福岡県内に伝わる 神功皇后(じんぐうこうごう)伝説 を、可能な限り史書(『日本書紀』『古事記』)や各地の社伝に基づき、時系列に整理し、さらに 5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように) の観点でまとめます。



■ 福岡県における神功皇后伝説の時系列



1. 新羅出兵の前夜(3世紀頃と伝承)

When(いつ):仲哀天皇崩御後(3世紀初頭とされるが諸説あり)

Where(どこで):筑紫国(現在の福岡県福岡市周辺・香椎宮)

Who(誰が):神功皇后、仲哀天皇、武内宿禰

What(何を):仲哀天皇が香椎宮で崩御、神功皇后が託宣を受ける。

Why(なぜ):天照大神・住吉三神の神託によって、新羅遠征を決意。

How(どのように):香椎宮で戦勝祈願を行い、住吉神を勧請。



2. 装備と軍勢の準備

When:出兵直前

Where:宇美町(宇美八幡宮周辺)、博多湾沿岸

Who:神功皇后と大和・筑紫の兵

What:出産を控えていた皇后が石を腹帯にして妊娠を抑えたと伝承。

Why:新羅遠征のため、出産を後回しにする必要があった。

How:宇美八幡宮では「産み(宇美)」の名が伝承し、安産祈願の地として崇敬される。



3. 新羅への出兵

When:神功皇后の懐妊中

Where:玄界灘から朝鮮半島へ

Who:神功皇后、武内宿禰、住吉三神の加護

What:船団を率い、新羅へ出兵。伝承では無血で新羅が服従したとされる。

Why:神託に従い、海外からの貢を受け日本を豊かにするため。

How:住吉三神の導きで安全に渡航できたとされ、博多・宗像の海神が信仰対象に。



4. 凱旋と応神天皇の誕生

When:新羅遠征からの帰国後

Where:筑前宇美町、筑紫の地

Who:神功皇后、応神天皇(胎中天皇)

What:帰国後、皇子(後の応神天皇)を出産。

Why:石を腹に巻いていたことから「御子が無事に生まれたのは神の加護」と伝わる。

How:宇美八幡宮に「産湯の水」「胞衣塚」などが残り、出産地として伝承。



5. 九州各地の神社創建と祭祀

When:帰国後~晩年

Where:筑前・筑後各地

香椎宮(福岡市東区)

宗像大社(宗像市、航海守護)

筥崎宮(福岡市東区、勝運の神)

宇美八幡宮(宇美町、安産祈願)

岡湊神社(遠賀郡芦屋町、凱旋の地)

枝光八幡宮(北九州市、休息地伝承)

Who:神功皇后、応神天皇を祀る人々

What:各地に社を創建または勧請し、功績を祀る。

Why:皇后の事績を後世に伝え、地域の守護神として祀るため。

How:神功皇后=「海を渡った女帝」として信仰対象化され、八幡神信仰の基盤を形成。



■ まとめ(5W1Hによる整理)


時期 Where(場所) Who(人物) What(出来事) Why(理由) How(方法)

出兵前 香椎宮(福岡市) 神功皇后、仲哀天皇 神託を受ける 新羅征討の命 神に祈願

出兵準備 宇美八幡宮(糟屋郡宇美町) 神功皇后 出産を抑える 遠征を優先 腹帯に石

出兵 玄界灘→新羅 神功皇后、武内宿禰 新羅征討 神託に従う 住吉神の加護

凱旋後 宇美八幡宮 神功皇后、応神天皇 応神誕生 神の加護を示す 出産儀礼

晩年 福岡各地 皇后と民衆 社創建 後世に伝承 祭祀として定着