つぼみ | 詩人 黒田誉喜  Blog from globe

つぼみ



「 つぼみ 」       



ぼくの にぎりこぶしは つぼみ みたいだ。

手をひらいたら 

にぎっているはずの

大切にちがいないはずの なにかが

とうめいになってしまいそうで

ぼくの にぎりこぶしは つぼみのまま。


なにか 大切に ちがいないはずの なにかを にぎりしめているはずなんだ。


ほんとうは 


つぼみを ひらいて 

みたこともない うつくしい花のような なにかを

みんなにも みせてあげたいんだけど

なくすのが こわくって 

ひらけないんだ。


にぎりこぶしを 

もう ひとつの手で

ぎゅうっと胸にかくして

だれにも とられないように

ダンボールみたいに

からだをまるめて

ちいさな秘密基地のかたすみ。



守れば守るほど

不安になることにも

気がつかないで


ただぎゅうっと。

ただぎゅうっと。


ぼくは


ぼくは

いつまでも 


いつまでも

つぼみのまま。




 







黒田誉喜