告知52 国民生活センター 子どもがジュースを飲んだら酔っ払った!?
◆事例1
居酒屋で、9歳の息子がジュースを一気に飲んだ後、顔が真っ赤になった。目も充血し、アルコール臭がしたので、すぐ病院に行った。(2010年8月)
◆事例2
焼肉店で7歳の子どもが炭酸入り飲料を飲んだ後、顔が赤くなり、ふらふらになったので、すぐ病院に連れて行ったところ、「酒酔い」と診断された。店長からは「酒と炭酸入り飲料を同じ口から出すので混入したかもしれない」と言われた。(2010年5月)
◆事例3
8歳の娘が、ジュースと間違えて缶入りのサワーを飲んでしまった。一緒にスーパーに行ったとき、娘が持ってきたものだが、どの棚にあったのかはわからない。同じブランドのジュースと外観が似ているので、空き缶の「お酒」の表示を見るまで気づかなかった。(2009年4月)
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<ひとことアドバイス>
☆子どもが、カクテルやサワーなどのアルコール飲料を清涼飲料水と間違えて飲んでしまう誤飲事故が発生しています。飲食店でも、店員が間違えてアルコール飲料を子どもに提供してしまう事故が起きています。
☆お酒が入っているとは思わないゼリーやケーキなどの菓子にアルコールが使われていて、子どもが酔っ払ってしまうケースもあります。
☆周囲の大人は、このような身近なアルコールによる思わぬ事故があることに留意して、子どもの飲食物に注意を配るようにしましょう。
独立行政法人国民生活センター 子どもサポート情報 第34号 平成22年11月18日より
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ゼーレの眼
さて、本題からずれるが、「酒で憂さが晴れるのか」という問いに対して、憂さは晴れない、むしろ嫌な記憶が強化されるという研究結果を東京大学の松木則夫教授(薬品作用学)らが2008年2月28日発表した。
報道によると、
ラットを使った実験で、薄れかけた恐怖の記憶をアルコールが鮮明にする役割を示したという。成果は米国の専門誌に掲載された。
松木教授らは、ラットをふだんの飼育環境と違う箱に移し、電気ショックを与えた。いったん通常の飼育環境に戻し、翌日、恐怖を与えた箱に戻した。ラットが箱の中でじっと動かない時間の長さから、「恐怖記憶」の度合いを測った。
再び箱に入れて恐怖記憶を呼び覚ましたラットを2グループに分け、片方にアルコールを飲ませた。すると、酔ったラットは、しらふのグループより、箱の中でじっとしている時間が長くなった。思い出した恐怖記憶が、アルコールによって強められたと考えられるという。
松木教授は「記憶はいったん不安定になり、徐々に固定していくとされる。嫌なことを忘れる奥の手は、おぼろげなうちに、楽しい記憶で上書きしてしまうこと」と酒に頼らない忘れ方を勧めている。
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「楽しい記憶の上書き」というアイデアには賛成だ。しかし、現実には嫌なことに対して、楽しい記憶の生産は間に合わない。憂さ晴らしの酒に子供を巻き込んではならない。
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