62 アシュラリスト マネキン(Mannequin)
ピュグマリオン(Pygmalion)、ギリシャ神話に登場する青年職人。人形造りにおいては一目置かれた存在。余りに精巧な女性の人形を創り上げ、その人形と恋に落ちる、真面目な青年の恋に感動したビーナスがその人形に生命を吹き込んでやり、人間にしてくれた。その後その青年はその女性と幸福な人生を送ったという。私はハリウッドのヒット映画「マネキン」のシナリオの基本になったものと思っている。

キスによって覚醒する瞬間
ピュグマリオンは、その口に接吻いたしました。
すると像の口が温かいような気がしました。
ピュグマリオンはもう一度唇を押しあてて、その手足をかき抱きました。
この時、アプロディテの信者は、女神にお礼を申すことに気がつきました。
そうして自分と同じく生(せい)あるものとなった
処女(おとめ)の唇にその唇を押し当てました。
処女(おとめ)は接吻されると顔を赤くして、
おどおどした眼を明るみに見開きながら、
じっと恋人となるピュグマリオンを見つめました。
(ギリシャ神話、吟遊詩人オルフェウス)

ゼーレの眼目
マネキン (Mannequin) は1987年のアメリカ映画。1991年には続編の『マネキン2』が製作された。
20世紀フォックス配給のロマンティック・コメディ。多彩なミュージッククリップやダンスシーンが華やかで、本来変態的であった題材を見事にトレンディコメディに昇華した怪作。主題歌であるスターシップの『愛は止まらない』 (Nothing's Gonna Stop Us Now) は1987年4月4日と4月11日の2週連続でビルボードのシングル・チャート Billboard Hot 100 で第1位に輝いた。また、年間ランキングでは第11位を記録した。1980年代を象徴する作品でもある。

ピュグマリオンとガラテア(ジャン=レオン・ジェローム) 1890年Pygmalion and Galatea
台座に立つ彼女の足元はまだ白い彫像のままだが、ピュグマリオンとの口づけによって、そのしなやかな腕から大きくカーブを描いた背中へ、徐々に赤味がさし始めている。感動のあまり、ピュグマリオンは血の通いはじめた乙女ガラテアを抱きしめます。ここに描かれているのは、伝説上のキプロス島の王ピュグマリオンと、彼自らの手で創り上げた理想の女性ガラテアである。

たった一つの願い・理想の女性
 女性は好きだが、ほとんどがわがままで傲慢だと思っていた。癒しがたい女性不信にとらわれて、長い間独身を通していたピュグマリオンは、ある時、象牙で女性の彫像を刻みました。それが、あまりにも素晴らしい出来映えだったので、彼はこの像に恋をしてしまったのだ。彼はその像に心を奪われていくのと同時に、それはただの彫刻で、硬くて冷たくて話も出来ないという現実に、悲しみでいっぱいになった。そして、この像のように美しい女性を妻に迎えたいと、愛と豊饒の女神ビーナスに祈るようになった。その一部始終を見ていた女神は、私に似せたのだから恋に落ちるのも仕方がないと思い、女神はこの願いを快く叶え、彫像に生命を与えてくれたのだ。帰宅したピュグマリオンは、生身の人間に変身した彫像に驚き、そして喜び、ガラテアという名前をつけた。ピュグマリオンは、ついに実るはずのなかった恋を成就させ、自身で創り上げた女性ガラテアと結婚し、子供もつくったという。

ピュグマリオン効果:
自分が相手に期待すると、その期待に相手が対応する行動を取ること。これは教育心理学で「人はほめられ期待されると期待通りになる」ということを提唱するアイデアとなったとされる。

AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」と画像(You Tubeコンテンツは除く)
転載、コピー等はご遠慮ください。
Copyright(c)2000-2010 Toshimitsu Kuriki. All Rights Reserved.

テーマにシンクロするYou Tube
「愛は止まらない」映画「マネキン」版