神社には「本宮」「奥宮」「摂社」「末社」など、複数の社殿がある場合が多く、それぞれに意味や役割があります。以下に詳しく解説します。



1. 本宮(ほんぐう/ほんみや)

意味:その神社の中心となる社殿。主祭神が祀られている場所。

役割:参拝者がまずお参りする基本の場所。神社の「本体」といえる。

例:

出雲大社の「本殿」=大国主大神を祀る中心。

伊勢神宮の「内宮 正宮」=天照大神を祀る場所。



2. 奥宮(おくみや/おくのみや)

意味:本宮よりさらに奥にある社殿。多くは山頂・岩場・洞窟など「神が降臨した場所」や「原初の祭祀地」に建てられる。

役割:神秘性・聖地性が強く、修験道や古代信仰(山岳信仰・磐座信仰)と結びつくことが多い。

特徴:一般的には参拝がやや難しい場所にある。修行や特別参拝の対象。

例:

富士山本宮浅間大社の「奥宮」=富士山頂に鎮座。

熊野本宮大社の「奥宮」=神倉神社(ゴトビキ岩)や大斎原の地。

出羽三山の「月山神社本宮」=月山山頂に鎮座。



3. 摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)

意味:本宮の神様と縁のある神や、地域の神々を祀る小社。

違い:

摂社=本宮の祭神と特に縁が深い神を祀る。

末社=縁はあるが、摂社ほど重要ではない神を祀る。

例:

春日大社の摂社に「若宮神社」

明治神宮の摂社に「北池の稲荷神社」など



4. 本宮と奥宮の違いをまとめると

本宮:その神社の中心。アクセスしやすく、一般参拝の場。

奥宮:原初の聖地や神秘の場。山岳や岩場に多い。より修行的・特別な参拝対象。



✅ 具体例でイメージすると、

箱根神社:本殿は芦ノ湖湖畔、奥宮は駒ヶ岳山頂。

富士山本宮浅間大社:本殿は富士宮市街、奥宮は富士山頂。


つまり、本宮=日常的に参拝できる場、奥宮=神と直接つながる聖なる原点というイメージです。