告知54 国民生活センター「戦時中の苦労話を聞かせてほしい」と来る高額本の訪問販売

「戦時中の苦労話を聞かせてほしい」と、突然男性が来訪した。初めは玄関で対応していたが、メモを取るのに家に入れてくれと言われ、座敷に通した。2時間ほど話した後、「今の話を記事にして載せた本を作るので、買わないか」と急に本の購入を勧められた。68千円と高額だったが、自分の話を長時間熱心に聞いてくれた相手に対し、断るのは悪いと思い、2万円を申込金として支払った。以前出席した行事の名簿を使って、他の出席者にも勧誘をしていたことが後日わかった。不審なので、解約したい。(70歳代 男性)

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<ひとこと助言>

☆「戦時中の話を聞きたい」と、あたかも取材だけが目的であるかのように高齢者宅を訪問し、長時間話を聞き、断りにくい状況にした上で、体験談を載せたと称する本を高額で売りつける、というトラブルが発生しています。

☆このほかにも、シベリア抑留時の苦労話、国鉄職員や教員の時の体験談など、本のテーマは様々です。

☆長い時間話を聞いてくれたからと言って、相手に遠慮することはありません。必要がなければきっぱりと断りましょう。

☆見知らぬ人を家に上げることに対しては慎重に判断しましょう。

☆契約してしまっても、法律で定められた契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフが可能です。お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください。

独立行政法人国民生活センター 見守り新鮮情報 第99号 平成22128日より

ゼーレの眼目

親切ごかし(しんせつごかし:自分の利益をはかりなどしながら、いかにも親切そうに振舞うこと。)系の手口。孤独で話相手の少ない高齢者狙いだ。自分が一番つらい時の苦労話を聞いてくれたことで警戒心が薄れる。そこが相手につけこむ隙を与えることになる。

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