済生会横浜市南部病院の研修医、木川智博さん(28)(横浜市港南区)が、電車内で突然倒れ、心肺停止状態に陥った60歳代男性の命を迅速な処置で救った。
バタン――。横浜市のJR京浜東北線関内―石川町駅間を走行中の電車内。大雪に見舞われた1月14日午後5時半頃、イスに座っていた60歳代男性が正面から床に倒れた。
木川さんは「倒れ方が危険だ」と思い、声をかけたが、返事がない。手首に触れると脈がない状態だった。乗客が非常停止ボタンを押し、電車が停止した。木川さんは男性をあおむけに寝かせた。
携帯電話で119番したが、つながらない。雪の影響で通報が相次ぎ、つながりにくくなっていた。他の乗客に「誰か、119番をかけ続けて下さい」と呼びかけた。車掌から自動体外式除細動器(AED)が電車内にないことを告げられ、「電車を動かして下さい」と頼んだ。
倒れて約5分後、石川町駅に到着。駅員が持ってきたAEDで男性に電気ショックを与えた。汗があると電気が分散してしまう。周囲の乗客が貸してくれたタオルで男性の体を拭いた。2度目の電気ショック。呼吸が戻った。「やった」。周囲の人たちから声が上がった。男性を搬送する救急車に同乗し、市内の病院まで付き添った。
男性は心筋梗塞と診断され入院し、6日に無事退院した という。JR東日本は7日、木川さんに感謝状を贈った。