告知28 感染症(細菌性膣症(BV))に起因する早産の増加 知らないうちに降りかかる病気

近年、感染症(細菌性膣症Bacterial Vaginosis)に起因する早産の増加が問題視されている。200911月、日本産婦人科関東連合地方部会で、温水洗浄便座と細菌性膣症との関連性が報告された。非妊娠女性268人を対象に、温水洗浄便座の習慣的利用者、非利用者の膣内の善玉菌、悪玉菌の状況を調べた結果、感染症となりうる腸内細菌(大腸菌など)を認めた50人中、46人が習慣的利用者であることが明らかになった。

 要因は、水圧で飛ばされる雑菌が侵入したものか、温水タンクの汚染によるものか定かではないが、女性には気になる報告だ。

 「温水洗浄便座と細菌性膣症(炎)」を調査した専門家(国立国際医療研究センター)はこう話す。「昨今の神経質な清潔志向が過度な使用につながり、感染症を惹起しているように思う」。

母子の健康をさまざまなリスクから守るために、感染症に対する知識・情報の確保、そして温水洗浄便座の使用には慎重にならざるを得ないだろう。自分自身の、そして家族のためにも関心を深めたい問題である。

ゼーレの眼目

細菌性膣症(Bacterial Vaginosis:BV)とは、女性の膣内における正常な細菌群のバランスがくずれることにより、正常な細菌と異常な細菌との数的な優位性が入れ替わった状態、とある。
 どうしてこのようなことが、起こるのか。まだ確かなことは、わかってはいない。トイレの便座、ベッド、プールなど、一般に感染しやすそうなものは、ほとんど原因にならない場合が多く、やはり広い意味での性的活動がこのBVの主な原因となっていそうである。それを示す一つの証拠として、一度も性交渉を経験していない女性にはBVはほとんど発生しないとされる事実があげられという。

 ただ、その前提だと、今回の温水洗浄便座の洗浄水が原因と理解すると、症状の把握に一つの安心感があることも事実かもしれない(性交渉がないにものかかわらずに発症した事実に対して。濡れ衣の回避等)。

より詳しい情報は、医師が利用するWEBサイトの医療マニュアル「メルクマニュアル日本語版」を検索・参照されたい。医学強力マニュアルである。また、家庭版として「「メルクマニュアル医学情報家庭版」もある(Web版のメルクマニュアルの著作権は万有製薬および制作に関わった会社にあります)。


カブトガニ虹

 ちなみに、カブトガニの血液(青色)は、大腸菌(感染症となりうる腸内細菌)をゲル状に固める性質が発見された。大腸菌など発見のために、血液採取して新薬の開発が進んでいる。

1.内毒素(大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌など)の検査薬
2.医薬品(注射液、ワクチン、人工腎透析まくなど)の内毒素汚染の検査薬
3.食べ物(肉、牛乳など)の細菌汚染の検査薬
4.水質(井戸水、水道水など)の検査薬
また、エイズウイルスの繁殖がおさえられ、その活動が弱まるという研究も進んでいるという。

今では、カブトガニの血液の需要がとても多くなってきている。実際には生きたカブトガニの尻尾から採血した後、また海に返している。病気の人たちのためにわれわれは献血するがが、内毒素の検出のために「生きている化石」のカブトガニから献血(カブトガニにとっては迷惑な話だが)してもらっているのである。

カブトガニは生きている化石として有名で、ジュラ紀に今とほとんど同じ形態のものが生きていたことが、化石からわかっている。人類はカブトガニの助けなしには立ち行かない。私たちはカブトガニに足を向けて寝ることはできない。

太古より祖先は「命の安全装置のしくみ」をカブトガニに託し、それを人類に寄与させた。もし、人類がカブトガニを絶滅させたら、それはとんでもない親不幸となり、自滅の道を歩むことになる。それほど、カブトガニはありがたい存在なのである。

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