41 アシュラリスト 引き出すスイッチ

ほら、そこに来た、そして見えてきた「引き出すスイッチ」。

呼び起こした、現実と恋愛阿修羅の間のスイッチが自分を。

資格ではなく、タイミングでもなく、体質でもない、「雰囲気」。

表情模倣をする前に雰囲気模倣がそのスイッチを欲しがって彷徨う。

内的暴風と表面的冷静、これを「健康(半健半病)」と呼ぶ。

安全と確実など無い。

常に裏切りと証拠を残さない暴力と妄言の中、そこにだけ存在し静かにバランスを取ろうとする平常心。

深読みは手段と目的の混同と同じほど浅はか、堅調は不調の兆し。

噂は誤解の母親。嫉妬は鋭く深く自分だけを切り裂くカミソリ。

あんたにとっちゃ、そこが居心地のいい所なんだな。

まるで時間と体験がシャッフルされた感じだよ、そこは。習慣でも習性でもなく、呼び出された雰囲気。そのなかには何もない、最終的には何もない所にたどり着く。ただ、そのためだけに歩き続ける、だけ。きっと何かが正解で、もっと多くが不正解。今を精一杯、それこそ解答と重なる。一瞬にして確実に存在し同時に消え去るものを網膜に焼き付けろ!

健康は病気の始まり、病気であれば病気に集中できる恋の病。

引き出すスイッチを引き出したか?

まだ引き出していないか?

絵本に書かれる、その前に。

暗闇に溶ける時計回りの心。それでもこれから、そこから、日が暮れてから。

何もかもが始まり、そして無に帰る。

ゼーレの眼目

「言葉は沈黙から来る。沈黙からきて沈黙に帰る」(スイスの哲学者マックス・ピカート)

言葉は沈黙から来るのだから何もかもあわてふためいても仕方がないし、また、あわてふためく必要もないんだ。クールに対応すれば、沈黙に帰る言葉の姿を見ることができる。恋もこれに似ている。

なんとなくでいい、感じてくれればほとんど体感とシンクロし同化する、沈黙のたたずまいから歩き出す言葉と恋とを。そんなに難しいことではないんだ。難しいと思うから難しくなってしまう。自分で壁を作ってしまっているだけなのさ。余計なものは取っ払ってしまえばいい。楽になる、楽しくなるそして嬉しくなる。人はその力を誰でも自分自身に備わって生まれてきている。

AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」と画像
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