13 せっかくのチャンス
「ラブ ミー テンダー…」プレスリーの歌のように恋することができたら…。
恋に振り回され、胸を切なくさせるこの圧力。
自己保存の呼びかけか?
潜在意識の問いかけか?
僕を惑わすすべての機会。あぁ本当に、崖の縁に立たされて、前に行けば転落、そのままでいれば何も変わらない退屈な日々が待ち受ける。
あの勇気があれば、アプロディーテよ!
アリアドネーよ!
あなた方の力を少しでも、授けて頂けたのなら、どんなに気が休まることか。
この哀れな恋に溺れた若者に、「ビーナスの帯」を1度だけでも貸して下さい。
メッキ加工だけになってしまった恋愛からたまたま流れ去る恋よりも、
留まりながらも温かい恋を選びたい。
こんな気持ちどうしたら、あの娘に伝えられるのだろうか。
チャンスはあった。
今日もチャンスがあった。
幸運の女神よ!
どうか後ろを向かないで、お願いだから…。
ゼーレの眼
アリアドネ【Ariadne】(アリアドネー)ギリシア神話で、クレタ王ミノスの娘とされ、自ら誓願して怪物退治にきたテセウスに、一目ぼれして糸玉を与えて、ラビュリントス(迷宮)から脱出する道を教えた。そこから、難問を解く方法を「アリアドネの糸」と呼ぶ言葉が生まれた。その後、テセウスの一助をしたのにアリアドネは過酷な死に方をする、と記憶していたが、ヘシオドスなど多くの詩人は、彼女はナクソス島で眠らされ、ディオニュソス(バッカス:酒の神)に嫁いだと説明する。ディオニュソスとの間に彼女は子を生んだ、とするがそのほうが気が楽になる。
「幸運の女神」について私は「チャンスは前からつかめ。後ろからではつかめない(髪の毛がないため)」と思い込んでいた。
しかし、「幸運の女神は後ろがハゲではない」らしい。もっとも、冠をかぶり荘厳である女神象(「幸運の女神」はギリシア神話の「運命の女神」 "テュケー(Tyche)" と同一視される)の後ろ髪がないのは、さまにならない。