【SWORD Scylla III】
〈粒高ラバー〉
黒 OX
サイズ 縦170mm×横171mm
パッケージ開封前 53.0g
全開封後 21.5g
カット後重量 16.2g (縦162mm×横160mm) 
※シェークラケットの寸法で、接着剤の重量は含まない。
重量比 0.753 (16.2g÷21.5g)

〈シート厚〉
ベース 0.2mm程
粒の高さ 1.6mm程
トータル 1.8mm程

〈粒形状〉
粒の高さ 1.6mm程
粒直径 1.7mm程
アスペクト比 0.941程
円柱

〈粒間隔〉
縦 3.040mm程 
横 1.036mm程 
斜め 1.035mm程 
合計値 5.111mm程 (結構低い)

〈粒配列〉
横目

〈粒表面の布目〉
なし

Made in China


(フリースペース①)
中国メーカー。
SWORDから販売されている粒高ラバー。

粒の高さは少し高めで粒直径は粒高としては大きめ。
アスペクト比は0.941程。
粒間隔の合計値は結構低く、粒間隔は狭い。
粒形状は円柱で、粒配列は横目。
粒表面の布目はなし。
シートのベースは薄め。

同社の粒高ラバーのScyllaとかなり近いシート設計となっている。


①シート硬度及び粒硬度 5.5 (ほんの少し硬め)
ほんの少し硬めくらいのシート処方だと思いました。

②粒の曲がりやすさ 4 (少し曲がりにくい)
粒形状は円柱ではあるものの、
シート硬度がほんの少し硬めで、粒間隔が狭く、粒直径が粒高としては大きめな影響が現れる為か、粒は少し曲がりにくくなっていると思いました。粒を潰す勢いで深く曲げるには強いインパクトが必要になる。

③シート重量 3.5 (やや軽め)
OXでの測定。
OXのラバーとしてはやや軽めの数値が出ました。
 
④難易度 7.5+α (中間基準)
このラバーの特徴としては
◆シートや粒の硬度はほんの少し硬め。
◆粒感覚は狭い。
◆粒表面に布目がない。
◆シートのベースは薄め。
◆球離れはほんの少し早い。
◆打球感は少し硬い。
◆衝撃減衰効果はほんの少し低め。
◆粒高としては弾みはほんの少し強めで、飛距離の伸びは少し出やすい。
◆ボールの減速はまずまず効いてくれる。
◆弾道は少し弧線弾道気味になりやすく、弧線はやや作りやすい。
◆ボールの軌道のブレは起きやす過ぎず起きにく過ぎず。
◆ボールの不可解な滑りが発生しやすいタイプではない。
◆【回転影響の受けにくさ 10】粒高としては相手の回転の影響は受けやす過ぎず受けにく過ぎず。

等の特徴があると思います。


シート処方はほんの少し硬めで、シートのベースが薄めな影響も働く為か、打球感は少し硬い。
衝撃減衰効果はほんの少し低い。

球離れはほんの少し早い。
弾みの強さは粒高としてはほんの少し強めで、飛距離の伸びは少し出やすいですが、ボールの減速はまずまず効いてくれる。
ボールの軌道のブレは起きやす過ぎず起きにく過ぎず。
ラバーの高弾道性は少し強め。

球離れがほんの少し早く、衝撃減衰効果がほんの少し低めな面はあるものの、
ボールの軌道と長短のコントロールは良過ぎず悪過ぎず、ラバーの高弾道性も少し強め。
ボールコントロール難度は中間基準くらいだと思いましたので、難易度の評点は7.5+αにしました。


(フリースペース②)
キレや変化量に関しては
自分から回転を作る際の回転発生の成功率は少し高め。
最大回転量はOXの粒高ラバーとしては少し高め。
しかし、回転量を伸ばすにはほんの少し早い球離れの早さに負けずに強めのインパクトを起こす事が必要。

【変化の強さ 9.25】
ただボールを当てるだけだと相手の回転は少し残ってくれる事が多い。
変化は粒高ラバーとしてはほんの少し強め。
ナックル気味の球は出しにくい。


(フリースペース③)
Scylla IIIは、
同社のScyllaが2020年7月1日にITTFの公認が切れた後に発売されたラバー。

粒の高さ、粒直径、粒間隔、シートのベースの薄さ等、様々な部分においてScyllaにかなり近いシート設計となっている。

しかし、シートのゴム配合は変更された感じはあり、シートの光の反射率が上がり、シートの色も少し濃くなった感じはしますし、シート硬度もほんの少し硬さが上がり、ほんの少し硬めくらいの硬度になっている。

回転発生成功率、最大回転量、変化はあまり変わっていない印象。

ボールコントロール難度に関しては、
Scyllaと同様、中間基準くらいに収まっていると思いました。
どちらのほうが扱いやすいかは個人差により分かれるかもとは思いましたが、難易度の評点に関してはScylla IIIとScylla共に7.5+αにしました。

シートのゴム配合をほんの少し硬めにしながらも、ボールコントロールは悪くならないような配合に調整出来ている印象でした。

あとは弾みの強さはScylla IIIのほうが若干抑えられていると思いました。


(簡易まとめ)
シート硬度はほんの少し硬めくらい。
粒は少し高めで、粒直径は粒高としては大きめ。
粒間隔な狭く、粒表面に布目がない。
シートのベースが薄め。
Scyllaの名を冠したラバー。

変化は粒高ラバーとしてはほんの少し強め。
自分から回転を作る際の回転発生成功率は少し高め。
最大回転量はOXの粒高ラバーとしては少し高め。
しかし、回転量を伸ばすには、ほんの少し早い球離れに負けないインパクトが必要。

弾みの強さは粒高としてはほんの少し強めで、飛距離の伸びは少し出やすいですが、ボールの減速はまずまず効いてくれる。
ボールの軌道のブレは起きやす過ぎず起きにく過ぎず。
ラバーの高弾道性は少し強め。

ラバーの特徴的には部分的に奇抜と取れる面もありますが、
ラバーの特性時には、全体的には奇抜な特性はあまり現れず。
同社のScyllaやVenomと同様、
ボールコントロール難度は中間基準くらいに収まっていると思いました。
ほんの少し早い球離れに負けずに強めのインパクトを起こす事で攻撃性の向上を見込めるラバーだと思います。

2020年7月に同社のScyllaがITTF公認切れしましたが、Scylla IIIは、Scyllaの後釜として代わりを担える性能を確保出来ていると思いました。