私には、とても可愛がってくれる男友達がいる。

彼について少し書いてみようと思う。



彼とは、リゾートバイトの職場で知り合った。

早いもので気が付くと10年近い仲になる。


当時、彼にも彼女がいたし、私にも付き合っていた彼氏がいた。

私の彼氏も同じリゾートで働いていた。


リゾートバイト中に付き合っていた彼氏と別れることとなったが、

住み込みのバイトだった為、その後も嫌でも一緒の職場で

働かなければいけなかった。

リゾートという隔離された狭い環境。

恋愛沙汰の噂は、驚くほど あっという間に広る。

そしてある事ない事が、尾ひれをつけて広がっていった。


その噂が、とても辛かった。

本当は、バイトなんて辞めて逃げ出したかった。

夜中に閉館した暗い客用のトイレで、何度も一人泣いた。

そんなことに負けたくなかったから

どんなに辛くても皆の前で弱い自分は見せなかった。


そんな時、社員だった彼といつの間にか友達として仲良くなっていた。

あまり接点が無かったのに何故仲良くなったのかは覚えていない。

気が付いたら仲良くなっていたという感じだった。


失恋し、傷ついてた私は、この狭く息苦しい空間が辛くて

仕事が終わると少しでも外に出たかった。


毎日、 『どっか行こうよ。』

という私に彼は何も聞かずに、色んなところに連れ出してくれた。

それが、とても楽しかった。

温泉に行きたいと言えば連れてってくれたし、

あれが食べたいといえば連れてってくれた。


時には、酔って未練タラタラの私の言動に、

お前は、つまらん!

そう一括して本気で叱ってくれたりもした。

だけど、別れた理由は、1度も聞かれたことはない。


彼のお陰で私は、とても心が癒され、救われたように思う。

彼には、他の男友達とは違う安心感があり、

とてもよくしてくれる兄の様な存在だった。

私の嫌な部分もワガママな部分も彼氏以上に受け入れてくれる存在の様に思う。


当時を振り返ると今でも彼には、本当に感謝している。


そこに存在していたのは、恋愛対象でない愛情 だと思っていた。






つづく