ある先輩経営者の方とお話したときの内容です。
優しく微笑みながら、「信頼と時間はお金では買えないよ」
良い年齢の重ね方をされたであろう、笑顔の素敵な経営者様です。
「小さな積み重ねが信頼となり、いずれそれは大きな信頼となり、何かをなすときに大きな協力を得られる」、と。
積み上げた信頼が崩れるのは簡単ですが、積み上げることは非常に時間のかかることです。
一足飛びにその関係を作ることは出来ません。
先日、その会社の営業マンが、あるお客様に商品について聞かれたそうです。
今まで取れていた商品が取れなくなる、代わりのものを提案してほしい、と。
廃版商品の問屋さんからは「なくなる」報告だけで、代替提案がなかったのです。
その営業マンは知りうる限りの情報を集めてメリット、デメリットをあげて数パターン提案したそうです。
お客様からひとこと「○○さん、あなたならどれにする？」
商品とその理由をあげたそうです。
「では、それを10セット下さい。」
いつもなら商品サンプルと資料をご用意して、打合せ、御見積書提出後のご発注です。
時間がなかったこともあり、電話だけで会うこともなく、注文を頂いたとのことでした。
そのセールスマンは小さな問い合わせにもまめに、そして短納期でレスポンスを返す方でした。
時間の掛かりそうな案件にはその旨を一報するそうです。
その場で実績になりそうにないことでも真摯に対応していたそうです。
その積み重ねがこのような「信頼」を得る、と。
媒体に多くの広告宣伝費を投じ、あるいは商品のブランディングに経費をかけたり、接待や値引き、添付サービスをしてもこのような関係は築けない、と。
お客様からの「信頼」、彼にとって一番の財産です。
「お客様は一つ一つの対応を見ています」、と、先輩社長はニッコリ。
背筋が伸びました。
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