二十四節季 雨水
雪が雨へと変わり、氷が解け始める頃が雨水です。ただ、季節風や海流、地理的な要因で大雪が降ることも多いのが実情です。とはいえ、平均気温は徐々にではありますが、上昇し、昔から農業の準備を始める目安とされてきました。
ちなみに花や木に養分をあたえるこの時季の雨のことを養花雨(ようかう)と呼びますが、この時季から春先にかけて降る雨には同様の意味で、甘雨(かんう)・慈雨(じう)催花雨(さいかう)などさまざまな呼び方があり、いかに昔の人たちが植物を愛し、花が咲き誇る春を心待ちにしていたかがわかります。
また、3月3日は桃の節句です。本来は旧暦3月3日に催されていた雛祭りですが、現在はほとんどの地域で新暦の同日に催されます。雛祭りは、江戸時代に全国で一般的なものになり、現在では100段を超える巨大な雛段に数多くの雛人形を飾る徳島県勝浦町のビッグ雛祭りをはじめ、各地で特色のあるものとなっています。いかにも華やかで、寒さの中にも張るらしさを感じられる季節なのです。
