今現在、俺はアダルトチルドレンではないし、毒親から受けた大量の抑圧に悪影響を受けてはいない。アダルトチルドレンだった時、常に自分を否定し(自分を信じたくてもドス黒い感情がそうは許さなかった)、不安や恐怖感や居心地の悪さ、生きづらさで何をしていなくても苦しい思いをしていた。

そこから考えると、抑圧された悪い感情の量で、生きづらさというものは決まるものだとつくづく実感している。

 

今はとても自由で、親への憎しみもない。アダルトチルドレンで生きづらかったときは、親を憎み、何でも親のせいにしていて自分を保っていたと思う。たしかに親のせいだったし、憎くてたまらなかったが、自分の人生でもある。

 

自分の過去は決して消えないし、親から受けた仕打ちは消えてくれない。しかし、記憶の解釈、抑圧された感情を変えたり、解消することはできる。事実は事実として受け入れ、あとはそこに悪い影響を受けない生き方をするしかない。それが一番の親への復讐だったりする。

 

アダルトチルドレンや毒親後遺症の人は、その過去を無視して今も未来も生きることはできない。意識的に考えないようにしても潜在意識では常に悪い記憶が渦巻いている。どす黒いドロドロとした鬱屈した感情が常に生きづらさを強いてくる。

 

それを解消するには、まず理性を外す必要があった。理性は日常生活をつつがなく生きるために必要だが、潜在意識までコントロールできない。だから潜在意識のわるい情報を表に出して、感情的な処理をしていった。

 

このブログで紹介してる岩波英知先生の技術(脳覚醒技術という)は、文字通り潜在意識の一番深い感情のレベルを、過去の小さい時の記憶にまでさかのぼって感情的処理ができる。理性に邪魔されない『生身100%の自分』に意識が到達できる。潜在意識の深海に潜っていける。それを一瞬で誘導できる技術がある。

 

そして脳覚醒トランス状態に入ると、更に次はもっと深く感情の深海へと潜っていける。そこで俺は自分の幼児期からの人生の流れをはっきりわかった。なぜ悩んだのか、アダルトチルドレンとなり神経症となり抑うつ状態がひどくなり、自己嫌悪と不安の塊の人生になってしまったのか悟ることができた。

 

それは考えて達観に至ったのではなく、直感が直感を呼び悟れたと言っていい。それは腹にストンと落ちる体験だった。そして文字通り浄化体験へとつながった。悲しく嬉しく清々しく重苦しく、様々な感情が到来したが、悩み続けて解決もできなかったこんがらがった感情が時ほぐれていってくれた。

 

アダルトチルドレンには原因がある。それは毒親だったり機能不全家族だったり、毒親じゃなくても親の狭い了見で抑圧を受けて育てられたり、余裕のない親と一緒にずっと暮らしてきたら、アダルトチルドレンになっていくのはわかっている。しかし、いくら知識としてわかっても、感情でわからなければ意味がない。それは理性を外れたときにしか不可能なことだ。

 

理性が外れた時、悪い昔の記憶や抑圧され続けた感情に直面してしまうが、それが浄化される深い意識の領域がある。そこに誘導してくれたのが岩波英知先生だった。その深さでは岩波先生には誰もかなわないだろう。一瞬でそこに至ってしまう奇跡的な体験だった。理性は自分を保ってくれるものだが、理性を外さないと本当の自分をコントロールできない。

 

アダルトチルドレンの人が生きづらさを克服するためには、自分を保っている理性を外していく必要があると思う。理性では自分の悪い感情を抑え込むことは結局のところ、できていないのだ(だからアダルトチルドレンとして苦しむ)。ずっと積もり積もった悪い感情的抑圧を解消していく必要性がある。

 

それをしないと、老人になるまでずっと今の生きづらさは変わらないと思う。親を憎み続け、自分もその憎しみの炎で焼いてしまう。親を憎むことでなんとか自分を保っていられる矛盾した状況になってしまう。結局親の影響下から逃れられていないのだ。それが一番自分にとってダメージでもある。

 

親とは一緒にすまなくても、精神的な影響力に置かれているのは今後20年経っても変わらないだろう。それぐらい子供時代から刻み込まれた悪い情報は消えてくれないのだ。それはいつも潜在意識に渦まいている。