プロジェクト・セルポ:極秘人間交換計画
​エベン(Eben)たちと科学について語り合うのは困難を極めた。アインシュタインをどう説明すればいいのか? 彼らは自国のアインシュタインをどう説明するのか? 我々の科学を彼らに伝えるのには非常に苦労した。しかし、彼らは我々よりもずっと早く、こちらの物理学や化学を理解したようだった。
​我々は彼らの技術について、いくつか奇妙な点を観察することができた。まず、彼らが我々のベルトに取り付けた「ロケーター(発信機)」の一つを分解してみた。それは簡単な作業ではなかった。それを固定しているネジもボルトも存在しなかったからだ。結局、その装置を壊して中を見るしかなかった。
​内部の電子回路は、我々がこれまでに目にしたことのないものだった。トランジスタ、真空管、整流器、コイルといった、我々の技術にあるような電子部品は一切使われていなかった。そこにあるのはただの「ワイヤー」と、そのワイヤーの特定の箇所にあるいくつかの「膨らみ」だけだった。
​そこには、我々の誰も見たことがない2つのコンポーネント(部品)があった。それらが送受信している周波数を特定しようとしたが、我々の周波数カウンターは役に立たなかった。範囲外だったのだ。633番と661番(※隊員番号)が別の装置を使って解析を試みたが、やはり理解できなかった。
​我々は「Ebe 4」と呼んでいたエベン側の科学者に尋ねた。問題は翻訳だった。Ebe 4は英語を話せなかったため、Ebe 2が通訳しなければならなかった。Ebe 2の英語はかなり堪能だったが、それでも翻訳の過程で多くの意味が失われてしまった。
​我々はEbe 4に、こちらが持ち込んだポータブルラジオの一つを見せた。モトローラ社製のFMラジオは、当時の我々にとってはかなり複雑なもので、4つのチャンネルを備えた最新式だった。661番がEbe 4の前でそのラジオを分解し、各パーツや周波数に使用している水晶(クリスタル)について説明した。しかし、Ebe 4はそれを理解できなかった。彼は我々の技術を前に、完全に途方に暮れている様子だった。