペーモスが「ウーティス(誰でもない)」と答えるばかりであったため、キュクロープスたちは皆帰ってしまった。
オデュッセウスたちは羊の腹の下に隠れて洞窟を脱出し、船に戻って島から離れた。この時、興奮したオデュッセウスが本当の名を明かしてキュクロープスを嘲笑したため、ポリュペーモスはオデュッセウスに罰を与えるよう父ポセイドーンに祈り、以後ポセイドーンはオデュッセウスの帰還を何度も妨害することになった。
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マスカラまつげ
こっちをもう見ない あなたはだあれ?
ここに立ってる わたしはだあれ?
現実の異界に存在する魂の姿である。
テーマにシンクロする曲:
DREAMS COME TRUE - マスカラまつげ (mascara matsuge)
http://youtu.be/tQ9Kl8aXG3U