数々の画期的な発明(炊飯器の自動保温機能や自動ドア、エレキギターの原型など)を生み出した政木和三博士。彼が実践し、提唱していた呼吸法は、一言で言うと**「脳波をシータ波にするための超・長息呼吸法」**です。


​博士は、人間の脳波がリラックスとひらめきの極致である「シータ波」(深い瞑想状態や、睡眠に入る直前のまどろみの状態)にあるとき、潜在能力が全開になり、素晴らしい発明のアイデアが次々と向こうから降りてくると語っていました。その状態を自力で意図的に作り出すために行っていたのが、この独自の呼吸法です。


​具体的な特徴とやり方は以下の通りです。


​1. 極限まで「細く、長く」吐き出す


​政木式呼吸法の最大のポイントは、息を吐く時間の長さにあります。



  • 超スローペース: 吸う・吐くの1サイクルに約30秒から1分をかけます。つまり、1分間にわずか1〜2回しか呼吸をしないという、常人離れした超スローペースです。

  • 細く長く: 丹田(へその下あたり)を意識し、お腹をへこませながら、口から糸を引くように細く、長ーーく息を吐ききります。体の中の余計なエネルギーをすべて出し切るイメージです。


​2. 吸うときは自然の力に任せる



  • ​限界まで息を吐ききったら、そこでお腹の力をパッと緩めます。

  • ​意識して吸おうとしなくても、体の復元力によって自然と鼻から空気が肺に入ってきます。吸うときは自分の意志でコントロールせず、自然の摂理に任せるのが博士流です。


​3. 「欲」を捨てて無心・感謝になる


​呼吸中の心の持ち方も、博士は非常に重視していました。



  • 「今」に集中する: 呼吸をしている瞬間は、過去の悔いや未来の不安、あるいは「成功したい」といったエゴ(欲)を一切捨て去り、頭の中を空っぽにします。

  • 感謝の心境: 博士は、この呼吸をしながら心の中で「ありがとうございます」と感謝の念を唱えることを勧めていました。精神が完全に安定し、脳がクリアになります。


  • 精神エネルギーとひらめき


    政木博士は「この呼吸法によって脳波がシータ波に下がると、自分の肉体という枠を超えて宇宙のバカ細胞(全知全能のネットワーク)とつながる」と表現していました。実際、博士が数々の素晴らしい発明をした際は、机に向かってうなるのではなく、このリラックスした状態のときに、一瞬にして完成された図面が頭の中にカチッと浮かび上がってきたそうです。





    ​現代で言うマインドフルネスやディープワークの究極系とも言えるアプローチですね。最初から1分間に1回は難しいので、まずは「普段の倍の時間をかけて、細く長く吐き出す」ことから試してみるのが現実的で効果的です。