4 メトロポリスⅡ
その作品が創られた60年前の日々、悲惨、貧困、未熟そして戦争。
あの呪わしいナチスを思い起こされるアンドロイド。
常に自分のペースに引き込み、さらに雄弁だから手に負えない。
負えないと知りつつ人々が欺かれ、傷ついて、従わざるを得ない。
あの色、そして音、それは哀愁しかも感動さらに恍惚。
アールデコの演出は最高だった。
どんな時代でも信仰は必要である。
バベルの塔を造った時の最高責任者はその理想とは裏腹に1人の人間の苦しみを捉える事ができ得たか。
そう、そうなった、自ら崩れ落ちた、バラバラになった。
しかし、愛だけ何千年、何万年と受け継がれた。
最高の愛は今後とも変わらないし、愛のなくなる時代もないだろう。
今は、愛がはずかしがっていて、ちょっと隠れているだけなんだ。
「それならば、愛のかけ橋を僕がやろう」
ゼーレの眼
3&4 メトロポリスⅠⅡ
「メトロポリス」はドイツで作成されたモノトーンの映画である。デビットボーイが法外な値段でその版権を手に入れようとした有名なエピソードがある。フィルムそのものが古くかなりいたんでいるが、クィーン、パット・ベネター等のミュージッシャンが斬新なサウンドを提供したことも話題になった。ストーリーは主人公「マリア」が過酷な機械労働を強いられる労働者を救うという単純なものであるが、精巧にできている巨大な機械都市、サイボーグそして、アールデコ調の映像と家具等、退廃と衰退。よくこんな映画を戦時中に作れたものだと思う。サイボーグ「マリア」は日本のアニメ界にも影響を与えたという。