*謙虚さに欠けるのが自負心の特徴ではありませんでしたか?

謙虚さの欠如はすべての段階で見られる。虚栄心でも、自尊心でも、自負心でもだ。他の二つよりも進化が遅れている虚栄心の段階では、最も顕著なのである。

だが、真に謙虚になりきることは非常に困難なのが実情である。自負心の段階にいる魂たちでさえ、まだ尊大のエゴを完全に抜け切れてはいない。自負心とは謙虚さに欠けることだと言ったのは、他の欠点を克服しており、これが越えるべき主な欠点として残っているからである。一方、虚栄心と自尊心には、謙虚さの欠如の克服に取り組む前に、乗り越えるべき他の欠点がある。

謙虚さに欠くことを自覚しているだけで、自負心の段階に到達したと思っている人たちがいるが、それは尊大であることを率先して自覚したいからではないのだ。単に、自負心が自尊心や虚栄心よりも進んだレベルであるがゆえに、自分を他の人たちよりも上位の、霊性進化の最上階にいると思いたいだけなのである。他の人たち以上になりたがり、誰の下にもなりたくないというこの特徴こそが、虚栄心独自のものである。

 

*まだはっきり理解できていないので、前述のお話の教訓を正確に説明していただけるといいのですが。

あの話で明らかにしたかったのは、自分自身のエゴを認めることは非常に難しいということだ。だから君たちは、改善のための真の努力をするよりも、エゴが見えないようにごまかすのに一生懸命だ。

だが、それでは君たちは否応にも停滞してしまう。自分のエゴを認めようとしない者は、それを克服できないからだ。

君たちは、手を差し伸べてくれて、君たち自身にどういうエゴが顕れるのかを教えてくれる人たちの助言を、嫌がって受け容れようとしない。耳に心地よい賞辞ばかりを貰いたがるが、真実は聞こうとしない。君らを褒めてくれる人たちのことは称えるが、成長できるようにと本当のことを言ってくれる人たちのことは非難する。これでは、前進は困難だ。

 

*でも、僕たちは霊的な覚醒の時代を生きていて、他の人たちのために何かをしたがっている人が沢山いるのではありませんか?

今日では、霊性を目覚まして、他の人たちのために何かをしたいと言っている人は大勢いる。それ自体は善いことだ。しかし、他者を助ける以前に、自分自身をよく見つめ、それをしたいのは他者を助けるためなのか、それとも他者から称賛や認知されたいためなのかを知るべきである。

もし後者であれば、何もしない方がよい。まず自分自身を眺めて、自分の力がどこまで及ぶのかを見てみることが必要だ。人びとを助けるのは簡単なことではなく、大変な修練が必要となる。能力がなければ、些細なことで嫌になるし、他者を助ける代わりに混乱させてしまうことになる。

 

*あなたの言葉からは、各人にはそれぞれの愛する能力があり、全員が他者のために同じことができるわけではない、というふうに理解しますが、本当に隣人を愛したいと思った場合に、人が最初にしなければならないことは何でしょうか?

第一歩は、自分自身のエゴを認め、他の人に対してエゴ的に振舞うことを避けようと強く決意することだ。この経緯をなくしては、もっと進歩した段階へと上れない。自己の内面を掘り下げ、エゴ的な部分を認識しようと努める者はめったにいない。そのため、道程の最初の箇所で行き詰ってしまい、それ以上は一歩として進んで行けないのだ。

 

必要とされる霊的な援助を受けながら、正しいやり方で、他者を助ける役目を開始する人たちは存在する。だが、往々にしてその人たちは、その立場が心地よいので、授けられるもので満足せずにもっと貰いたがり、自分の能力以上のものを欲しがるのだ。

しかし、内面の能力とは、一朝一夕に向上するものではない。大変な努力と長い進化の時間を要し、多くの転生でたゆみなく、エゴを排除して愛の感情を発展させていくことが求められる。だが、このような個々の努力を多くの人が避けたがる。皆、魔法によって、杖で触られるだけで、天才的な力を持った魔法使いにしてほしいのだ。そして愛だけで自分を満たすことをやめ、他者の称賛や感嘆を求め、野心を持ち、願望が現実だと信じ込むようになる。

そうなると自らのエゴによって、エゴが招いている思考を霊的なガイドからのメッセージだと勘違いし、人の注目を浴びたいがためにしていることを、他者への奉仕だと思い込むに至る。霊的に進化することはどうでもよくなり、そう見せかけるだけになる。

この危険性を、よく認識できている人もいるが、エゴはとても巧妙かつ示唆的に、我々を言いくるめるものである。そのことをよく自覚していないと、霊的に進歩していると思っても、実際には自分のエゴを増長させているだけになる。隣人愛を育む上で、特に邪魔になるエゴの形態があるので、それと闘わないでいると、隣人への愛の試みを、隣人を利用する試みに置き換えてしまうことになる。