心臓トラブルの8割超-心室細動から命を救え
心室細動で、42歳の若さで亡くなった吉本興業所属の人気タレント、亀山房代さん ■とっさの時、誰でも… AED習得が重要
先月23日、タレントの亀山房代さんが42歳の若さで死去した。死因は「心室細動(しんしつさいどう)」。
全国で年間6万人近くが心臓トラブルで救急搬送されているが、その大半が心室細動とみられる。心室の筋肉の規則的な収縮が失われてけいれんし、血液を送るポンプ機能が失われる。発作から10分余で死に至るこの症状にはAED(自動体外式除細動器)が有効とされるが、専門家は「利用が十分進まず、まだまだ救われていない命がある」と訴える。
◆10秒前後で意識失い…
芸能リポーターの前田忠明さん(68)は平成4年、自宅で突然激しい胸の痛みに襲われて倒れた。近所の大学病院に運ばれた途端、心室細動で意識を失った。しかし、専門医の胸骨圧迫や電気ショックによる治療で、一命を取りとめた。前田さんは「数分遅かったら今ごろは生きていないのでは」と振り返る。
早稲田大学理工学術院の笠貫(かさぬき)宏教授(循環器内科学)は「脳に酸素が行かなくなって10秒前後で意識を失い、適切な対処がなければ数分で脳が回復不能になり、10分あまりで死に至る」と、心室細動の恐ろしさを説明する。突然発症するほか、急性心筋梗塞(こうそく)や心筋症、中高年の男性が突然死する“ぽっくり病”として知られる「ブルガダ症候群」などによっても起こる。ストレスも原因の一つという。
消防庁によると、心臓が原因で心肺機能が停止した救急搬送例は平成19年に全国で5万9001件に上る。「このうち8~9割が心室細動とみられる」(笠貫教授)。働き盛りの40代から増え、高齢になるほど多くなる。しかし、子供でも野球のボールが胸に当たったショックによる「心臓震蕩(しんとう)」などで起こることもあるという。14年11月には高円宮憲仁親王殿下がスカッシュ中に倒れ、47歳で亡くなった。心室細動だった。
心室細動に有効とされるのが、公共施設などに設置が進むAEDによる電気ショックだ。AEDは16年7月から市民も使えるようになり、関係者によると国内では今秋までに30万台近くが普及しているという。
AEDとは、Automated External Defibrillator:自動体外式除細動器の略で、一般市民が電気ショックを行うことができるようにつくられた医療機器です。
AED寄贈サイト
http://aedkizo.com