22 アシュラリスト HANDSOME HEART(ハンサムハート)
心というものがあらたに言葉を生み出し、互いに紡ぎ出し、その言葉によって人びとは見えない心というもの表現する。それは傷つけ憎み合うためではなく、解り合い、分かち合い、支え合うために・・・。
「あなた自身が見たい時代に、あなたがなりなさい」(ガンジー)
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『イマジン』
思い浮かべてごらん、国境のない世界。それほど難しくはないよ。
殺し合ったり、死ぬこともなく、宗教さえない世界。
すべての人たちが、平和に暮らせたらと考えてごらん。
僕は夢追い人かも知れない。
でも、それは僕だけじゃない。
いつの日か、君もこの夢を追えば世界は1つに結ばれるんだ。
想像してごらん、人が何も持たない世界。君にできるかな。
欲も飢えもなく、皆が兄弟でいる世界。
すべての人々が世界を分かち合っていると考えてごらん。
僕は夢追い人かも知れない。
でも、それは僕だけじゃない。
いつの日か、君もこの夢を追えば世界は1つに結ばれるんだ。(By JOHN LENNON)
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「ジョン・レノンの『イマジン』の夢の延長線上にあるなにものかについては、私たち未来を担う者たちが創造しなければなりません、物理的な国境のハードルは次第に下がり、目に見えぬ国境ばかりが高くなっていきます。目に見えぬ国境とは「無関心」ということです。」
友の苦しみ悲しみを分かち合い、少しでも苦痛を軽減させてあげる。そんなに難しいことでしょうか?
「倒れたら起こしてあげるのが友情、共に倒れてあげるのが愛情」。妻が出産するとき、夫も床について子を産む苦しみを真似る風習が世界各地に残っているそうです。模擬の分娩(ぶんべん)、文化人類学では「擬娩(ぎべん)」というそうです。妻の苦痛を分かち合うことで出産を軽くするためとともに、邪霊の目を夫に引きつけるためともいわれているのです。
「真っ暗な闇の中を歩み通す時、助けになるものは、橋でも翼でもなく、友の足音である」(W・ベンヤミン)。
私はこう思いました、「無関心には足音がない」それは歩み寄り、分かち合い、助けようとしないからです。しかし、愛情はやさしい足音を持ち、さらにその後には足跡も残ります。身近なところでは「花づくり」にとって足音が肥料になるのだそうです。朝な夕な、虫はついていないか、水は足りているかと、畑を見て回る足音を聞いて、花や草や木は育つというのです。そしてそのお返しに、みどりや土は触ると精神を安定させる能力があるというのです。
「岸を見失う勇気がなければ、新しい太洋は発見できない」(アンドレ・ジード)。私たちには、現在、保持・執着しているものとは別の世界を持つ必要性(会社・学校や塾以外)もあります、そこから元気をもらうことができます。いじめに会うと袋小路。花と緑に触れることは、生命力を育てることにもなるのです。環境問題にも目を開くきっかけにもなります。
しかし、「この世に生まれ落ちる時、わしらは泣く。阿呆(あほう)ばかりのこの巨(おお)きな舞台に抛(ほう)り出されて、泣きわめくのだ」(シェークスピア『リア王』)。私たちは放り出されてしまった以上、平和に共生(Co-Existence「共生」)してゆくしかありません。
たとえ「本質的な矛盾や対立があっても、お互いを必要とする関係」を探し求めることが「共生の思想」です。もともとあった東洋の英知ともいえる「共生の思想」が9.11以降、世界的にも注目を集めているのもそれが理由なのです。
ゼーレの眼
友人とエコ(ECO:The Environmental Children's organization)という名前の環境NGOを立ち上げ、1992年ブラジルのリオの地球サミットに出席した12歳(当時)の日系カナダ人のセヴァン・カリス・スズキ(Severn Cullis-Suzuki)さん、スピーチの中で、
―前略―
* 争いをしないこと
* 話しあいで解決すること
* 他人を尊重すること
* ちらかしたら自分でかたずけること
* ほかの生き物をむやみに傷つけないこと
* 分かちあうこと
* そして欲ばらないこと
☆
そして彼女はスピーチをこう締めくくった。
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ならばなぜ、あなたがたは、私たちにするなということをしているんですか。
なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったい誰のためにやっているのか。それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。
親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子供たちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」とか。しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。
父はいつも私に不言実行、つまり、なにをいうかではなく、なにをするかでその人の値うちが決まる、といいます。しかしあなたがた大人がやっていることのせいで、私たちは泣いています。あなたがたはいつも私たちを愛しているといいます。しかし、私はいわせてもらいたい。もしそのことばが本当なら、どうか、本当だということを行動でしめしてください。
最後まで私の話をきいてくださってありがとうございました。
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彼女は生物学者の父親を持つ日系カナダ人4世で、環境活動家ですが活動家デビューはなんと9歳。父親と南米アマゾンを訪れて、開発のために森が燃やされているのを見て驚き、友人と(ECO)という名前の環境NGOを立ち上げ、自分達でお金を集めてブラジルの地球サミットに出席した。
今年、彼女は30歳になる。
AEGIS シリーズ全編及び「ゼーレの眼」
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