【バタフライ イリウスB】
〈粒高ラバー〉
赤 薄 (1.1mm〜1.3mm)
サイズ 縦181mm×横169mm
パッケージ開封前 77.1g
全開封後 51.5g
カット後重量 37.0g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.718 (37.0g÷51.5g)

〈シート厚〉
ベース 0.35mm程
粒の高さ 1.6mm程
(円柱部分 1.5mm程)
(台形部分 0.1mm程)
トータル 1.95mm程

〈スポンジ厚〉
1.3mm程

〈シート+スポンジ厚〉
1.95mm程+1.3mm程=3.25mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.6mm程
粒直径 1.6mm程
アスペクト比 1.0程
円柱+台形

〈粒間隔〉
縦 3.157mm程
横 1.15mm程
斜め 1.163mm程
合計値 5.470mm程 (低め)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
あり(荒い)

〈バタフライ公式の性能数値〉
スピード 6.75
スピン 4
スポンジ硬度 48°


(フリースペース①)
イリウスBは硬めのシートを採用。
シートはイリウスSと同一仕様であるとの事。
スポンジは相手の打球の威力を吸収するアブソーバー スポンジ ドロップを採用。
変化と安定性の両立に成功したとの事。

粒の高さは1.6mm程。
粒直径は1.6mm程。
アスペクト比は1.0程。
粒形状は円柱+台形。
粒配列は横目。
シートのベースが少し厚め。
粒間隔の合計値は低めで、粒間隔は少し狭い。


①シート硬度及び粒硬度 6.5 (やや硬め)
やや硬めのシート処方だと思いました。

②スポンジ硬度 7.5 (やや硬い)
バタフライ公式のスポンジ硬度だと48°
TSP基準日本硬度に換算すると45°くらいのやや硬い硬度と感じる。
やや気泡があるターコイズグリーンスポンジ。

しかし、やや気泡がある影響が働く為か、指でスポンジを触るとTSP基準日本硬度換算42°付近に感じますし、実際の硬度数値よりはボールがめり込んくれるように感じる。


③シート+スポンジ硬度 7 (やや硬め)
薄(1.3mm程)のスポンジ入りでの測定。
シートはやや硬めで、スポンジはやや硬い為か、全体硬度や打球感はやや硬めになっていると感じる。評点は7点に。

④粒の曲がりやすさ 4.5 (ほんの少し曲がりにくい)
粒直径は1.6mm程ではあるものの、
シート処方がやや硬めで、粒間隔が少し狭く、粒形状が円柱+台形である影響が働く為か、粒はほんの少し曲がりにくくなっていると思いましたので、評点は4.5点に。

⑤総重量 5.5 (ほんの少し重め)
薄(1.3mm程)のスポンジ入りでの測定。
ブログ内の基準ではほんの少し重めの数値が出ましたので為、評点は5.5点に。

⑥難易度 7.5 (比較的扱いやすい)
このラバーの特徴としては
◆シート硬度及び粒硬度はやや硬め。
◆シートのベースが少し厚め。
◆粒間隔は少し狭い。
◆スポンジ硬度はやや硬く、やや気泡がある。
◆全体硬度や打球感はやや硬め。
◆弾みは日本の粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらいですが、飛距離の伸びは少し出やすい。
◆ボールの減速はまずまず効いてくれる。
◆弾道はやや弧線弾道になりやすく、弧線はまあまあ作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
◆球離れは少し早め。
【回転影響の受けにくさ 5.5】粒高としては相手の回転の影響を受けやすい。
◆ボールの引っ掛かりは良く、ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプでなない。
◆ラバー総重量がほんの少し重め。

等の特徴があると思います。


弾みは粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらい。飛距離の伸びは少し出やすいくらいの基準。
ボールの減速はまずまず効いてくれる。
ボールの軌道のブレは少し生じにくい。

球離れは少し早めですが、球持ちはそこまで悪くはなく、ボール設置時間もある程度確保出来るようになっている。
薄スポンジ入りの場合、ラバー総重量がほんの少し重め。
極薄以上のスポンジを用いる時は総重量過多によるラケットの操作不良には注意が必要。
また、薄スポンジ入りの場合はラバーの高弾道性はやや強いくらいになる。

ラバー総重量がほんの少し重めで、粒高ラバーとしては相手の回転の影響を受けやすい面はあるものの、
ボールの軌道のブレは少し生じにくい。
粒高ラバーとしては比較的扱いやすいラバーであると思いましたので、難易度の評点は7.5点に。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
自分から回転を作る際の回転発生の成功率はまあまあ高め。
最大回転量は粒高ラバーとしては結構高め。
使い手のインパクトの強さに応じて回転量を伸ばしにいける見込みはあるものの、インパクトの強さが足りないと、回転量はイマイチ伸びないですので、回転を作るのは楽ではない。結構高めの回転量を作るにはインパクトの強さが必要ですし、自分から繰り出す球質の回転量の強さを意識する場合は注意。

【変化の強さ 5.5】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は残りにくく、ナックル気味の球質になりやすいほうだと思います。
勝手に強いスピン反転をするような変化が起きやすいタイプではなく、
変化は粒高ラバーとしては弱め。

同社のイリウスS【薄】と球質を比較した場合、
変化はイリウスB【薄】のほうがほんの少し上。
回転発生成功率と最大回転量はイリウスB【薄】のほうがほんの少し下になると判断。


(フリースペース③)
イリウスBのラバー性能や使用感は
同社のイリウスSとかなり近いものとなっている。
◆スポンジ硬度
◆ボールの減速の効き具合
◆回転発生成功率と最大回転量
◆変化
◆ラバー総重量
この辺りは微妙に違いがありますし、この項目以外にも微妙な違いが生ずる点は幾つかあるのですが、この5項目以外に関しては、記述に微妙な違いを出さなくても良いと思う程、イリウスSと特徴が似ていると思いましたし、ラバーの全体的な性能や使用感はイリウスSとかなり近いものとなっていると判断。


(フリースペース④)
イリウスは
相手の打球の威力を吸収するスポンジを組み合わせている事が特徴として挙げられているラバーである。

その特徴がどのように現れるかを調べるに辺り、ラバーのスピード性能と衝撃減衰効果に関しての検証結果も記載。

【スピード性能に関して】
イリウスB【薄】のスピード性能は
弾みの強さは中間基準。
飛距離の伸びは少し出やすい。
ボールの減速はまずまず効いてくれるくらいの基準。
スピード性能は同社のフェイントロング2【薄】と近いですが、フェイントロング2【薄】のほうが飛距離の伸びの出やすさはほんの少し抑えられておりますし、フェイントロング2【薄】のほうがボールの減速もよく効く。
弾みの強さが中間基準くらいのラバーは日本メーカーの粒高ラバーには多くはありますし、スピード帯も少し強め未満ではあるものの、極端に弾みが弱かったり、極端にボールの減速が効きやすいというわけではない。

また、ラバーの検証をするに辺り、
イリウスBのスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態の物を用意し、シート単体でのスピード性能も測定。
シート単体でのスピード性能は
弾みの強さは少し弱め。
飛距離の伸びは出やすいタイプではない。
ボールの減速は効かせやすい。
という結果が出る。
シート単体の時のほうがボールの弾力が低くなり、ボールの減速も、より効きやすくなった。

シート側のスピードが少し弱めという要因はあるものの、スポンジを付けたらスピードが上がった為、イリウスB【薄】のスポンジは、スポンジを付けてもスピードが下がるタイプの吸収スポンジと位置付ける事は出来ず。
イリウスB【薄】の弾みの強さが中間基準クラスに収まっているのは、シート側のスピードの低さが現れている影響が強めである為と思われる。

また、イリウスのシート単体のスピードの低さは、同社のフェイントロング3【薄】と同等くらいのものとなっており、(2025年5月時点までに検証した粒高ラバーの中からスピード帯の順位を算出した場合)、粒高ラバーとしては7位〜14位の低さとなる。

【衝撃減衰効果に関して】
イリウスB【薄 1.3mm程】の衝撃減衰効果がどれくらいのものかを判断する際に、全体硬度が近いラバーを比較対象として用意し、比較検証もしている。
比較対象は
YASAKA社のファントム0011 ∞【極薄 1.0mm】
シート硬度及び粒硬度 6.5点 (やや硬め)
スポンジ硬度 6.5点 (やや硬め)
シート+スポンジ硬度 6.5点 (やや硬め)

相手の打球の威力を吸収する特徴を挙げるなら、最低でもファントム0011 ∞と互角くらいの衝撃減衰効果が欲しいと思っていましたが、検証してみると、
ファントム0011 ∞よりも衝撃減衰効果がほんの少し低く感じる検証結果が出る。
やや硬いスポンジを組み込んでも衝撃減衰効果を確保出来るような加工はされているのかもしれませんが、相手の打球の威力を吸収する特徴を挙げるのなら、もう少し衝撃減衰効果が欲しかったと思いましたし、ファントム0011 ∞よりもスポンジ硬度がほんの少し硬くなっている影響が響いてしまったのかも…?と思いました。

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イリウスの
相手の打球の威力を吸収するという特徴を体感的にどう捉えるかに感しては、人によって変わってくるとは思いますが、
相手の打球の威力を吸収する特徴の検証に関しては、悪い結果が出たとは言わないものの、良い結果が出たとも言えず。
相手の打球の威力を吸収する能力が感じられるような革新的な性能があるようには感じられませんでしたし、相手の打球の威力を吸収する特徴は必ずしも体感出来るとは限らないと思いました。

しかし、説明文の通りに相手の打球の威力を吸収する特徴を感じられる可能性はあるとは思いますので、

簡易的なまとめ用に挙げる文章としては、相手の打球の威力を吸収するという特徴をどれくらい感じられるかは、ラバーに触れてみないとわからないと記載するに至りました。


(フリースペース⑤)
イリウスB【薄】のスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合のシート重量データ。

カット後重量 20.2g (縦162mm×横160mm)※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。

シート重量の評点はブログ内の基準では6.5点 (やや重め)

シートのベースが少し厚め+粒間隔が少し狭い事によるラバーの総面積の大きさや、やや硬めのゴム配合の影響が現れた為か、シート側の重量はやや重めの数値が出る。粒高ラバーとしてはシートの重さが感じられる。


(フリースペース⑥)
イリウスB【薄】のスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合の難易度の評点は7.5+(比較的扱いやすいほう)。
ブログ内では【薄】スポンジを組み合わせた場合のほうが難易度は僅かに低下すると位置付けておりますが、難易度に大きな違いがあるわけではない。


(フリースペース⑦)
イリウスB【薄】のスポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にした場合の繰り出される球質に関しての簡易データ。
回転発生成功率は少し高め。
最大回転量はまあまあ高め。
変化の強さは8.5点。変化はほんの少し弱め。(同社のフェイントロング3【OX】やフェイントOXと同等くらいの変化となっている。)


(フリースペース⑧)
イリウスB【薄】の性能を深く知る為に、
スポンジをほぼ削ぎ落として、OXに限りなく近い状態にする検証も仕方なく敢行しましたが、
基本的には、スポンジの剥離や削ぎ落としは行うべきではないと思っております。
ラバーの性能を深く知る為にどうしてもスポンジの剥離や削ぎ落としを行いたいと思ったとしても、スポンジに手を加えたラバーはラバーの検証用以外の目的には用いない事を強く推奨。


(簡易まとめ)
イリウスBはシートにもスポンジにも着目した粒高ラバーとして、2021年11月、バタフライから新たに発売される。

シート処方はやや硬め。
粒の高さは1.6mm程。
粒直径は1.6mm程。
アスペクト比は1.0程。
粒形状は円柱+台形。
粒配列は横目。
シートのベースが少し厚め。
粒間隔は少し狭い。
シートはイリウスSと同一仕様。

スポンジは相手の打球の威力を吸収するアブソーバー スポンジ ドロップを採用。
スポンジ硬度はやや硬く、やや気泡がある。

ラバーの全体硬度や打球感はやや硬め。

薄スポンジ入りの場合の変化は粒高ラバーとしては弱め。
(シート単体での変化は粒高ラバーとしてはほんの少し弱め。同社のフェイントロング3【OX】やフェイントOXと同等くらいの変化となっている。)

自分から回転を作る際の回転発生の成功率はまあまあ高め。
最大回転量は粒高ラバーとしては結構高め。
使い手のインパクトの強さに応じて回転量を伸ばしにいける見込みはあるものの、インパクトの強さが足りないと、回転量はイマイチ伸びないですので、回転を作るのは楽ではない。結構高めの回転量を作るにはインパクトの強さが必要。

弾みは日本の粒高としては弾みすぎず弾まなすぎず中間くらいですが、飛距離の伸びは少し出やすい。
ボールの減速はまずまず効いてくれる。
極端に弾みが弱かったり、極端にボールの減速が効きやすいラバーというわけではない。
また、シート側のほうがスポンジ側よりもスピードが低くなっている。
シート側のスピードが少し低めという要因はあるものの、イリウスB【薄】のスポンジは、スポンジを付けてもスピードが下がるタイプの吸収スポンジと位置付ける事は出来ず。

球離れは少し早めですが、球持ちはそこまで悪くはなく、ボール設置時間もある程度確保出来るようになっている。
薄スポンジ入りの場合、ラバー総重量がほんの少し重め。
極薄以上のスポンジを用いる時は総重量過多によるラケットの操作不良には注意が必要。
薄スポンジ入りの場合、ラバーの高弾道性はやや強いくらいになる。

ラバー総重量がほんの少し重めで、粒高としては相手の回転の影響を受けやすいものの、ボールの軌道のブレは少し生じにくく、粒高ラバーとしては比較的扱いやすい。(シート単体での難易度は粒高ラバーとしては比較的扱いやすいほうと定めている。)

また、イリウスは
相手の打球の威力を吸収するスポンジを組み合わせている事が特徴として挙げられているラバーではありますが、その特徴を体感的にどう捉えるかに関しては、人によって変わってくる。
イリウスB【薄】はシート+スポンジのスピードが弱かったり、極端にボールの減速が効きやすいラバーというわけではない。
ラバーの衝撃減衰効果も低くはないものの、高いわけではない。
相手の打球の威力を吸収する特徴の検証に関しては、悪い結果が出たとは言わないものの、良い結果が出たとも言えず。
相手の打球の威力を吸収する能力が感じられるような革新的な性能があるようには感じられませんでしたし、相手の打球の威力を吸収する特徴は必ずしも体感出来るとは限らないと思いましたが、説明文の通りに相手の打球の威力を吸収する特徴を感じられる可能性はあるとは思いますので、
相手の打球の威力を吸収するという特徴をどれくらい感じられるかは、ラバーに触れてみないとわからない。

総評としては
全体硬度はやや硬めでありながらも比較的扱いやすいと思えるボールコントロール性能があり、頑張れば粒高としては結構高めの回転も作れる見込みがあるラバーとなっていると思いましたが、
インパクトの強さが足りないと、ボールの回転量はイマイチ伸びなく、回転を作るのは楽ではないですし、変化も粒高ラバーとしては弱め。
結構高めの回転量を作ったり、球質のバリエーションを確保するにはインパクトの強さや技術は必要になるラバーであるとも思いました。
あとは、極薄以上のスポンジを用いる時は総重量過多によるラケットの操作不良にも注意が必要ではあるとも思いました。