27 アシュラリスト 気分予報士
気分予報士が描く気分予報詩の面々。
怠慢の着膨れに気まぐれの誠意。空元気とナッシュ均衡、誰も利益をうることができない仕組み。「囚人のジレンマ」に踊らされる空間。
しかし、幸福のトリガーは自分で引きたいし、引くしかない。
気分の予報士かコンシェルジュ(案内係)か?
個性に根ざし、生き方手法に起因した予報。「レアメンタル」を探して懊悩(Agony)しながら、大童(おおわらわ)。風まかせの気分の漂白と定着のルーチン。ルーズリーフ(loose-leaf)な予報。素直に生きようすることを阻害する者への対応も予測し、処理する。いくつかの方法で精神を和らげる「気分予報詩」の創造と破壊。
「ムカつく野郎だぜ、そんな奴等に囲まれて、生きていかなきゃなんねえ、食べていくため、これも青春さ!」
「心よ、落ち着け!」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」 から、「ラ・カンパネイラ」へ。こんなに人を好きになったことも、こんなに人を嫌いになったのも初めての経験だ。余計に眉間の溝が深くなる。
泣きたい時に泣けない。
泣けない時にも泣かない。
泣くのを耐えたときにはもう涙はない。
泣くための涙は枯れはてた。
現実の傷は未来への傷口。入り口があれば出口がある。
しかし、それは折り合いのつかない出口。非対称であり、質量も異なる。
それでも世の中、悪い人ばかりではない、善き人に出逢い、思い切り甘えればいい。
腐った奴等に囲まれ、飾れない真実を今日も、予報予測する人。臭ければ臭いほど、大地の栄養になる。悪臭で鼻は折れない、慣れるか擦り切れるか。しかし、塞いでは予報できない…。時には宿り木のようでもあり、共同体的なしきたりや価値観をひっくり返したり、茶番劇にしたり、ずらしたりもする、「まれびと」の所業。愉快なまれびと…、愉快なエゴイスト、胎動的明け透けな不平等に横切られる日々、世の中は常に対等ではない、要は体得である。
必然と思う偶然、運命より強く信じたい、君の愛。
地獄より苛酷でも愛を守りたい、そして君を…。
体得できなければ何のために生き長らえる。
コアスキル(core skill)としての気分予報士、それは悲しいのかな、嬉しいのかな…。
それとも、スキル・ミスマッチ(skill mismatch)…。
俺がふらふらだよ。俺よ!俺に戻れよ!
ベタボ(ベタボレ症候群)は予測も治療もできない。
それは気分予報士の熟練工(skilled worker)でもお手上げさ。
☆
ゼーレの眼
現実における囚人のジレンマ(Prisoners' Dilemma)
囚人のジレンマは、経済学用語。個々の最適な選択が全体として最適な選択とはならない状況の例としてよく挙げられる問題とされる。
現実世界の囚人のジレンマとは、例えば核開発では、A国とB国が両方とも核開発を止めれば平和が維持できるにもかかわらず、相手国が裏切って核開発をはじめる恐怖に耐え切れず、双方とも核開発をはじめてしまう(恐怖の均衡)。
また低価格競争でも、A社とB社が両方とも値下げを止めれば利益を維持できるにもかかわらず、相手企業の値下げによりシェアが奪われる恐怖に耐え切れず、双方ともに値下げ合戦をして利益を圧縮してしまう。「囚人のジレンマ」は政治・経済の分析に必要である。
「女を愛することを知らない、女に溺れるだけ、これがおれか」(竹久夢二)。愛の囚人か、誰も幸せになれない、最悪のシナリオである。このゼーレはいつしか、誰かのためのゼーレになり得るか、それを信じて今日も生きてみる。
AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」
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