【der-materialspezialist Firestorm -Green Storm Edition-】
〈表ソフトラバー〉
緑 1.5mm
サイズ 縦169.5mm×横169.5mm
パッケージ開封前 78.7g
全開封後 51.1g
カット後重量 38.4g (縦162mm×横160mm)
 ※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.751 (38.4g÷51.1g)

〈シート厚〉
ベース 0.3mm程
粒の高さ 1.0mm程
トータル 1.3mm程

〈スポンジ厚〉
1.5mm程

〈シート+スポンジ厚〉
1.3mm+1.5mm=2.8mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.0mm程
粒直径 2.1mm程
アスペクト比 0.476程
台形

〈粒間隔〉
縦 3.354mm程
横 1.0mm程
斜め 1.048mm程
合計値 5.402mm程 (低め)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
なし

〈der-materialspezialist公式の性能数値〉
テンポ 112
コントロール 89
効果 82
適性 Allround+ / Offensiv
硬度(スポンジ部分の硬度…?) Medium/Hart


(フリースペース①)
欧州の卓球メーカー。
der-materialspezialistから発売している表ソフトラバー。

粒は短めのショートピンプル。
粒配列は横目。
粒形状は台形。
粒表面の布目は無し。
粒直径はかなり大きい。
粒間隔の合計値は低めで、粒間隔はかなり狭め。

緑色のFirestormのシートに明るい緑色のスポンジを組み合わせたラバー。
ITTF登録番号はFirestormと同じ118-027。
シート単体の性能は赤や黒のシートとほぼ同じとの事。

また、OXの規格も取り扱っている。

(この記事では1.5mmのスポンジを組み合わせた物を用いての検証結果を記載。)


①シート硬度及び粒硬度 9 (かなり硬い)
シート処方はかなり硬いと思いました。

②スポンジ硬度 8 (硬め)
スポンジ硬度らしき表記の部分にはMedium/Hartと書いておりますが、大分硬さを感じる。
TSP基準日本硬度に換算すると49°くらいに感じる硬度。
細かい気泡のあるミントグリーンスポンジ。
同社のFirestormに採用されているピンクスポンジとは異なるスポンジを組み合わせている。
スポンジ硬度はこちらのほうが僅かに硬さが抑えられている印象の為、スポンジ硬度の体感数値と硬度補正値をFirestormよりも0.5度下げている。

細かい気泡がある為か、指で触った時や打球時のボールのめり込み具合からは48°くらいの硬度に感じ、実際の硬度よりも僅かに低く感じますが、それでも昨今のショートピンプルの表ソフトラバーに用いるスポンジとしては随分硬さを感じる。

③シート+スポンジ硬度 8.5 (硬い)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
シートはかなり硬く、スポンジも硬めである為か、全体硬度や打球感は硬いと感じました。

④粒の曲がりやすさ 1 (かなり曲がりにくい)
粒直径はかなり大きく、シート硬度もかなり硬くて粒間隔はかなり狭め。台形形状の粒はかなり曲がりにくくなっている。

⑤シート+スポンジ重量 6 (少し重め)
1.5mm程のスポンジ入りでの測定。
少し重めの数値が出ました。
 
⑥難易度 7.5+α (中間基準)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はかなり硬い。
◆スポンジ硬度は硬め。
◆全体硬度や打球感は硬い。
◆粒表面に布目が無い。
◆粒間隔はかなり狭め。
◆弾みはショートピンプルの表ソフトとしては中々弾みが強めで、飛距離の伸びも中々出やすい。
◆ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
◆最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトの中でも高め。
◆自分から回転を起こす際の回転発生の成功率はやや高め。
◆弾道はかなり弧線弾道気味になりやすく、弧線は作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
◆ボールの球離れは早い。
◆ボールの引っかかりは良く、ボールの不可解な滑り落ちが発生しやすいタイプではない。
【防御特性 −1】表ソフトラバーとしては、相手の回転の影響は少し受けやすい。
◆ラバーの重量が少し重め。

等の特徴があると思います。


ショートピンプルの表ソフトとしては弾みは中々強めで、飛距離も中々伸びが出やすい。
ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
しかし、元々の弾力は中々強めな為、減速が効かなかった時のオーバーミスには注意。
ボールの軌道のブレは少し生じにくく、軌道のコントロールは良好。

弾道はかなり弧線弾道気味になりやすく、ショートピンプルの表ソフトとしては高弾道性の強さはかなり強め。また、弧線も作りやすい。
ボールの引っかかりの良さが現れる為か、表ソフトラバーとしては自分から強く回転をかけた際の最大回転量は高めですが、相手の回転の影響は少し受けやすい。
シート表面の布目を無くして引っかかりを抑えようとする事を狙いにしているのかもしれませんが、シート自体の摩擦力は良く、台形形状の粒は、エネルギーロスが少ない感じがする為か、ボールの回転を捕らえてしまいやすいと思う。(代わりに、自分から強く回転をかけた際の最大回転量は高めとなる利点はある。)

あとは球離れが早いのと、ラバーの全体硬度や打球感の硬さやラバー重量の重さも特徴的。
この球離れの早さと、ラバーの全体硬度と打球感の硬さは好みと相性が分かれやすい。
また、ラバー重量は1.5mm程のスポンジ入りでも少し重め。
Firestormよりはラバー重量が抑えられてはいるものの、1番薄い1.5mm程のスポンジを組み合わせても少し重めである為、ラバーの重量過多も気にかかる部分でありますし、スポンジを1番薄くしても軽量化は望めない。
また、球離れの早さもFirestormよりは僅かに抑えられてはおりますが、それでも球離れは早いか。

このラバーを使いこなすには
相手の回転に負けずにボールの弾みや飛距離の伸びを制御する事や、球離れの早さやラバーの重さへの対応が必要になりやすく、
中々強めな弾力バランスや、球離れの早さや、ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さにどれだけ適応出来るかどうかも重要になってくると思いますが、
ラバーのボールの軌道のコントロールは良好。
ボールコントロール難度は中間基準くらいだと思いましたので、
難易度の評点はFirestormと同じ7.5+αにしました。


(フリースペース②)
ボールの球質や変化に関しては
【変化の強さ 8】
ただボールを当てるだけだと相手の回転はほんの少し残ってくれる事が多い。
変化は表ソフトラバーとしてはほんの少し強め。
ナックル気味の球は少し出しにくい。

自分から回転を作る際の回転発生の成功率はやや高め。
最大回転量の高さはショートピンプルの表ソフトの中では高め。

球離れが早い為、ボールの設置時間の猶予は短いですが、絶望的な程球離れが早過ぎるわけではなく、一瞬ですがボールが引っかかる猶予がある。
その為、球離れの早さのある表ソフトの中では回転は作りやすくなっており、表ソフト全体で見ても回転発生の成功率はやや高めくらいに収まる。

回転発生を成功させるインパクトを最低限確保出来れば、そこからは使い手側のインパクトの強さに比例して素直に回転量も伸びてはくれるタイプのラバーだとは思います。
しかし、強い回転を作るには、球離れの早さに負けない強いインパクトが必要になる。
強いインパクトを起こせるとショートピンプルの表ソフトとしては高めの回転量に達する。

また、Firestorm -Green Storm Edition-のブログ内での変化の強さの数値は6.5。変化は表ソフトラバーとしては少し弱めと評価している。


(フリースペース③)
ラバーの弾みや飛距離の伸びに関して、
スピード値は
Firestorm→108
Firestorm Soft→105
Firestorm -Green Storm Edition-→112

となっておりますが、
Firestorm -Green Storm Edition-は何故かFirestorm Softよりも弾みがほんの少し弱くなっている。
また、Firestorm Softが最もスピードが出る為、Firestorm Softの性能数値と実際の弾力にズレを感じる。
Firestormよりはほんの少し弾みは強く、飛距離の伸びの出やすさは少し強くなっている。
また、Firestorm -Green Storm Editionのシート単体の弾みはFirestorm(1.5mm)と同じくらいで、飛距離の伸びの出やすさはFirestorm(1.5mm)よりも少し下がる。
その為、
Firestorm -Green Storm Editionはミントグリーンスポンジを組み合わせる事で、弾みの強さがほんの少し上昇、飛距離の伸びの出やすさがやや上昇すると判断。


(フリースペース④)
Firestorm -Green Storm Edition-【1.5mm】のラバー全体の構成や性能はFirestorm【1.5mm】とかなり近い物となっている。

シートの性能は同一であるとは思いますが、Firestorm -Green Storm Edition-に組み合わさっているミントグリーンスポンジのほうがFirestormのピンクスポンジよりも0.5度程、スポンジ硬度が下がっている為、性能には微妙な変化が現れてはおりますが、総合的な使用感はFirestormとかなり近い。

スポンジ硬度はFirestormより僅かに低下。
回転発生成功率はFirestormよりほんの少し上昇。
ボールの設置時間の猶予の短さはFirestorm -Green Storm Edition-のほうが僅かに抑えられている。
ラバーの高弾道性はFirestormよりほんの少し上昇。
弾みの強さがほんの少し上昇、飛距離の伸びの出やすさが少し上昇。
スポンジ重量がFirestorm程重くはない。(しかし、Firestorm -Green Storm Edition-のスポンジも重ため)

ラバーのボールコントロール難度はFirestormと同じ7.5+α(中間基準)に設定。
ボールコントロール難度はFirestormと同じくらいだとは思いますが、総合的に見ればFirestorm -Green Storm Edition-のほうが僅かにボールコントロール難度は下がるかもと判断。


(簡易まとめ)
der-materialspezialistから発売された
ショートピンプルの表ソフトラバー。

粒配列は横目。
粒形状は台形。
粒表面の布目は無く、粒直径はかなり大きく、粒間隔はかなり狭め。
シート及び粒硬度はかなり硬い。
スポンジ硬度は硬め。
全体硬度や打球感は硬い。
粒はかなり曲がりにくい。

緑色のFirestormのシートにミントグリーンスポンジを組み合わせたラバー。
シート単体の性能は赤や黒のシートとほぼ同じとの事。
ミントグリーンスポンジはFirestormのピンクスポンジとかなり近い、硬めのスポンジである。

その為、
同社のFirestormと同様、
ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さやスピード数値の高さが特徴的な表ソフトラバーとなっている。

弾みの強さはショートピンプルの表ソフトラバーとしては中々強めで、飛距離の伸びも中々出やすい。
ボールの減速は効きやす過ぎず効きにく過ぎず。
しかし、元々の弾力は中々強めな為、減速が効かなかった時のオーバーミスには注意。

ラバーの全体硬度の硬さの影響が現れる為か、
球離れは早く、ボールの設置時間の猶予は短く、ラバーの重量も少し重め。
しかし、球離れが早いわりには回転はそれ程作りにくくはなってはおらず、回転発生の成功率はやや高め。回転発生を成功させるインパクトを最低限確保出来れば、そこからは使い手側のインパクトの強さに比例して素直に回転量も伸びてくれる。
強い回転を作るには強いインパクトが必要にはなりますが、強いインパクトを起こせれば、表ソフトラバーとしては高めの最大回転量を作れる見込みがあり。
表ソフトラバーとしては、相手の回転の影響は少し受けやすい
シート表面の布目を無くして引っかかりを抑えようとする事を狙いにしているのかもしれませんが、シート自体の摩擦力は良く、台形形状の粒のエネルギーロスが少ない感じがする為か、ボールの回転を捕らえてしまいやすい面もある。

また、ボールの軌道のブレは少し生じにくく、軌道のコントロールは良好。
ショートピンプルの表ソフトとしては高弾道性の強さはかなり強めで、弧線も作りやすい。

ボールの球質や変化に関しては
変化は表ソフトラバーとしてはほんの少し強め。
ナックル気味の球は少し出しにくい。

このラバーを使いこなすには
相手の回転に負けずにボールの弾みや飛距離の伸びを制御する事や、球離れの早さやラバーの重さへの対応が必要になりやすく、球離れの早さや、ラバーの全体硬度と打球感の硬さやラバーの重さに対しての好みや相性も左右してくる。

ラバーのボールの軌道のコントロール自体は良好ですし、ボールコントロール難度は中間基準くらいに収まっていると思いましたので、余程相性が合わない限りは大事故は起こりにくいとは思いましたが、ラバーの全体硬度は昨今の表ソフトラバーとしては随分硬さを感じる点は良くも悪くも個性的。
また、1.5mm程のスポンジ入りでも少し重めな為、ラバーの重量過多も気にかかる部分ではある。しかし、Firestormのスポンジよりは重量は抑えられている。

かなり尖ったラバー構成や特徴を持ちながらも、扱いにくさは上手く抑えられていて、全体硬度が硬いタイプのラバーとしては珍しく、良心的なコントロールも備えた仕上がりになっている。

異質専門メーカーから発売された、粒配列横目の粒表面布目無しの個性的な構成のショートピンプルの表ソフトラバーは、軌道のコントロールの良さや高弾道性の強さも確保出来ており、
Firestorm SoftやFirestormと同様、表ソフトラバーとしての力作として扱える見込みのあるラバーとなっていると感じました。

また、全体的なラバー構成や性能はFirestormとかなり近いと思いました。
ボールコントロール難度もFirestormと同じくらいとは思いますが、総合的に見ればFirestorm -Green Storm Edition-のほうが僅かにボールコントロール難度は下がるかもと判断。

あとは、
スポンジ硬度と全体硬度と打球感の硬さに関しては好みがはっきり分かれると思いますし、
強い回転を作るには、球離れの早さに負けない強いインパクトは必要になりますが、
上手くラバーを扱える力があれば
Firestormと同様、コントロール+スピードに回転も上乗せ出来るようになり、このラバーが持つ攻撃性の強さを引き出せるようになるのではとも思います。