26 アシュラリスト シールドルーム(Shielded Room)
シールドルーム(Shielded Room)
優しさを守る者は夢も守れる者、
夢を守る者は愛も守れる者、
愛を守れる者は文化も守れる者、
文化を守れる者は未来の道を築く者、
陽の光が後ろから差し支え、守るものを知る者となる。
(
◇
Shielded Room(シールドルーム)
この土地はあなた方を除いて、すべての人々に閉ざされている。つい最近まで許可を得た人間でなければ誰もここにはいることはできなかった。大使館の通信の発信元となっていたこの場所は世界と断絶され、謎に包まれていた。孤独にひしがれる一人一人の思考のようにこれもあなた方がはいることのできない領域である。私はこの立方体を現在の環境から切り離し、仕事的な時間を削ぎ落とした。見た目を変えようと試みている。 私的な感覚と想像の場にするために内側を変えたのだ。そしてこの場所の特性を保ちたいと思う。即ち隔離された、孤立した、謎めいた場所として、ただし、今はあなた方がはいることができる。
サラ・ドラバディ(Saran Dolatabadi):国籍イラン
*上記は2010年1月31日フランス大使館(東京都港区)にてアート系イベント「ノーマンズ・ランド」、の固定作品「シールドルーム」の前に、提示された作者のメッセージをメモしてきた。最初に来たときは、アラビア語で、意味不明だったが、改めてその日に行った時は、日本語でコメントが張り出されていた。「固定作品」と書いたのは、フランス大使館の現役として政治的機能を持っていた実際の「部屋」をアート化したものであった。このイベント「ノーマンズ・ランド」は、2010年2月18日で終了し、旧フランス大使館は取り壊される。
◇
ゼーレの眼
ブルーシールド
報道によると、日本政府は、武力紛争時に文化財を保護することを定めた「ハーグ条約」と、二つの関連議定書を批准した。日本は2007年12月10日から、118番目の締約国となった。
条約は、遺跡や博物館、歴史的建造物などの文化財については、原則として武力攻撃の対象としないことを、締約国に義務づけている。
条約に従い、「武力紛争の際の文化財保護法」が、先の通常国会で成立した。国指定の重要文化財などには、条約によって保護されていることを示す「ブルーシールド」と呼ばれる世界共通の特別標章を付けることができる。
イラク戦争の際、フセイン政権崩壊後の混乱の中で、イラク国立博物館に所蔵されていた古代メソポタミア文明などの貴重な文化財、約1万5000点が住民に略奪されたことは記憶に新しい。アメリカとイギリス両国が批准しておらず、イラク戦争で条約は適用されなかったのは残念だった。人類の貴重な文化遺産を守るためには、多くの国が条約に加入することが求められる。
今後、国や自治体は、重要文化財の所有者や文化財保護の関係者らに、条約の趣旨を周知させなければならない。
AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」
転載、コピー等はご遠慮ください。
Copyright(c)2007-2010