67 アシュラリスト 三つの魂、三つの友情
最後に何を食おうか?
「牛丼」にしようか!
学生の時には、いつも店の前を素通り、高くて。昼は学食で、ソースをかけたキャベツとライスで食費を切り詰め、週末にやっと、牛丼にありつけた。そうだよな。思い出すなぁ…。あの頃、あの1杯の牛丼にどれだけあこがれて、どれだけうまかったか。いまでこそ、何杯でも食べられるが。本当に喰えなかったよな、夢の中にまで出てきた牛丼だもんなぁ…あれ。
―――――
ネットそして、当時の報道によると、
最後の晩餐は、牛丼並盛テイクアウトとビールだった。
1998年、社長三人の「同時首吊自殺事件」が起った。
自動車用品業界“3社長自殺事件”、ホテル各室同時自殺。
1998年2月26日未明、東京国立市のホテルで3人の中年男性が首をつって死んでいるのが見つかった。3人は都内の自動車部品小売会社社長の小林正明さん(51歳)、製造会社社長・須藤勝さん(49歳)、川崎市の部品卸売り会社社長・東海義美さん(49歳)と判明。
小林さんの会社は従業員数180人、年商60億円という大規模な展開をしていたが、バブル崩壊後も事業を広げ続けたことや、ライバル店の進出などにより、経営が悪化。負債は37億円にも膨らんでいた。須藤社長と東海林社長は小林社長と幼馴染の親友で、銀行に融資を絶たれた小林さんに同情、手形を融資して助け合ううち、自身の会社の経営も悪化して共倒れ状態になった。年末年始の手形決済時期も迫り、追い詰められた3人は揃って心中することを決意したという。
※注:冒頭部分は脚色
☆
ゼーレの眼
東京都内で倒産を回避するため自殺をし、自己の保険金を元手に会社再建を部下に託した、仲のいい3人の社長がいた。ホテルでそれぞれ同じ階でとなり合った部屋を借り、それぞれの部屋でほぼ同じ時刻に首を吊った。車部品関連の会社の社長達で、メーカー、問屋、販売店とそれぞれ担当し苦楽を共にしてきた古くからの友人であったという。今わの際に旅立つ最後の食事は3人揃って牛丼とビールだった。
◇
人は、なぜ白黒をつけたがる。最初は好き嫌いの問題だったはずなのに、その混同はプライドばかりが原因ではない。発端は実に簡単で明瞭な事柄である場合が多い。
三つの魂が、三つの友情を育み、そして苦楽を共にしてきた。それが物事を複雑にあるいは重層的に人間関係を構築する。三つの魂が強固に結合すると、そのひとつでもゆがんだりすると、他への影響は計り知れない。ゆがみ方も自分の招いたものとそうでないものとがある。同情と批判もすでに垣根がなくなる。ただ誰にも、それが良いとか悪いとか即答もできない。
もとより何が良くて何が悪いかということも、人間が考えることなのだから、完全ではないのだ。それでも人間は、不完全な存在でありながら、完全な愛を求める。完全な愛はどこにある?完全な愛よ、お前はどこにいる…?
◇
この事件に関して、ホテル側が「大きく報道されたために客足が激減した」として経営者の遺族と会社を相手取って総額7900万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
◇
歳時記にボーナスを指して「越冬資金」という。心の越冬は遠かったか。生きる愛の命があれば心を温めることはできたか…。微笑み忘れたか、幸福の女神よ!
◇
AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」と画像(You Tubeコンテンツは除く)
転載、コピー等はご遠慮ください。
Copyright(c)1999-2010 Toshimitsu Kuriki. All Rights Reserved.
テーマにシンクロする曲「愛の伝説」(作詞:岩谷時子、作曲:坂田 晃一、歌:まがじん)
1973年のドラマ「さよなら・今日は」の主題歌でもある。
「愛の伝説」
黄昏の都会は… ブルーな湖
蒼ざめた車が泳いで行くよ…
帰る空失くした… 悲しげな鳩が
公園の片隅震えて啼くよ…
人はふと知り合い…
束の間の夢見て…
やがてただ消えゆくだけなの
私は欲しい… すべてをかけて…
生きる愛の命を
木枯らしの都会は… 冷たい湖
灰色の三日月映しているよ…
微笑を忘れた… 魚たちの群れが
地下鉄の入口流れてゆくよ…
人はふと知り合い…
束の間の夢見て…
やがてただ消えゆくだけなの
信じてみたい… 確かな愛に…
めぐり合える明日を
そして、私の魂のシンクロでもある豊川誕の「汚れなき悪戯」。だれか、だれか、聞いて僕のため息…。だれか、だれか、つなぎとめて愛して、つなぎとめて愛して・・・。このフレーズは長く私の頭から魂から離れることはなかった。
「汚れなき悪戯」歌:豊川誕、作曲:筒美京平、作詞:安井かずみ
やさしく体を離して
「ごめんなさいね」といった
どんなつもり あの夜は
二度と逢えない女(ひと)よ
ああ ぬくもりがほしい
ああ 帰るとこもない
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
人生を拾って歩く
もともとひとりぼっち
どんなつもり あの女(ひと)は
やっと信じられたのに
ああ 短い恋だよ
ああ 短い嘘だよ
ああ 誰か 誰か
つなぎとめて愛して
ああ 誰か 誰か
つなぎとめて愛して
ああ ぬくもりがほしい
ああ 帰るとこもない
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
最後に何を食おうか?
「牛丼」にしようか!
学生の時には、いつも店の前を素通り、高くて。昼は学食で、ソースをかけたキャベツとライスで食費を切り詰め、週末にやっと、牛丼にありつけた。そうだよな。思い出すなぁ…。あの頃、あの1杯の牛丼にどれだけあこがれて、どれだけうまかったか。いまでこそ、何杯でも食べられるが。本当に喰えなかったよな、夢の中にまで出てきた牛丼だもんなぁ…あれ。
―――――
ネットそして、当時の報道によると、
最後の晩餐は、牛丼並盛テイクアウトとビールだった。
1998年、社長三人の「同時首吊自殺事件」が起った。
自動車用品業界“3社長自殺事件”、ホテル各室同時自殺。
1998年2月26日未明、東京国立市のホテルで3人の中年男性が首をつって死んでいるのが見つかった。3人は都内の自動車部品小売会社社長の小林正明さん(51歳)、製造会社社長・須藤勝さん(49歳)、川崎市の部品卸売り会社社長・東海義美さん(49歳)と判明。
小林さんの会社は従業員数180人、年商60億円という大規模な展開をしていたが、バブル崩壊後も事業を広げ続けたことや、ライバル店の進出などにより、経営が悪化。負債は37億円にも膨らんでいた。須藤社長と東海林社長は小林社長と幼馴染の親友で、銀行に融資を絶たれた小林さんに同情、手形を融資して助け合ううち、自身の会社の経営も悪化して共倒れ状態になった。年末年始の手形決済時期も迫り、追い詰められた3人は揃って心中することを決意したという。
※注:冒頭部分は脚色
☆
ゼーレの眼

東京都内で倒産を回避するため自殺をし、自己の保険金を元手に会社再建を部下に託した、仲のいい3人の社長がいた。ホテルでそれぞれ同じ階でとなり合った部屋を借り、それぞれの部屋でほぼ同じ時刻に首を吊った。車部品関連の会社の社長達で、メーカー、問屋、販売店とそれぞれ担当し苦楽を共にしてきた古くからの友人であったという。今わの際に旅立つ最後の食事は3人揃って牛丼とビールだった。
◇
人は、なぜ白黒をつけたがる。最初は好き嫌いの問題だったはずなのに、その混同はプライドばかりが原因ではない。発端は実に簡単で明瞭な事柄である場合が多い。
三つの魂が、三つの友情を育み、そして苦楽を共にしてきた。それが物事を複雑にあるいは重層的に人間関係を構築する。三つの魂が強固に結合すると、そのひとつでもゆがんだりすると、他への影響は計り知れない。ゆがみ方も自分の招いたものとそうでないものとがある。同情と批判もすでに垣根がなくなる。ただ誰にも、それが良いとか悪いとか即答もできない。
もとより何が良くて何が悪いかということも、人間が考えることなのだから、完全ではないのだ。それでも人間は、不完全な存在でありながら、完全な愛を求める。完全な愛はどこにある?完全な愛よ、お前はどこにいる…?
◇
この事件に関して、ホテル側が「大きく報道されたために客足が激減した」として経営者の遺族と会社を相手取って総額7900万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
◇
歳時記にボーナスを指して「越冬資金」という。心の越冬は遠かったか。生きる愛の命があれば心を温めることはできたか…。微笑み忘れたか、幸福の女神よ!
◇
AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」と画像(You Tubeコンテンツは除く)
転載、コピー等はご遠慮ください。
Copyright(c)1999-2010 Toshimitsu Kuriki. All Rights Reserved.
テーマにシンクロする曲「愛の伝説」(作詞:岩谷時子、作曲:坂田 晃一、歌:まがじん)
1973年のドラマ「さよなら・今日は」の主題歌でもある。
「愛の伝説」
黄昏の都会は… ブルーな湖
蒼ざめた車が泳いで行くよ…
帰る空失くした… 悲しげな鳩が
公園の片隅震えて啼くよ…
人はふと知り合い…
束の間の夢見て…
やがてただ消えゆくだけなの
私は欲しい… すべてをかけて…
生きる愛の命を
木枯らしの都会は… 冷たい湖
灰色の三日月映しているよ…
微笑を忘れた… 魚たちの群れが
地下鉄の入口流れてゆくよ…
人はふと知り合い…
束の間の夢見て…
やがてただ消えゆくだけなの
信じてみたい… 確かな愛に…
めぐり合える明日を
そして、私の魂のシンクロでもある豊川誕の「汚れなき悪戯」。だれか、だれか、聞いて僕のため息…。だれか、だれか、つなぎとめて愛して、つなぎとめて愛して・・・。このフレーズは長く私の頭から魂から離れることはなかった。
「汚れなき悪戯」歌:豊川誕、作曲:筒美京平、作詞:安井かずみ
やさしく体を離して
「ごめんなさいね」といった
どんなつもり あの夜は
二度と逢えない女(ひと)よ
ああ ぬくもりがほしい
ああ 帰るとこもない
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
人生を拾って歩く
もともとひとりぼっち
どんなつもり あの女(ひと)は
やっと信じられたのに
ああ 短い恋だよ
ああ 短い嘘だよ
ああ 誰か 誰か
つなぎとめて愛して
ああ 誰か 誰か
つなぎとめて愛して
ああ ぬくもりがほしい
ああ 帰るとこもない
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息
ああ 誰か 誰か
聞いて僕のため息