人生の質
新年の余暇に思うこと
我々の人生は、幼少期から家庭で受けた自然な教育が長いあいだ影響を与え続ける。
子供から大人へ向かう途中、やがて、今まで家庭が果たしてきた役目は、もっと人為的な学校教育と、友人との付き合いにバトンタッチされて、人格はそこから強い影響を受けながら更に形を成していく。
老若男女問わず、日頃付き合っている仲間の影響は大きい。特に若い人、子供ほど、まだ自制心が不安定な時期で良きも悪しきも影響を受ける。
身体は、肉や野菜から栄養をとり成長して行く。
心、精神も同じように周りの人の話しや行動から無意識のうちに、良くも悪くも栄養をとっている。
人間は、生まれながらに真似をするようにできていて、程度の差はあれど他人の所作、言動に影響されるものである。
真似(まね)をする行為を模倣(もほう)と言うが、ほとんど無意識のうちになされていると言われ、人格にも影響する。
人格が変わるとすると、感じやすい人が印象的な人物に出会い関わった時だけであると言われる。
印象的な人が手本で絶えず働きかければ、感受性や物の考え方、習慣などが確実に変わっていくのである。
例えば、長年連れ添った老夫婦、同じ屋根の下で暮らした者同士は、いつの間にか似てくると言う変化はうなづけ、置かれた環境が人格の形成に大きく関与すると言うことである。
環境と習慣
良い人格は良い環境に投じてこそ築かれるはずだが、その環境下で余りにも真似を習慣化しすぎると、個性が育みにくくなると言う背反もある。
一つの方向に固まり過ぎると、視野が狭くなり秩序が失われがちになる。
これは、自分の好むことしかやらず他を受け入れ辛くなると言うことで、対策として道徳的な教育が必要になる。
文武などの知識やスキル以外の言動、立居振る舞いの人としてのリスペクト精神の部分、両方が備わっての人生の質である。
若い頃は、ガムシャラに一つの事に投身し極めるのは当たり前とし、道徳感も養って行くこと。
そこを支援して人生の質を上げて行くのが大人の役目である。
陽はまた昇り、陽また沈むこの繰り返しの質が人生である。