カソスからカステロリゾへ | エーゲ海島めぐりの旅 LIMANI88

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カソス最後の朝は、今まで行ったことのない店に行ってみたいと思っていました。
宿の入口がある細い路地の並びにすごく目立たない店があって、ずっと気になっていたのです。

最初はそこに店があることに気付かず、次はそれがなんの店なのかわからず、最近になって、やっとそれがお菓子屋だとわかったばかりでした。

しかしなんとも入りづらいたたずまい。
いったいどんなもんかと窓から覗いていると、昨日スピロスの店で一緒だったおじさんが中から呼んでくれました。

入口ではまだ若くて愛想のない大男が、背中を丸めて、なにやら熱心に作業をしています。見ると、大きなバスケットをピンクのチュールやリボンで飾り付けているのです。

彼は私が店に入ると、しぶしぶと言った感じで手を止めて、注文を取りにきたのですが、まだテーブルに前の人が食べ残したルクマーデスがあったので、それを片付けようと右手を伸ばしました。するとその腕の内側に、「私」と入れ墨がしてあるではありませんか。
「あ!私だって!日本語だ!これってエゴーって意味なんだよ!」
すると彼はほんの少し形相をくずして、「うん、知ってる。日本が好きなんだ。キレイな国だから」とつぶやくのでした。

でもそれ以上話したいという感じでもなかったので、ルクマーデスとコーヒーを頼むと、彼はまた元の場所に戻ってせっせと作業の再開です。
その間パラパラと人が来て、彼に何か話かけると、彼はそのたびその籠を見せ、「どうかな?」と聞いています。

そういえば今週末に結婚式があると聞いていたから、それで使うために注文が来たのかな?多分中にお菓子を入れるんだろうな。それにしてもずいぶん熱心だな。と思いながら「ウエディング用なの?」と聞いてみました。すると彼は「うん。今度の土曜日、妹が結婚するんだ。僕からのサプライズプレゼントなんだ。この中にお酒の瓶を入れるんだよ。どうかな?へんじゃない?」
彼はそういうと、籠の蓋を開け、店にあったウォッカかなんかの瓶を入れて見せてくれました。籠の中にもピンクのチュールが詰めてあり、蓋の裏にも飾りがありました。

さて、カルパトスの空港をおもちゃみたいだとか言いましたっけ?
カルパトスの空港がおもちゃだとしたら、カソスやカステロリゾの空港はなんと言ったらいいのでしょう。

まずカソスの空港はモロ海岸で、待合室は10畳くらいな感じ(笑)。カステロリゾに至っては、到着ロビーは野ざらしで、預けた荷物はトラックが荷台に積んでくるので、各自自分のを見つけて下ろすシステムです(笑)。

飛行機は36人くらいな感じで、カソスからの乗客は6人。ほとんど助走せずにすぐ飛んじゃって、フラフラしながら10分弱でカルパトスに到着。カルパトスで下りる人二人を見送ったら、スッチーが「ここで20分くらい休暇するから、みんな一旦降りて、ジュースでも飲んで来ちゃってー」みたいな。(笑)
その後カルパトスから10人くらい乗せて30分くらいでロドス。ロドスで似たような飛行機に乗り換えて、30分くらいでカステロリゾ。

カステロリゾの空港で降りると、タクシーが一台だけ待ってます。
えっ、一台だけ?そのタクシーはすでに満員に人を乗せて行ってしまいました。(+0+)ぁゎぁゎ
慌てた私が、フラフラ出て来た空港関係者に「すいません、タクシーって一台しかないんですか?!」と聞くと「そうなのよ」と悲しげ。悲しんでる場合じゃない私は「タクシーどうやって呼べばいいんですか?」と聞くと「10分くらいでまた戻って来るから大丈夫よ」とのこと。
w(*゜o゜*)w
でもまだ明らかにアメリカ人の大家族と、ナニ人かわからない三人組の白人のおばさんがタクシーを待っているようなので、うかうかしていてはいられないと思い、おばさんグループに一緒にいいですか?とたのんで、まんまと次の便に乗ることができました。

おばさんたちの母語はダッチだか、デーニッシュだか、とにかく私には聞き慣れない言葉なのですが、三人とも英語もギリシャ語も話すインテリ風。
タクシーの中で「ホテルはどこ?」と聞かれたので、「これから探すんです」と答えると、「この運転手さん、貸し部屋もやってるんですって。頼んでみる?」と、私に代わってギリシャ語で頼んでくれました。そして降りる時に、「私、彼の部屋がどんなだか知らないの。見せてもらって気に入らなかったら、断って、別の部屋を探してね」と言ってくれました。
ところが部屋はキッチンもバルコニーもダイニングテーブルもついてるいい部屋でした。一泊25Euroなり。

いやしかし、カステロリゾをみくびってました。 タウンはすごくキレイでおしゃれ。
いろんな国の国旗を付けたヨットやクルーザーがたくさん停泊していて、金持ちそうな白人たちがうろうろしています。
カソスと似たような所を想像していたのでびっくりでした。

しかし一人でやることのない夜が、ひどく久しぶりのような気がします。 なんだかカソスのあの連中が、恋しいような気もしますが、きっとそれも今のうちだけでしょう。。。